ブルガリアの世界遺産:リラ修道院

公開日 : 2019年05月06日
最終更新 :
筆者 : チカ

ブルガリアには文化遺産として世界遺産に登録されているものが7つあります。

その1つで最も有名なのがリラ修道院。

少し時間は経ってしまいましたが、4月中旬にソフィアから車で行ってきたのでご紹介したいと思います。

リラ修道院について

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前回の記事にてブルガリアでは正教会が主流と書きましたが、リラ修道院はそのブルガリア正教会の修道院です。

リラの僧院と呼ばれることもあります。

リラ修道院はソフィアから南に約120km離れたキュステンディル州にあるリラ山脈の中に位置しており、車で約2時間〜2時間半ほどかかります。

1983年にユネスコ世界遺産(文化遺産)の登録されており、ブルガリアの観光名所のひとつです。

ここは標高1147mに位置するため、体感気温はソフィアよりだいぶ低いです。

筆者が行ったのは4月中旬。ソフィアは20度近くある暖かい日でしたが、リラ修道院付近は曇りで気温は8度。

時折雪がちらつくような気候でした。

お越しの際は防寒対策は忘れずに、夏場でもストールや薄手のカーディガンなどを持参することをおすすめします。

ちなみにリラ修道院に向かう道中は以下の写真のような道を通り抜けていくのですが、昔の人はよくこんな山奥に修道院を作ったものだと感心してしまうほどです。

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リラ修道院の歴史

そんなリラ修道院が作られたのは10世紀頃、作ったとされるのはイヴァン・リルスキーという名の僧。

イヴァン・リルスキーを慕う僧や信者が集まり、この僧院が創立されたと言われています。

12世紀から14世紀にかけてリラ修道院は王や貴族の指示を受けて発展し、ブルガリアの文化的・宗教的な中心となっていきました。

14世紀末から約500年間オスマン・トルコの支配に置かれていたブルガリアでは、キリスト教信仰は制限されていました。

けれどもこのリラ修道院はそれに屈することなく、自治権を許され、ブルガリア正教の信仰とブルガリアの言葉・文化を守り抜きました。

そういった意味でもリラ修道院はブルガリアにおいてとても意義のある場所と言えます。

1833年には火災によりフレリョの塔以外の建物はほぼ焼失してしまいました。けれど多くのブルガリア人の支援を得て19世紀後半には再建され、現在の形となりました。

リラ修道院の建物

外観

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城壁のような外陣で取り囲まれていて、小さな門があります。

一見すると修道院というより要塞のような雰囲気ですが、門にはフレスコ画が描かれており、そこだけカラフルです。

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リラ修道院を取り囲むこの城壁のような建物、実は4階建ての修道士の居室。

現在でも修道生活が営まれており、2階より上は観光客は立ち入り禁止です。

修道院内では黒の僧服を身にまとった修道士の姿を目にすることもあります。

1階にはトイレ、郵便局、ブルガリア正教関連の本屋があります。

こちらのトイレは洋式ではなくブルガリア式。床に穴が空いている和式トイレのような形式のみです。

我が家の3歳娘は怖がってトイレに行くことができなかったのでお子様連れの方はご注意ください。

なお、リラ修道院には2箇所の門があります。

片方の門周辺は駐車場のみですが、もう一方の門を出るとそこにはお土産物屋さんやドーナツ屋さん、レストランがあります。

ここで売っているナッツの蜂蜜漬け(2019年4月購入時は4Lv)はとても美味しかったです。

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聖母誕生教会

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リラ修道院の中心に位置するのはこちらの聖母誕生教会です。

この教会は19世紀後半に再建されたものです。

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遠目で見ても黄色のドーム型、赤白の縞模様建物、そして白黒のアーチとカラフルな印象のこの教会。

近づいてみると列柱廊の壁、柱、梁、天井は全てフレスコ画で埋め尽くされており、非常にカラフルで驚きます。

このフレスコ画では聖書の36場面が描かれています。

教会の内部にも色彩豊かな宗教画が残されていますが、こちらは撮影禁止です。

フレリョの塔

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14世紀に建てられたフレリョの塔は1833年の火災を免れた唯一の建造物です。

塔の下にはお土産屋さんがあり、真ん中には鐘があります。

その鐘で今も修道士が時を知らせており、時間が来ると山中に鐘の音が響き渡ります。

リラ修道院のアクセス

ソフィアからリラ修道院に行く際にはバスで約2時間かけてリラ村まで行き、そこからバスを乗り換えてリラ修道院へ行きます。

けれどバスの本数が少なく、乗り逃したら他に帰る手段がほぼないことから公共交通機関で行くのは難易度が高いでしょう。

各種ツアー会社からリラ修道院行きの日帰りツアーが企画されているのでそちらを利用するか、

レンタカーにてアクセスすることをおすすめします。

美しい建築と深い歴史を持つブルガリアの世界遺産、リラ修道院。

ソフィアから行く場合は1日がかりにはなりますが、その価値があると言えるでしょう。

ブルガリアを訪れる際にはぜひ足を伸ばしてみてください。

●リラ修道院基本情報●

名称:Rila Monastery

住所:2643 Rilski manastir, Bulgaria

公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/216

筆者

東京特派員

チカ

2018年8月から2022年5月までブルガリアの首都・ソフィアに住んでいた主婦。4年ぶりに東京に戻ってきて改めて日本の良さを実感しています!

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