さっぽろホワイトイルミネーションの季節が来たら、「足元の対策を万全」に楽しい旅を

公開日 : 2021年11月22日
最終更新 :
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Sapporo White Illumination 2020

2021年も「さっぽろホワイトイルミネーション」の季節がやってきました。イルミネーションが点灯すると、間もなく雪の季節がやってきます。2021年は11月19日に札幌管区気象台が札幌の初雪観測を発表しました。この日降っていた雨が22時頃に雪に。
稚内・旭川・網走・帯広・室蘭では、すでに初雪観測が発表されており、札幌は平年より18日遅く、2020年より15日遅い初雪だそうです。
さらに21日に函館、22日に釧路で初雪の観測が発表されました。

札幌市街地では、初雪は積もることはありませんでしたが、少し前から早朝に市内の山で冠雪が見られるようになっていました。
根雪になるには、まだ少し間があると思いますが、これからの冬シーズン、北海道旅行で気をつけたいところは防寒はもちろん、足元の安全です。

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雪積の前こそ気を付けたい"つるつる路面"

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Icy road without snow in Hokkaido, November

11月に入ると一気に北風が冷たく感じる北海道。
札幌市内や近郊の山では冠雪が見られるようになり、平地でも初雪が降る季節です。
雪が積もったときに加え、積雪がないこの時期も旅の安全のために気をつけたいのが足元、路面です。

写真↑は11月の積雪前や雪が降り始めた頃にしばしば見られる、濡れた道路が薄い氷で覆われる「ブラックアイスバーン」です。
一見、濡れているだけのように見えますが、この状態の路面は、氷が張り冬シーズンに最も滑りやすい路面といっても過言ではありません。
自動車がスリップしやすいのも、まさにこのブラックアイスバーンです。
このようなわけで、雪が積もる前からつるつる路面の季節は始まります。

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Slippery white line of the crosswalk in winter

もうひとつ気をつけたいスポットは、冬の横断歩道です。
通行が多いため、横断歩道上には雪がないことも多く、つい安心して歩みを進めてしまうのですが、実は横断歩道の"白線の上"は大変滑りやすくなっています。
可能な限り白線の上を避けて歩くことも転倒を防ぐポイントです。

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対策ポイント1 滑り止め付き厚底ぐつ

雪国では、外出に欠かせない冬用の靴、「冬靴」。
以前、「地球の歩き方」のヨーロッパ編で冬のヨーロッパ旅行に適した装備として「厚底の靴」という記載がありました。
それまで厚底の靴という表現を聞いたことがなく、その意味がピンとは来なかったものです。
その後、温暖な地域では、オールシーズン同じタイプの靴、つまり北海道でのいわゆる"夏靴"を履いて過ごしていることに気づきました。

"夏靴"に比べ、確かに冬靴の底は厚く、北海道などの寒冷地では、寒さや地面の冷たさを防ぎ、さらには転倒防止用の滑り止め加工がされた厚底の冬靴を履いています。
そういうわけで、冬に本州から訪れる人から「どんな靴を履いたらいいのか」という質問も受けることがあります。
そこで寒さを防ぎ、冬道を安全に歩くための厚底冬靴をいくつか紹介します。

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Winter boots with lug-soles

雪深いところや、特に冷え込みが厳しいウィンターリゾート地などへ行く際に便利な防寒を兼ねたウィンターブーツです。
長靴と違う点は、モコモコとした見かけの通り断熱効果がある作りで、外気の冷たさが伝わりやすい長靴とは異なり、足が冷たくなりにくい靴といえます。
靴底は厚いだけではなく、裏底には滑り止めになる凹凸加工があります。

氷の上で完全に転倒を防止できるわけではありませんが、ヒールの高さをなくし、路面と接する面積を大きくした形状に加え、裏底の凹凸で路面でのグリップを利かせます。
また、特に凍った道や圧雪などの硬いツルツル路面には、裏底の素材としてその弾力性から生ゴムが最も滑りにくいといわれています。

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Leather winter boots with lug-soles

