紫式部も愛した近江八景の名月~石山寺・秋月祭

公開日 : 2018年09月24日
最終更新 :

近江八景「石山の秋月」

すっかり秋めいてきたこの3連休。ちょうど連休最後の24日が十五夜ということで、全国各地でお月見イベントが多くあったのではないかと思います。滋賀でお月見と言えば近江八景のひとつ「石山の秋月」の石山寺です。

平安時代、紫式部が月を愛でながら源氏物語の構想を練った場所であり、また歴代の天皇が行幸し眼下の瀬田川を照らし浮かぶ月を眺めた「月見亭」がある寺です。そんな石山寺では毎年十五夜に「秋月祭」が行われています。今回は近江八景で描かれた中秋の名月を、石山寺まで見に行ってきました。

いざ秋月祭へ

この日は降水確率は10%程度だったものの、午後からはずっと曇り。果たして月は見えるのか・・・。

午後6時30分自転車を漕いで石山寺へ向かい始めた時、すっかり暗くなった空に登り始めた月は、雲に厚く覆われてました。

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撮影:Funazushi-maru

ただ今日は秋月祭、月は見えずとも境内では様々な催しが行われているので、それらを見るのも楽しみです。

夜の石山寺は初めて。門に灯されたほのかな提灯に、この先どんな景色を見せてくれるのか期待が高まります。

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撮影:Funazushi-maru

門を潜ると参道に灯された行灯が奥までいざないます。行灯のひとつひとつには源氏物語の各帖の題名と絵巻が・・・。

まさに源氏物語の世界への入り口のようです。

拝観受付から中に入り、長い階段を登った先には・・・

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撮影:Funazushi-maru

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一つ一つ丁寧に灯された蝋燭たち 撮影:Funazushi-maru

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「石山寺」と書かれた灯りも 撮影:Funazushi-maru

本堂前は蝋燭のほのかな灯りで満たされた世界が広がっていまいた!

その先には石山寺の象徴でもある大きな岩と多宝塔。ライトアップされて、より幻想的な雰囲気で浮かび上っています。

本堂へと続く道も、細かな細工の施された竹灯籠が迎えてくれます。

その先には主役登場?

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撮影:Funazushi-maru

目の前に急に現れるので若干ドキッとしてしまいましたが、源氏物語の構想を練っている様子の紫式部の人形が・・・。

いえいえ、今日の主役はもちろん月ですよね。

本堂からさらに進むと、

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撮影:Funazushi-maru

先ほどまで雲の厚いベールの下に隠れいていた月が、鐘楼の上に浮かび上がり、少し顔を出してくれました。

皆さん、この瞬間を逃さないとカメラを一斉に構えます。刻々と変わる月の表情に翻弄される我ら・・・魔性の月ですね。

でも石山寺で最も月見の絵になる場所はまだ先にあるのです!

大岩の先にある多宝塔の前を過ぎると、そこが石山寺のてっぺん。

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撮影:Funazushi-maru

眼下には黒く沈んだ瀬田川の流れと、大津の街あかりが。

そして・・・・・

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撮影:Funazushi-maru

紫式部もここから中秋の名月を愛でたであろう、石山寺の「月見台」が。その屋根の上には主役がしっかり出番を待っていたかのように登ってくれていました。さすが平安の世から人々を魅了してきた「石山の秋月」。演出も完璧でしたね!

しかし私ごときのカメラの腕前ではこの感動を届けきることは難しい・・・、と、カメラの技術も勉強せねばと誓うFunazushi-maruでした。

やっぱり団子

で、なんだかんだ、最後は花より団子ではなく「月より団子」。

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撮影:Funazushi-maru

滋賀を代表する菓匠「叶匠壽庵(かのうしょうじゅあん)」の【月見だんご】1本200円と【みたらしだんご】1本150円に飛びつきました。

さすが叶匠壽庵の月見団子、栗の入った甘さ控えめな粒あんがたっぷり!みたらしもしょうゆの香りがしっかり効いています。

せっかく頑張って出てきてくれたお月さまに申し訳ないですが、近江八景そっちのけでイタダキマシタ!

【石山寺】

〇場所:滋賀県大津市石山寺1-1-1

〇TEL:077-537-1105(石山観光協会)

〇HP:http://www.ishiyamadera.or.jp

〇アクセス:

 JR琵琶湖線「石山駅」下車 京阪バス約10分(石山寺下車)

 京阪電車「京阪石山寺駅」下車 徒歩約10分 

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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