ロックダウン開始から12週間目。自宅待機令と外出禁止令が重なったサンフランシスコ

公開日 : 2020年06月05日
最終更新 :
筆者 : Katie M

先週コラムを執筆した2020年5月28日直後から、サンフランシスコでは経済再開に向けての取り組みの発表と共に、大規模デモや略奪などさまざまなことが起こった1週間となりました。

気になる自宅待機令の解除は行われず、同時に夜間外出禁止令が発令される事態にも。先週から今週までのサンフランシスコの様子をレポートします。

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5/28のプレコンで決まったこと

まず、自宅待機令および、経済活動復帰に向けて大きく変化があったのが5月28日(木曜日)です。正午過ぎにブリード市長が今後の経済復帰についてプレコンを行いました。

現在サンフランシスコは、屋内モール以外の店舗がカーブサイドピックアップという条件で再開になっていますが、6月1日からフェーズ2aという段階に入ること、マスク着用義務令がさらに厳しい条件に改定されることが発表されました。

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ロックダウン状態だった市内を徐々に元の状態に戻していく取り組みですが、サンフランシスコではフェーズ2が細かく区分化され、フェーズ2a・フェーズ2b・フェーズ2cと3段階に分けて行われます。

今月はじめ(6月1日)からはこのフェーズ2aが始まり、託児所や屋外美術館、博物館、植物園の再開が認められることになりました。

同時に、5月29日(金曜日)から、マスク着用令が変わり、外出の際のマスク着用が義務化されることに。これまでは、公共交通機関やスーパーなど室内でのマスク着用は義務づけされていましたが、今後は朝ランや散歩、通りを歩く際もマスクの着用が必須となります。

加えて、現在続いている自宅待機令はこのまま無期限維持ということに。今後徐々に経済が再開し、レストランなどでの食事も可能になっていきますが、基本的にできるだけ自宅で待機する方針が続きます。

ジョージ・フロイド氏に関するのデモ活動が始まった週

ジョージ・フロイド氏の事件以来、現在全米で多くのデモ活動が行われていますが、サンフランシスコも例に漏れず、若者を中心にデモ活動が盛んに行われた週でもありました。

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5月30日(土曜日)からほぼ連日多くの人が、町を練り歩いてデモ活動を行っています。6月3日(水曜日)も、1万人規模の人たちが集まり、市内を行進しています。日中のデモは平和的に行われていますが、5月30日(土曜日)の夜に、店舗に侵入して物品を盗む略奪騒動が起こりました。

略奪により夜間外出禁止令が発令!

土曜の夜にユニオンスクエアを中心に略奪が横行したため、5月31日(日曜日)から市内で緊急に夜間外出禁止令が発令されました。これにより、8:00pmから5:00amまでの外出が禁止に。

この外出禁止令は、6月4日(木曜日)の朝5:00amの解除まで実に4日間も続く事態となりました。6月4日(木曜日)の時点では、日中の平和的デモは続いているものの、夜間の略奪は収まっています。自宅待機令が継続されるなか、外出禁止令が発令されるという前代未聞の状態は、現在の状況がいかに混乱しているかがわかると思います。

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6月3日(水曜日)の時点でジョージ・フロイド氏の死亡に関わる4人の警察官全員が訴追されたの機に、このデモ活動が徐々に沈静化いくことが予想されています。

現在の市内の様子

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青空が続いた1週間。サンフランシスコは初夏と呼ぶにふさわしい天候となりました。現在のサンフランシスコは、交通量が増え、車が多く行き交っています。

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ただ市内にある店舗の多くは、略奪による破壊を防ぐためにベニア板を貼って、備えている状況です。せっかくいい天候が続いた週ですが、一般市民は、外出禁止令と自宅待機令によって、外出する機会が減り、自宅で過ごす時間を余儀無くされているのが現状です。

最後に

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今週は、経済の再活動に向けて一歩を踏み出したと同時に、デモ活動によってさらに感染率が上がることが危惧される週となりました。2020年6月4日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は2437人、死者数は40人。先週の感染者数2198人、死者数38人から、約250人増加・平均すると1日34人ほどの感染が確認されています。

2週間後にこの数がどのように変化するのか、注意深く見守る必要がありそうです。ほかの都市と同様、混乱が続くサンフランシスコの現状を、来週も引き続きレポートします。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

Katie M

18歳での留学をきっかけに渡米。現地で役立つライフスタイルやトレンドなどを紹介します。

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