白洲正子の愛した石の寺~教林坊のもみじ

公開日 : 2017年11月18日
最終更新 :

滋賀の紅葉で有名なところは北は鶏足寺に、東は永源寺や湖東三山と言われるお寺。南は石山寺や三井寺、日吉大社といった大きなお寺が並び大変な人出で賑わっています。それ以外にも滋賀には沢山の寺社があり、観光客が比較的少なくひっそりとしたところもあるんです。

今回はそんなスポットの一つを紹介します。

安土城で有名な安土町に(近江守護:佐々木六角氏)が居城とした観音寺城があった繖山があります。

繖山に観音正寺というお寺があり、「教林坊」はこの観音正寺の末寺として605年に聖徳太子が創建したものだと伝わります。

随筆家:白洲正子は著作「かくれ里 石の寺」の中で、

~麓の石寺という部落は、世捨人のような風情のある村で、かつては観音正寺の末寺が三十以上もあり、繁栄を極めたというが、現在は教林坊というささやかな寺が一つ残っているだけである。~

と紹介しており、麓の雰囲気も含めひっそりとした侘びさびの世界を味わえる場所となっています。

国道8号線から教林坊の看板のところを繖山へ向かい、車1台分の細い地道を抜けたところにあります。

麓の駐車場に車を止めて、竹林を上がると一つ目の門が。

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茅葺の門が侘びさびの世界に誘ってくれています。

しばらく木々の中を進むと庭園のある境内へ入る二つ目の門があり、入ったところにある書院にて拝観料を払います。

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境内には約300本のモミジがありますが、まだちょっと本格的な紅葉には早かった様子・・・・。

それでも書院の上には赤く染まったモミジが、空を隠すくらいに鮮やかな色で覆っています。

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書院を抜けると小堀遠州作の石の庭園があります。もともとこの辺りは古墳があって、佐々木氏の名前の起源も御陵(みささぎ)から来たと言われています。

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そんな古墳の巨石を利用した見事な庭園が広がっており、教林坊が「石の寺」と言われる所以となっています。

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庭園は巨石もろとも見事な苔に覆われており、緑のじゅうたんの上に落ちる紅葉や草花の赤が映えます。

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もう少ししたら緑の苔の絨毯には赤い落ち葉が広がって、ますます美しいでしょうね。

庭園の奥には本堂があり、ご本尊は聖徳太子作の石仏です。

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上の写真は本堂に祀られたお前立ち本尊の十一面観世音菩薩。

庭園を一巡りすると、書院に戻ってきます。

書院の中にも入ることができ、中から庭園を眺めることも。

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書院の屋根裏には大黒天様が祀られています。

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現在11月1日~12月10日の期間は秋の特別拝観が実施されており、11月18日からは夜間ライトアップも。

教林坊の紅葉はこれからまだまだ綺麗になっていくんではないでしょうか?

僕もこの秋もう一度、今度は夜間に行ってみたいですね!

拝観料:大人500円 小人200円

拝観時間:9時30分~16時30分

住所: 滋賀県近江八幡市安土町石寺1145

お問い合わせ先: 0748-46-5400

アクセス: JR琵琶湖線安土駅より、タクシーにて5分

     車なら名神八日市インターより10㎞ほど

筆者

滋賀特派員

フナズシマル

皆様に是非訪れてほしいマニアックな滋賀のマニアックなスポットをご紹介していきます!

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