[プーケット]世界の著名シェフが集結、16ハンズディナー
Gastronauts Asiaが主催したイベント、Octopi Esenzi。プーケットのリゾートホテル、Iniala Beach Resortに8人のシェフが集まってのコラボレーションイベントを行いました。
参加したシェフは以下の通り(レストラン名-シェフ名、敬称略)
Hertog Jan-Gert de Mangeleer
Gaggan- Gaggan Anand
Hisa Franko- Ana Ros
Nerua- Josean Alijo
Suhring- Thomas & Mathias Suhring
Le Du- Thitid "Ton" Tassanakajohn
Le Maison de le Nature Goh- Takeshi Fukuyama
Esenzi- Tim Butler & John Becker (Tim シェフはエグゼクティブシェフ、John シェフはEsenzi常駐のヘッドシェフ)
リゾート内のシーフードレストラン、Esenziで行われた一夜限りのイベント。
それぞれのシェフが、一つのアミューズと一皿の料理を提供する、という内容で、ユニークだったのは、Ana Rosシェフの発案で、シェフがローテーションで、一緒に食卓につくようにしたこと。仕込みを終えた後、後半のコースを担当するシェフが席に着き、一緒に食事をして、順番が近くなったシェフが、入れ替わりながら厨房に行くスタイル。大人数のコラボレーションならではの、柔軟な発想で、シェフは他のシェフの料理を楽しめ、また食事客は他のシェフと食卓をともに囲むという、特別な体験ができることになっています。
ちなみに、メニューはシェフたちの手書き。(達筆すぎて読めないメニュー名も...)
キッチンの様子をのぞいてみると、それぞれのシェフがそれぞれに準備していて、それを見るのも楽しかったです。Joseanシェフは、スマホをチェック...と思ったら、実はタイマーを使って、正確な秒数でうずらの卵を茹でている最中。
Gertシェフは、ベルギーから持ってきた経産牛の生ハムを刻んで準備。
ここから調達するものも色々あったりして、「どんな魚がある?」などというやり取りも。
福山シェフは、故郷福岡の白アスパラガスを炒め、炒め玉ねぎとクリームのソースに、柚子のオイルと北海道産のウニを添えて。
続いては、Suhring兄弟。スモークしたうなぎにオシェトラキャビア、ディルなどの緑のハーブのムースのシグネチャー。
Joseanシェフは、ラングスティーヌのクリアなコンソメに、酸味のあるナタデココを浮かべ、甘辛い味わいを表現したもの。ほんの少しクミンのようなスパイスが効いています。
Tonシェフからは、タイの東部で獲れたイカの、自然な塩分を生かした一皿。ライムジュースとココナッツミルク、レモングラスなどのタイのハーブ、蟹味噌などで味付けをしてあります。柔らかくて甘いイカ、そしてクレイフィッシュやココナッツハートと呼ばれる中心部分、ニガウリの甘煮などと合わせて。
ホスト側のシェフでもあるTim シェフは、海の香りのプランクトンパウダーを使ったリゾットに、アワビとたっぷりとキャビアを乗せた、高級食材たっぷりの贅沢な一皿を。
Johnシェフは、チョリソーとパプリカのスープ、そして小さなイカの中にはブランダードが入っています。このイカの内臓や炭は、次のAnaシェフの料理にも活用されています。
AnaシェフはこのJohnヘッドシェフとのコラボレーションの皿を。「この地域はイカ釣りで有名だから」と、イカと、他のシェフが使った魚の内臓を、魚醤と合わせて煮詰めた濃厚なソースにスモークしたミルクをかけ、真鯛と合わせてあります。地元の野菜である、朝顔の仲間の葉に、カラマンシーのドレッシングをあえて。カラマンシーの甘みと酸味がこの朝顔のような葉に絶妙に合っていて、ローカルな食材を自在に使いこなす技量に驚きました。
Gagganシェフは、タラバガニのカレーに中華麺、ガーリックオイル。カレーはマスタードシード、カレーリーフが入り、酸味の効いたもので、暑い中でも食欲をそそる工夫がされていました。
デザートは、Gertシェフ。子どもの頃の思い出の味、スニッカーズを、液体窒素を使ってモダンなデザートに仕上げました。
それぞれのシェフの料理を、一皿ずつつまみ食いするような楽しさ溢れるイベント、リゾートで開催ということもあって、和気藹々とした雰囲気。ディナーイベントの後は、アート作品兼ソファのこちらでのんびり。
ほぼ全員のシェフが、この日の午後にレストランに到着して、料理を準備したというだけあって、慣れないキッチンでお互いにサポートし合いながら料理を作っていたのが印象的。この後は同じリゾート内の宿泊とあって、そのままアフターパーティに。「世界が小さくなった」と、料理の世界でも言われる背景には、それぞれのレストランを離れた、こんな「素顔の」シェフ同士の交流からも生まれてくる部分があるのかも。また、こういった普段と違う環境で、新しい刺激を受けるなどの良さもありそうです。
Gastronaut Asiaは、アジアのシェフが海外で活躍するためのプラットフォームとして設立されたもの、これからも様々なイベントを企画して行くそうです!
<DATA>
■Octopi Esenzi
イベント日時:2018年3月(終了)
■ Esenzi (Iniala Beach Resort内)
営業時間:ディナー 18:00~21:00 (L.O.)、日曜、月曜休
住所:40/14 Moo 6 Baan NataiT. Khokkloi A. Takuathung, Khok Kloi, Phangnga, Thailand
電話:+66 93 574 0724
http://www.esenzirestaurants.com/
■Gastronauts Asia
http://gastronauts.asia/
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
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