テロ事件後の空港の状況

公開日 : 2001年09月17日
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日本に一時帰国中だったわたしは、テロ事件のあった数日後にオーストラリアへ戻る飛行機に乗ることになっていた。京都が実家なので、関西空港を利用することが多いのだが、今回は事情があり、名古屋空港からの出発である。状況は空港によって異なり、また刻々と変化してはいるが、9月15日の名古屋空港での様子を参考までにご報告したいと思う。テレビでは、成田や関空で荷物のチェックを受けるための人込みが報道されていたので、早めに空港へ向かうことにした。予想に反して名古屋空港はひっそりとしている。初めて来た空港なので、普段と比べることはできないが、周りの人の話ではいつもよりも静かな光景だったよう。搭乗予定便のチェックインカウンターは出発2時間前までは開かず、早めに空港に来たと思われる人たちがその前に並んでいる。安全上の理由からか、リクエストしていた2階席がこの便では全席利用不可となっているとカウンターで聞いたが、ほかには特に変わったところは見られない。ただし、セキュリティチェックは普段よりうんと念入りだった。機内持込手荷物検査場には行列はまったくなし。そのかわり、ずらりと警備員が立ち、異様な感じがした。出国審査のブース前には誰も並んでおらずここは15秒ほどで通過、と予想よりはるかにスムーズに出発ゲートにたどり着く。ゲートでは機内持込手荷物の大きさと重量制限を案内するのアナウンスが繰り返し流れていた。規定はもちろん普段からあるが、厳密に大きさや重さを測ることはまずない。地上係員が見るからに多すぎる手荷物の一部を個別に預かるシーンを見たことはあっても、ゲートでマイクを通じて案内されるのを聞いたのは初めてだ。帰路に利用する現地空港ではかかえきれないほどの荷物を持っている人が目立つ日本人観光客も、さすがに出発する際にはすっきりとしたもので、目立ったトラブルは見られなかった。仕事道具のノートブック、カメラに加え、日本で手に入れた器などの割れものを持ったわたしの荷物がもしかしたら一番多かったかも。おかげでアナウンスが流れるたびに、周囲の人の視線が痛かった。(その夜に名古屋空港をご利用になったみなさん、知らん顔して文庫本を読んでいたのが、わたしです、ハイ)名古屋からはケアンズを経由して、シドニーへ。旅行を控える人がいたためかケアンズまではがらがらで、ゆったり3席使って横になることができた。ケアンズでかなりの乗客を降ろしたあとは状況が一変。日本からの便なのに日本人は数えるほどになり、おまけにわたしの席から見まわしたかぎりでは1席も空いていない。この便はケアンズ/シドニー間の国内線だけでも利用はできるが、国際線扱いのため、チェックインの時間が早かったり、入国審査場を通るため身分証明が必要だったりと面倒なため、わざわざ早朝のこの不便な便に乗ることを選ぶ人はあまりいない。ほかの便が空いていなかったから、というのが国内線部分だけの利用者の大半だろう。それが満席だった理由はテロとは関係ない。先週アンセット航空が経営の破綻のため、突然すべての便の運航を停止したからだ。日本からの旅行者やツアー参加者にもさまざまな影響が出ている。次回はそれにまつわる最新情報をお届けする予定だ。

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