本日からスウェーデン国内において新型コロナワクチン接種開始

公開日 : 2020年12月27日
最終更新 :
筆者 : たってぃ
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新型コロナのワクチン接種がEUの各国で開始されましたが、ここスウェーデンでも本日2020年12月27日午前8時過ぎ(日本時間27日午後4時過ぎ)から始まりました。

対象となるのは、まずは老人ホームに住んでいたり、ホームヘルパーを必要とする要介護者に該当する高齢者およびそこに関わる医療・介護関係従事者となっています。そのあと対象は順次拡大され、第2・3フェーズに、満70歳以上の高齢者、新型コロナにかかったら重病となる可能性の高い患者や要介護者の周辺で働く医療・介護関係従事者、リスクグループに属する18歳から69歳の人となり、第4フェーズに上記以外の18歳から69歳の人と、2021年の第一半期にはスウェーデンの18歳以上の全人口が接種できる予定となっています。ワクチンの供給数は増えていく予定なので、政府としては、リスクグループに属する18歳以下も対象としたい意向です。

ワクチンについては、ドイツバイオ企業ビオンテックとアメリカ製薬企業ファイザーが共同開発したワクチン9750回分、およそ4900人分がまず届き、そのあと12月最終週から1月中は、各週約8万回分のワクチンがスウェーデンに届く予定です。1月初めには米製薬企業のモデルナが開発したワクチンの使用も承認される見通しで、そのあとイギリス製薬企業アストラゼネカやアメリカ製薬企業ジョンソン・エンド・ジョンソン、そしてドイツバイオ企業キュアバックと合計5社のワクチンが使用され、スウェーデンの全人口をカバーする見通しとなっています。

ちなみに、スウェーデン人の新型コロナワクチン接種への意欲の有無については、スウェーデンの調査会社Novusが11月に実施した調査によると、接種したいと答えた人46%に対して、26%の人々が接種したくないという回答となっています。8月に実施した調査結果と比較して、接種したいと考えている人が増えているものの、いまだに4分の1が否定的という結果です。ワクチン接種を拒否したい人の約87%が副作用を心配しており、その原因となっているのは、2009年の豚インフルエンザ流行時、英製薬企業グラクソ・スミスクラインが短期間で製造した「パンデムリックス」によってナルコレプシーなどの睡眠障害といった副作用がスウェーデン国内で起き、社会問題となったことに一端があります。

当時は公衆衛生庁からのすすめによって、国民の60%が接種するに至りましたが、今回はどうなるのか、日本と同様、無料かつ自由意思によって接種される新型コロナワクチンの行く末に注目です。

(参考)

■スウェーデン政府ウェブサイト

■スウェーデン公衆衛生庁ウェブサイト

■Sveriges Televisionウェブサイト

■Sveriges Televisionウェブサイト

筆者

スウェーデン特派員

たってぃ

2017年スウェーデンに移住。皆さんに読み込んでいただけるようなブログを目指してストックホルムの旬や”瞬”をお届けしていきます。

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