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ハイチ大地震(メディアと情報)

カテゴリー:生活・習慣・マナー 投稿日:2010年1月20日

ハイチ政府は現時点までに7万2千人の死者が出ていると発表する一方で、最終的には20万人が死亡するだろうという推測もされている。同時に、続々と到着する支援物資が、必要とされている人々に届いておらず、物資の受け取りから配分、輸送の適切かつ迅速な指示とその体制作りが求められている。そんなやるせない状況の中でもうれしいニュースがある。地震直後から今まで電話によるコミュニケーションが不可能であったが、今日中にハイチとの電話通話が可能になるらしい。これで世界どこからでもハイチとの連絡が可能になり、家族や友人の安否が確認できることだろう。


しかしここでちょっとコミュニケーションについて異なる視点を取り上げたい。電話だけでなく、電気もなくTVもない被災地で、ハイチの地震被災者は私たちよりも確実に情報量が不足している。幸い首都のラジオ局は生きていたので、キャンプで非難する人々はラジオからのみ情報収集が可能らしいが、きっと、外部にいる私たちの方が、新聞やテレビのニュースを通じて、地震の詳細や支援の実態などより多くの情報を把握していることだろう。CNNやBBCなどの放送では、様々な角度からの分析や議論がほぼ24時間放映されているが、たとえこれらの放送がハイチ国内で流れていたとしても、英語、スペイン語では、多くの一般市民は理解できない。フランス語が公用語とはいえ、現地語はクレオール語。フランス語をしゃべれる人は中・上階級の人に限られる。


では、新聞やちらしではどうか。これもまた難しい。そもそも、ハイチでは学校に行ける子供たちは限られており、クレオール語であっても文字の読み書きができる人は少ない。


このように、正しい情報を、彼らの理解できる方法で入手するのは至難の業である。少ない情報、あるいは誤情報に不安になり、暴動を起こすことだってあり得る。被災地における正確な情報発信は、被災者の心配や不安を取り除くためにも、非常に重要である。特に、食糧や物資がいつ、どこに届いて、どのキャンプに配給されるのかといった情報は、物資分配の効率化のために最低限必要な内容である。だが、悲しいことにこのような情報管理は適切になされていない状況であり、支援物資の車輌やヘリが到着するや否や、被災者が我先にと駆け寄り、群れができあがる。そして物資の取り合いも始まる。


世界各国の記者は現状を世界に発信することだけに目を向けており、被災者のための情報発信は直接にはされていない。物資分配のロジの悪さ、非効率さを指摘するけれども、彼らがそれを改善しようとするわけではなく、問題提起をするに過ぎない。しかし、ここで記者の役割を批判しているわけではない。むしろメディアの力がいかに強いかを物語る。この報道結果を通して、世界各国が問題解決に向けて取り組むのだから。

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