その後のアンセット航空情報

公開日 : 2001年10月19日
最終更新 :

アンセット航空の突然の破綻騒ぎから1ヶ月が経った。オーストラリアではちょうどスクールホリデー(学校休暇)に入り、元々かなり込み合っていた時期だったために、路線に関わらず国内線航空券の予約がほとんど不可能という深刻な状況となってしまった。ディスカウント航空券はおろか、ノーマル航空券(正規料金)までがほぼ満席となってしまったのだ。アンセット利用者ではない観光客の人でも少なからず影響を受けただろうと思う。座席数確保のために、カンタス航空がアンセットの機体やスタッフをリースする案が当初は有力と見られていたが、管財人とカンタス航空の協議は合意には至らなかった。その後、9月26日になって連邦政府が臨時救済措置を発表(運行停止という最悪の事態になる前に、この措置が取られていれば......)。政府からの融資を受けることができたアンセットは新たに『アンセット・マーク2』として、9月29日からシドニー~メルボルン間の運航を再開した。食事などの機内サービスはいっさいなしだ。10月19日現在では、さらにシドニー~ブリスベン間、シドニー~パース間、メルボルン~パース間の一部主要路線の運航を行っている。残念ながら、国際線についてはこれまでほとんど話題にすら上っていない。運航再開から12週間までは政府がアンセット・マーク2として販売された航空券を保証すると発表していたが、その後何度か延長され、今のところは来年1月いっぱいまでの保証を約束している。グループ会社であったハゼルトン航空、ケンデル航空、スカイウエスト航空、エアロペリカン航空はそれぞれ別会社として、州政府の援助を受けるなどして、独自に運航再開にこぎつけた。陸の孤島と化していた地方都市の人もほっと一息ついたことだろう。一部専門家の話では「9割に達する可能性がある」というカンタス航空の国内市場シェアの急拡大を憂慮する声も多く、アンセットの運航再開やそれにともなう特別価格を歓迎するムードは高まっている。同時に、破綻前に購入した航空券に対する救済措置が取られないままに、新たに航空券を販売することへの批判の声も高い。引き続き売却交渉は続けられており、有力な売却先としてはシンガポール航空が挙げられている。寡占状態が続いていたオーストラリアの航空業界にヴァージンブルー航空が参入してから1年を経て、国内線市場はこれからがおもしろくなりそうなところだったのだ。売却先が早く決まることを期待したい。アンセット従業員の職場復帰のためにも。

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