台湾初の国際フードイベント[International Chefs Summit Asia 2017] Part 3

公開日 : 2017年10月22日
最終更新 :

番外編:台湾に世界のアジアのシェフが集合、International Chefs Summit Asiaには、日本、シンガポール、タイ、フィリピンなどから10人のシェフが集まり、9月19日〜22日の期間中、6つのコラボレーションイベントが行われました。私はその中から3つのイベントにお邪魔しました。

コラボレーションは、前半はThe Landis Taipei Hotel、後半はMandarin Oriental Taipei Hotelと2箇所に分かれて行われました。

お邪魔した最後のコラボイベントは、今年世界のベストレストランの45位にランクイン(アジアで11位)した、日本・傳の長谷川在佑シェフと、タイ・バンコクで今年初めてアジアのベストレストランの36位にランクインした、The Dining Room at The House on SathornのFatih Tutakシェフとのコラボレーション。

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受賞後モダンアジアからモダントルコ料理に舵を切ったFatih シェフ、様々な国のシェフとコラボをしている長谷川シェフ、どんな内容になるのか楽しみに伺いました。

前回のSuhringとFlorilege でのランチに続き、こちらはディナータイム。会場は同じく、Mandarin Orientalのイタリアンレストラン、Bencottoです。

(メニューはDが傳、TがThe Dining Room at The House on Sathorn、MはMandarin Oriental Taipeiです。)

Umami of Anatolia (T)

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フェタチーズをトマトのエッセンスに漬け込み、加熱せずに取ったインフュージョン風の出汁に、チェリートマト。その中には注射器を使って、ニンニクと塩をほんの僅かに加えたトマトのジュースを入れて、噛むとジュワッとジューシーさが弾ける工夫。小さな花のついたきゅうり、周りにはパセリオイル、パセリのソルベを添えて。

Aged Fish (D)

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塩を振って4日間エイジングしたと言うグルッパ(ハタの仲間)に海苔のビネガーソースとわさび。しっかりと甘酸っぱい味わいが新鮮。分厚い刺身ですが、食べやすいようにちゃんと細かく包丁が入っていました。

無題 (M)

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セロリのゼリーにロブスター、トマトコンソメにキャビア、エンダイブ。こちらはコンソメの塩も控えめで、あっさりとした味付け。緩急をつけたコース構成だと感じます。

Monaka (D)

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定番の最中は、フォワグラとパイナップルジャム、松の実。台湾ではパイナップルケーキが名物、その濃厚なパイナップルジャムを入れた最中は、しっかりとした甘みと酸味があり、フォワグラのコクと松の実のコク、最中の香ばしさと合っていました。

Vikings Discovered Istanbul (T)

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生のホタテを使ったホタテ焼き。黒オリーブとシーフェンネルという、シーアスパラガスに似た海水のような味わいのシャキシャキした野菜、ホタテの出汁に、ガルームと呼ばれる古くからトルコで作られている魚醤と、アニスの香りの酒、Rakiをポイントに使っています。

DFC (Den Fried Chicken, D)

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傳のシグネチャーと言うべき定番料理、醤油とガーリックの効いた香ばしい味、中身はその時その時で変わるそうですが、中華圏の台湾らしく、フィリングが中華系のおこわになっていました。

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遊び心溢れるパッケージを見るのも楽しみの1つ。世界中の「お気に入りのレストラン」も表示してありました。

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色々な国から来た人も、知っているお店を目にしたら、より身近に感じてもらえそう。お店側がこんな風にユーモアを交えて「自己紹介」をする、食というのはとてもプライベートな人間味、人と人との関係になって来ているのかもしれないな、と感じました。

Sultan's Message (T)

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そんな風に感じたのは、こちらのFatihシェフのメニューも。昔スルタンは重要な秘密は伝書鳩に運ばせていたという逸話から、スルタンのメッセージを運ぶ途中に撃ち落とされた鳩、というストーリー。フランス産の鳩の胸肉はグリルに、足はコンフィに仕立ててあります。ほんのりシトラスの香りのするネギ、赤いソースは夏が旬のチェリーのソース。チェリーと相性の良い、ピスタチオのクリームが添えられています。

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(以前頂いた時に、手紙は入っていないのかお聞きしたら、今回はちゃんと、由来を書いた手紙が入っていました)

Pineapple paradise (M)

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こちらはお昼と同じ、様々な形で調理したパイナップル。サブレの下には、パイナップルとクリーム、そして上にはパイナップルのソルベとディハイドレーターで乾燥させたパイナップルのスライスが。

いただいたのは3品だけでしたが、甘みや酸味がしっかりしている長谷川シェフのお料理は、西洋料理やエスニックな料理と合わせても弱々しく感じない味わい。フォワグラなどの西洋の食材や香味野菜など、ボリューム感のある食材を使いこなしているのが印象的でした。

また、Fatihシェフは、モダントルコ料理という新しい分野を切り開きつつある最中、どの料理も、伝統料理やトルコで歴史的に食べられて来た味をベースにしていて、トルコの味や食文化を新しい形で継承しようとする意欲を感じました。

そして、ICSA2017にとってはこれが最後のイベント、ディナー終了後には、Orchid Restaurant に会場を移して、アフターパーティが行われました。

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Orchid Restaurant のオーナーのFrank Liuさんからは、台湾の米の美味しさと伝統工芸を知ってほしいと、それぞれのシェフの名前が入った箱に入った弁当の差し入れ。

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この箱、日本の曲げわっぱにそっくりだったのですが、実は台湾でも使われていた懐かしい弁当箱なのだとか。

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今年初めて行われたInternational Chefs Summit Asia 2017、多くの人の「台湾をもっと知ってもらいたい」という思いが詰まったイベントとなりました。

ちなみに、来年3月にはいよいよミシュランガイドブック台湾が上陸予定とか。これからの台湾のフードシーン、ますます目が離せません!

<DATA>

■International Chefs Summit Asia 2017

Zaiyu Hasegawa (DEN) x Faith Tutak (The Dining Room at The House on Sathorn)

イベント日時:2017年9月22日(金)18:30〜(終了)

■Bencotto (Mandarin Oriental Taipei)

営業時間:ランチ 12:00〜14:30、ディナー 17:30〜22:00 (無休)

住所:158 Dunhua North Road, Taipei 10548, Taiwan

TEL:+886 2 2715 6868

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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