Martinstagって一体何の日?聖マーティンの日について
ドイツ四季便り10号(2)
さて、前回に引き続き、聖マーティンに関するお話です。
聖マーティンの日というからには、キリスト教(カトリック)にまつわる、聖人、聖マーティンを祝う日ですね。
実は、もう1つ聖マーティンの日にちなんだとても有名な童謡があります。
まずは、どんなメロディーなのか聞いてみて下さい。
"Sankt Martin ritt durch Schnee und Wind"
ザンクト・マーティン・リッ(トゥ)・ドゥルッヒ・シュネー・ウン(トゥ)・ヴィントゥ
(こちらは、聖マーティン、雪と風の中を馬で行くという感じですね。)
この童謡は、聖マーティンにまつわるエピソードを歌ったものです。
このエピソードは、ドイツ人ならまず間違いなく誰もが親しんだお話と言えます。 内容ですが、こんな感じです。
マーティンは、慈悲深き心優しいローマの兵士。
ある凍てつく寒い夜、誰もがコートの襟元を固く握り締めて帰り道を急ぐ晩、1人の貧しき物乞いが、靴もなく着るものも無い裸同然の格好で今にも死にそうに震えています。
そこを馬で通りがかった1人のローマ兵が馬を下り、自分のマントを剣で切り裂いて、その物乞いにかけてやります。 そのローマの兵士こそ、後の聖マーティンです。
誰もが知っている聖マーティンが貧しき人にマントを与えるエピソードは、11月頃、聖マーティンのイベントや幼稚園の劇で演じられることの多いとても有名なお話です。
花咲かじいさんとか浦島太郎とかの童謡をイメージすると分かりやすいですね。
今では大分分かってきたとはいえ、娘が2歳くらいから毎年11月11日に同じ事をしていたのに、最初の2・3年は聖マーティンの日って何なのか? 聖マーティンって誰なのか? さっぱり分からないまま行事に参加していました。
それではあまりに寂しいので、聖マーティンとはどういう人物なのか?ということについて自分なりに分かってきたことを皆さんとシェアしたいと思います。
聖マーティンについて
2008年2歳の時に参加したObeursel(オーバーウアゼル)のラターネ行列では、馬に跨ったSt. Martinが現れて、子供たちにプレッツェルを配ってくれました...
聖マーティンは、殉教をしていないにも拘らず聖者に列せられた最初の人物。
316年にローマ将校の息子として生まれ、後に自らもローマの兵士となるが、その人柄は終始、常に人を助ける慈悲深き人であった。物乞いを助けた有名なエピソードの翌晩、その物乞いがイエス・キリストの姿で夢に現れる。
それを機に軍を辞め、キリストの教えを学ぶためフランスの町、ポワチエへ移り住む。
その慈悲深く正しい行い故に、フランスのトゥールの市民より司教になって欲しいと頼まれるが、恐れ多いと辞退するも、最終的にはトゥールの司教に就き、後30年間勤めることになる。
彼はその所業故に多くの市民から愛され、彼の葬式には多くの人が駆けつけ、長蛇の列をなして行進が続いたと言われている。
今では、ブドウ栽培農家、羊飼い、皮なめし職人、帽子仕立て屋など多くの職業の守護聖人として崇められている。
聖マーティンがどういう人なのか、聖マーティンの日についてちょっとでも分かってくると、キリスト教徒ではありませんが、参加している行事も少し意味合いが違ってくるから不思議です。
【参考資料】
St. Martin Laterneunzueg
Sankt Martin - Wer war das?
WIKIPEDIA "Martinstag"(ドイツ語)
WIKIPEDIA "聖マルティヌスの日"(日本語)
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