朝採れのトウモロコシの旨さに感動! 野菜の可能性に挑む草津の農家「近江彩菜」様を訪ねて

公開日 : 2022年06月10日
最終更新 :

こんにちは、地球の歩き方・滋賀WEB特派員のフナズシマルです。

さて今回は草津市の野菜農家さんを紹介したいと思います。

かつて市内を流れていた草津川(現在は廃川となっている)の河口に、近畿でも最大級と言われるビニールハウス群が広がっています。河川が運んで河口に堆積した土砂は、野菜づくりに適した肥沃な土地を生み出しており、いつしかこの土地でのビニールハウス栽培に可能性を感じた人が野菜作りを始め、やがてそれが広がっていったそうです。

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ここでは葉物野菜を中心に、京つけものの材料となる壬生菜や日野菜、その他「草津メロン」や「愛彩菜」といった地元草津のブランド野菜が栽培されており、一大野菜生産地となっています。

まるでフルーツ!絶品朝採れのトウモロコシ

そんな草津のビニールハウス群の中でこだわりの野菜作りを通して、まだまだ知られていない野菜の魅力を発信しておられるのが「近江彩菜(おうみさいさい)」の田淵さんです。

今回田淵さんから「そろそろトウモロコシや収穫できるよ」と情報をいただき、朝早くからビニールハウスにお邪魔してきました。

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田淵さんのビニールハウスに着くと、大きく育ったトウモロコシがたくさん待っていてくれました。

露地栽培のトウモロコシは良く見かけますが、田淵さんはトウモロコシの持つポテンシャルを目一杯引き出すためハウス栽培に取り組まれています。

ハウス栽培では昼夜の寒暖差も大きくなり、また水分の管理もよりトウモロコシの育成に適したものにできるので、実が大きくとても甘くなるのだそうです。

とは言っても、いいことばかりではありません。

実はトウモロコシってひとつの株に良くて2本、通常は1本しか採れないのです。

その理由は、1〜2本を残して摘果してしまうため。

株の一番上にホウキのようなのがついているのが雄しべで、そこから下の花に花粉が降りかかり実になります。

皆さん皮を剥いだときに上の方までビッシリと粒がついているほうがいいですよね。あれって、ひげのような雌しべにたくさん受粉すればするほどちゃんと粒になるんです。ということは上の方の実はたくさん受粉しますが、下の方まで届かない。なので下の実は取っちゃうのです。

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しかも露地栽培に比べ栽培できる数に制限のあるハウス栽培のトウモロコシって貴重ですね。

そんな貴重なトウモロコシを田淵さん自ら数本採ってくださいました!

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見てください!

ほら、上の方までぎっしりと大きな粒が入っているでしょ?

すごく丁寧に一本一本育てられていることがわかります。

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さっそくその場で生のままいただきました!

ガブリっ!

うん? なんだこれは!

口の中にまさに果汁といった強い甘みとほのかな酸味が広がり、まるで果物を食べているかのよう。

「え? これ生のトウモロコシですよね? こんなに美味しかったら茹でたり焼いたりしなくてもこのままが一番美味しいじゃないですか!」

と私。

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実はトウモロコシ、採れたてが一番甘みが強く、時間の経過とともに甘みも栄養分も落ちていきます。なので、本当の甘さを知りたいなら早朝の採れたてしかないんです。

もちろんちゃんと保管すれば味が落ちるのを緩やかにできるそうで、皮付きのまま冷蔵庫の野菜室で縦にしておくのがオススメだそうです。ちなみにレンジでチンするときも皮付きのまま600Wで5分程度温めると美味しいとのこと。

草津名産のブランドフルーツも

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トウモロコシの隣のハウスでは草津のブランドフルーツである「草津メロン」が栽培されていました。

モリヤマメロンや愛東メロンとともに、滋賀県を代表するブランドメロンで、ちょうど今の時期に予約販売が開始されます。

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田淵さんのメロンは、特別なプレゼント用に表皮に文字やイラストを入れたものも作っておられます。

これもかなりの職人技のようでして、若いうちに表皮に浅く刃物を使ってキズを入れることで、こんなふうに絵や文字が浮かんでくるのです。

ただキズが深いとそこからダメになってしまったり、たまたまその実がうまく生育しないこともあるんだとか。

でも、こんなふうに名前が入っていたり、かわいいイラストがあったりすると嬉しいですよね。

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現在は美味しくて楽しい野菜や果物づくりに果敢にチャレンジしている田淵さん。

でもちょっと前までは農家が嫌いだったそう。

田淵さんは小さな頃からご両親やお祖父様の野菜づくりを見ながら育ってこられました。やがて農家を継ぐことになり、その後はビニールハウスで通年で決まっている野菜をひたすら作り続ける毎日に。

作った野菜は近くのJAに出荷できるので、単調な作業ではあるけど確実に収入になるのです。

しかしその単調さが田淵さんは面白くなかったといいます。

自分が創りたい美味しい野菜を作り、それを皆に食べてもらう。田淵さんが求めたのは作り手の想いと、届いた先の笑顔が見える農業。

正直、田淵さんの野菜づくりは、手間のかかる育成や収穫以外にも、包装、販売まで1人ですべて自分たちでやならければならず、効率も良くありません。

そのため、同じエリアで仲間を増やそうとしてもなかなか増えないのだとか・・・。

それでも果敢に美味しい野菜、楽しい野菜を広げようと日夜頑張っておられるのです。

しかし、こういった作り手の心が見える野菜を食べることは、その味だけでなく心もいただくことができます。安売りのスーパーの野菜よりは少々高いかもしれませんが、食べた時の満足感は全然違いますから。

きっと心からの、

「いただきます!」

「ごちそうさまでした!」

が自然に口からでてくるはず。

ぜひ、そんな農家さんに会いに行ってみませんか?

あなたの野菜に対する気持ちが変わるかも・・・。

(近江彩菜 田淵様)

住所:滋賀県草津市北山田町882

電話:080−1457−8472

メール:oumi_saisai@yahoo.co.jp

近江彩菜 田淵さんのトウモロコシを食べに行くツアーは、こちらで受付されております。

かなりの早起きツアーですが、普通は朝は出荷が忙しいため受け付けてもらえないところ、このツアーでは特別に朝採れのトウモロコシ収穫体験ができます。田淵さんのお話もとっても面白いですよ。興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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