「性売買特別法」施行

公開日 : 2004年09月28日
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 去る9月23日、「性売買特別法」が施行されました。旧盆の連休前でニュースが多い中、マスコミでも大きく取り上げられ、サラリーマンが行き交う繁華街やピンクのネオンだけが光る閑散とした売春街からの生中継には警察署長が出演し、取り締まり強化の意気込みを語っていました。 今回の特別法とは、従来の「淪落行為防止法」を補強する意味で「性売買被害者保護法」と「性売買斡旋等処罰法」の二つが施行されたことを指します。例えば、ある性売買の現場を警察がおさえたとすると、今までは売った方はその強制の有無にかかわらず、1年以下の懲役と300万ウォン(約30万円)以下の罰金が科せられましたが、今回の特別法では自発的に性売買に応じた場合のみ処罰対象となり、強制があった場合は業者と買った人のみが処罰対象となります。強制された性売買の場合、売った方は被害者として保護されることも、女性団体が強く望んでいた被害者女性保護の観点から実施されます。 初日の取り締まりでは全国で業者48人、買った男性59人、売った女性21人、チラシなどを配っていた人10人の計138人が逮捕されたそうです。また、カラオケボックスや成人専用ネットカフェなど水面下での性売買の集中取り締まりで性売買関連業者5000人近くを検挙、書類送検したといいます。 警察と業者との癒着が公然のものとしてある中での法強化、この背景には2000年に起きた売春宿火災による売春女性たちの死があります。最近の裁判では、被害女性の遺族へ国家と業者が慰謝料を支払うことが命じられるなど、性売買を取り巻く環境もかなり様変わりしてきています。この事件では女性たちは監禁されていて火災を逃れることができなかったし、警察は業者から賄賂を受け取り癒着関係にあり、性売買を黙認していたという事実が原告勝訴へつながりました。 法施行翌日のニュースでは、すでに廃業を決めた業者の店内などが映し出されていましたが、閑散とした売春街を歩く日本人男性観光客の姿が映し出され、日本人としてかなり恥ずかしかったです。一方、売る側の女性たちの動向は今のところあまり伝わってきません。

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