ストックホルムの住宅事情
今月のお題は、「ストックホルム家賃10万円の家」ということで、ストックホルムの住宅事情を紹介したいと思います。
まず始めに、重要な点を一つ!
スウェーデン全国、もちろんストックホルムでも、賃貸アパートの場合は、土地の値段に関係なく、家賃が決まってきます。簡単に言えば、家賃10万円ならば、ストックホルムの中心地でかなり広いアパートに住めます。
私の友人の賃貸アパートは、
・ストックホルムの中心地で地下鉄の中央駅から2駅
・アパートの9階(最上階)
・3部屋のかなり大きな部屋に1つの小さな部屋、キッチンとバスルーム、北と南に面するベランダ(両方ともかなり広い)
・おそらく、約100㎡くらい (ベランダ抜き)
・電気とインターネット代は別、暖房などは込み。
これで、家賃 9000kr(日本円で、約10万少し超えるくらい。)
これは、賃貸の場合であり、マンションを買う場合は、地域によってかなり値段が変わります。この賃貸の値段が、土地の値段にあっていないという、ちょっと社会主義的な面が残っているスウェーデン。最近では、だいぶ話題にのぼるようになり、何度も、このシステムを見直し、土地の値段にあった家賃にするべきだという声も聞こえています。マルメなど他の都市では、だいぶ本格化した意見も出ているようです。
じゃあ、ストックホルムに住んでみよう!とか思われた方、落とし穴があります。こんな値段で住めるストックホルムの中心地、どうなっているのかというと、
賃貸住宅の順番の列?!
とでもいうシステムがあり、この順番に長く並んだ人から、これらの賃貸アパートを借りられるシステムになっています。このため、上記のようなアパートにあの値段で住むには、おそらくこの順番待ちに20年、30年と並んだ方なのです。さすが、順番待ちのシステムを考案したスウェーデン!という感じです。
この賃貸住宅の順番の列には、毎年250krの登録料を払って並びます。この登録料そんなに高いものではないですが、ものすごい数の人が並んでいるので、この団体は大もうけみたいですね。
こんなストックホルムの住宅事情なので、賃貸アパートを探すのは大変難しく、子どもが生まれると、すぐに賃貸アパートの順番待ちに子どもを並ばせる親が多いと聞きます。そうすれば、子どもが成人するときには、なんとか、アパートが借りられるというわけです。
じゃあ、短期滞在者などはどうするのかというと、多くの方が、「また借り」をすることになります。他の人が所有しているアパートを短期間借りるという方法で、この場合、設定されている家賃よりも、多少高くされている場合が多いです。基本的には、家賃を上げることは良くないとされているのですが、例えば、家具がついているなどの理由があると値段を上げることができるようです。あと、このまた借りの場合は、ある一定期間で出て行ってもらわないと所有権に問題がでるために、大体が2年ほどでアパートを替わることになります。
などなど、ストックホルムの住宅事情はあんまりいいとはいえません。あっという間に増えた人口増加に住宅数が追いついていっていないために、賃貸アパートの数が足りず、住宅不足のニュースをよく聞きます。なんとか改善されるといいのですけどね。
3月のお題:「ストックホルム家賃10万円の家」
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