夕日だけじゃない日本一の落陽スポット「黄金岬」(北海道留萌市)

公開日 : 2022年06月26日
最終更新 :

札幌から車で北へ約2時間、旭川から約1時間10分のところにある日本海側の街「留萌市」(るもいし)。かずの子の生産日本一の街として知られており、「日本一の落陽」といわれる黄金岬からの夕日が有名です。その黄金岬に立ち寄ってみました。

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有数の夕日絶景スポット留萌の「黄金岬」

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オロロンラインから見た夕日(石狩市)/ Sunset view from Ororon Line along the sea of Japan

日本海に面した「黄金岬」は、夕日の絶景スポットとして知られれる岬です。
そしてこの黄金岬がある北海道の日本海側、小樽市から稚内市を結ぶ約380kmの道は、通称「オロロンライン」といい、オロロンラインが海岸線を走る美しい夕日が見られる道路として知られています。
そのオロロンラインのなかでも、とりわけ夕日が美しいといわれる黄金岬。
日本の夕陽の名所「日本の夕陽百選」(NPO法人日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会選定)にも選ばれています。

■黄金岬(留萌市)/Cape Ogon in Rumoi City↑

「黄金岬」の名前は、美しい夕日と留萌市の名産品に関係する留萌市の歴史と自然景観が由来の名前です。
江戸時代から昭和にかけて、留萌市は北海道のほかの日本海側の町と同じく、ニシンで栄えていました。

ニシン漁で沸いていた頃、ニシンは"群来"(くき)と呼ばれる産卵期のニシンが大群で岸近くに押し寄せる現象が起こりりますが、現・黄金岬では、日本海に落ちる夕日や朝日を浴びたニシンが黄金のように光っていたことから、「黄金岬」と呼ばれるようになったといわれています。

余談ですが、北海道の西、積丹半島にも「黄金岬」があり、積丹の黄金岬もまた、夕日に照らされながらニシンの群来が押し寄せたことが名前の由来だそう。
今回は、札幌から少し足を延ばし、初めてゆっくり訪れた黄金岬をリポートします。

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夕日だけじゃない、特異な景観

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Cape Ogon in Rumoi City

たどり着いた留萌市の黄金岬。
あいにく曇っており、夕方まで滞在できないこともあり、黄金岬から海を眺めようと訪れました。

すると、岬一帯の岩がおもしろい!
「黄金岬イコール夕日」と思い込んでいましたが、お昼頃にたどり着いて見た光景は、とても印象的でした。

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Volcanic rock at Cape Ogon in Rumoi City, Hokkaido

岬一帯は、「黄金岬キャンプ場」や売店・飲食店・トイレ設備などがある「黄金岬海浜公園」になっており、海側の際まで寄ってみると、このような岩が眼下に!

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この岬一帯の岩場は「黄金岬カンラン石玄武岩柱状節理」というそう。
地球から溶岩が流れ出し、マグマがが固まってできる火山岩ですが、それは数百万年も前にできたそう。
この光景を見て思い出したのは、枝幸町の「ウスタイベ千畳岩」です。

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Volcanic rock at Esashi Town in Okhotsk, Hokkaido

「ウスタイベ千畳岩」も同じく火山岩で、とても印象的な風景だったことを思い出しました。

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この特異な火山岩を見て、黄金岬と周辺の自然にますます興味が湧きました。

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黄金岬の先端には橋があり、この橋を通って火山岩の上へ渡ることができます。

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黄金岬から見る波

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黄金岬へ行ってみて、改めて認識したことがもうひとつあります。
それは、「波」。
日本海といえば、概して荒波で知られていますが、留萌の日本海もまた、波の激しさ、高さがとりわけ著しく、冬の暴風雪がしばしばニュースなどで報道されるエリアです。

そういえば、記憶に新しいところでは、2017年12月にコンクリートでできた留萌港の灯台が強風による高波によって壊れてしまったことがニュースになりました(2021年に再設置完了)。
灯台が壊れるほどの留萌の波濤は、「るもい風土資産カード」によると、マドラス(現・チェンナイ/インド)、ウィック(英国・スコットランド)と並び、世界三大波濤に数えられるそうです。

最も波が高くなるのは冬期ですが、その頃は強風・高波の日に海へ近づくのはとても危険なので、そういう意味では気候がよい今時期や夏、少し風が強い日に白波を見物するのがよさそうです。
黄金岬の「カンラン石玄武岩柱状節理」によって、そこに波が打ちつけられて飛沫をあげる様子は、砂浜などの海岸では見られない独特の光景です。

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さまざまな自然が調和する黄金岬

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Ramanas rose at Cape Ogon in Rumoi City

初めて黄金岬をゆっくりと訪れましたが、奇岩やそこに打ち付ける波など、夕日のほかにも見どころがいろいろありました。
そして、それだけでもありませんでした。
岬には、強い潮風に吹かれながらハマナスが咲いています!

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Beach plant at Cape Ogon in Rumoi City

ときには波をかぶることもあると思いますが、ハマナスや海浜植物が健気に咲いています。

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Seagulls and it's nest on the volcanic rock at Cape Ogon

そして、雨が降り出し、波間の火山岩から一斉に飛び立っていったカモメのあとに残っていたのは、カモメの巣とそれを守る親カモメ。
思いがけず遭遇した自然のなかのワンシーンです。

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「夕日が見られないのが残念」と思いながら訪れた留萌の黄金岬ですが、思いがけずいろいろな発見があり、雨が降り始めたなかでも、その自然や景観を満喫しました。
夕日の時刻まで滞在できない方も、ぜひ黄金岬を訪れて独特な自然景観を楽しんでください。

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▲札幌からアクセスするなら、時間があれば日本海沿いの国道231号線経由がおすすめ

\t黄金岬海浜公園(留萌市)所在地:北海道留萌市大町2丁目設備等:駐車場(無料)・トイレ・黄金岬キャンプ場・売店・食堂アクセス:札幌より車で道央自動車道・深川留萌自動車道経由で約2時間5分、日本海オロロンライン(国道231号線)経由で約2時間40分。     旭川より車で道央自動車道・深川留萌自動車道経由で約1時間25分。URL(留萌観光協会):https://www.rumoi-rasisa.jp/web/

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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