こちらは冬用の革靴です。
冬の北海道で販売される靴も、最近では滑り止めの凹凸がないものを見かけるようになり、特に女性用ロングブーツは滑り止め加工がついていないものがほとんどなので、この場合は靴の修理店で滑り止め用ソールを貼ってもらいます。

滑り止め用ソールを貼るには、お店によって数日から数週間かかります。
なかには冬でも夏用ビジネス靴を滑り止めを付けずに履き通す強者もいますが、雪道に慣れた道産子でも1シーズンに1度くらいは大きく転倒する(と思われる)ので、安全重視なら、いずれかの防滑対策をおすすめします。

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Snow boots with cleats and lug-sole

より足元の安全に気をつけたい、という方には、滑り止め凹凸加工のほかに"スパイク"がついている靴がおすすめです。
特に子供用ブーツに多く見られるスタイルで、スパイク(写真↑では裏底の赤い部分)は、手前に引き出すと、スパイク仕様になります。
道路の表面の雪が解けてから夜などに凍ってしできる"つるつる路面"では、このスパイクの効果が絶大です。

ただ、屋内を歩く際は、カツカツ音を立ててタイルなどの床を傷つけるので、屋内に入る都度、スパイクをしまってから歩きましょう。
滑り止め付き「冬靴」を通販などで購入する際は、「防滑シューズ」「防滑ブーツ」「防水防滑スニーカー」などのキーワードで検索してみてください。

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対策ポイント2 ワンタッチスパイク

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Spike attachments for shoes

冬靴を購入するよりも手軽に防滑対策ができるのが「滑り止めスパイク」です。
夏靴に取りつけられ携帯に便利で、パンプスにも取りつけられるので、服装や場所を選ばずに利用できる滑り止め対策といえます。

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札幌中心部ではコンビニエンスストアでも販売しているお店があります。
ホテルでも取り扱っているところがあるので、急に滑り止めが必要になった際はホテルでも問い合わせてみてください。
また、インターネット通販などで購入する際は、「靴底用滑り止め」「ワンタッチスパイク」「滑り止めスパイク」「簡易アイゼン」などをキーワードに検索してみてください。

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対策ポイント3 滑り止め材

雪国の冬道は、気温や天候によって刻々と路面状況が変化することがあります。
そのようなとき、冬靴や滑り止めなどで対策をしていても滑りやすい状況になることも。
滑りやすく危険な路面対策の最終手段が「滑り止め材」です。

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Storage for the sand to prevent skidding on the icy roads

11月~3月にかけて車道用と歩行者用に「砂箱」が設置され、中に細かな砂利が入った「滑り止め材」の袋が入っています。

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Sand storage on the side of the road and bags of the sand to prevent skidding

路面がスリップするなど危険を感じたときには誰でも自由に砂(滑り止め材)を撒くことができます。

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Scattered sand to prevent skidding on the slippery road with compacted snow

特にさっぽろ雪まつり会場など、多くの人が"すり足"で行き交う雪道は圧雪状態となり、氷のようなツルツル路面になります。
札幌市では、このような危険な路面状態の際には、市民自ら積極的に砂をまくことを奨励しています。

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Portable sand to prevent skidding, at the public facility in Sapporo

毎冬、公共施設によっては、誰でも利用できる持ち運びしやすいペットボトル入りの滑り止め材を用意しています。
つるつる路面の日は、もし滑り止め材を見かけたら、遠慮せずに利用してください。

最後になりましたが、冬道での安全な歩き方のコツは、"すり足"です。
「ペンギン歩き」ともいわれることがあるように、ゆっくりとよちよち歩きで、地面と足(靴)が接する面積をできるだけ大きくすることで、ある程度は歩行中の転倒を防ぐことができます。
くれぐれも"踵(かかと)"から足を下ろさないように留意してください。

北海道内では、いよいよ最低気温が0℃を下回る地域が出てきました。
足元に注意し、どうぞ暖かい装いで冬の北海道旅行を楽しんでください。

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筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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