ロックダウンから4週間。アメリカ・サンフランシスコの様子

公開日 : 2020年04月10日
最終更新 :
筆者 : Katie M

先月2020年3月17日から始まったロックダウンと「Stay at Home Health Order(自宅待機令)」。当初は3週間の予定でしたが、先週5月3日までの延長が正式に決定しました。

今やパンデミックのエピセンター(中心地)となってしまったアメリカ、先週のコラムから今週1週間の様子をお伝えします。

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新たな局面を迎える大切な時期となった週

今週から来週にかけて、アメリカでは感染拡大のピークを迎える重要な時期となりました。4月5日(日)に、トランプ大統領が「これから2週間は、アメリカにとって非常に辛い時期に差しかかる。死者数が最も増える期間となるだろう」との見解を示しました。

加えて、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースのメンバーであるデボラ・バークス博士が「今後2週間は、スーパーや薬局などへの用事を含めてできるだけ外出を控えるように」と呼びかけました。

実際にほかの州に先駆けてピークを迎えるニューヨーク州では、死者数の増加が止まらず、4月8日の時点で799人という過去最多の数を更新しています。ただし、ワシントン大学の調査では、死者数のピークは4月9日が最多となり、これから減少していくという予想がされています。

いずれにせよ、アメリカにとっては辛く重苦しい週の幕開けとなりました。

マスクの使用について大きな変化も

先週のコラムでもお伝えしましたが、マスクの使用について大きく舵きりがあったのもここ1週間の間です。今までCDCやWHOの見解では、「マスクの使用は感染をしている人の使用のみ効果がある」とのことでしたが、4月2日の時点でホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースのメンバーであるデボラ・バークス博士が、「感染していない人でもマスクを着用するように」とはじめて違った見解を示しました。

同じ日にトランプ大統領も、「外出の際に顔を布で覆うように」とのアドバイスを出し、次の日(4月3日)にはCDCも同様の意見に切り替わりました。4月3日は、マスクの着用について意見が大きく切り替わった日となりました。

これに伴い、ニューヨークやサンディエゴ・マイアミなど、地方の自治体レベルでマスクの着用が推奨されはじめました。4月8日には、ロスアンゼルス市が、4月10日から外出の際には必ず布で顔を覆う法令を出しています。今後、ピークを迎えて感染が下火になっていく数ヵ月の間、このような法令が増えていくと予想されています。

現在のサンフランシスコの様子

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サンフランシスコの町の様子は、先週と変わらず町を歩く人の数も減少し殺風景です。唯一人通りがあるのが、朝、病院に通勤する医療関係者の姿のみ。人通りも車の行き交いも閑散としている状況が続いています。

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サンフランシスコ市長は、3月29日にホームレス同士の感染拡大を防ぐために、市の中心地にある大型コンベンションセンター「モスコーン・センター」をホームレス用の臨時シェルターに充てる、と発表しました。先週末となる4月5日の時点で、大量のベッドが配置されているのを確認できました。

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今週月曜日(4月6日)から、サンフランシスコの大切な公共交通機関であるMUNIの規制がはじまりました。現在では、路面電車と地下鉄の運行が中止され、代わりにバスが走っている状態です。

従業員を感染から守る処置ですが、これによって皮肉にも通勤する人によるバス内の混雑が発生しています。

加えて以前3月13日の記事で紹介した、グランド・プリンセスクルーズ船が、従業員の自主隔離を完了し、4月8日にオークランドの港を出航しました。3月9日に港に乗り入れてから実に1ヵ月。乗客を降ろしたあとは従業員のみが船に残る形となっていました。

現在646名のクルーメンバーを乗せたクルーズ船ですが、行き先はまだ正式には決まっていないということ。

最後に

このコラムを書いている4月9日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は724名、死者10名。先週の数字である感染者数450名・死者7名から、爆発的な増加は見られず、市内でのクラスター感染なども発生していません。

ワシントン大学のリサーチによると、カリフォルニア州のピークは、4日後の4月13日。来週1週間も引き続き、ピークを迎える重要な期間となります。失業者の数と失業保険を申請する数も増加を辿り、サンフランシスコを含め、全米で苦しい状況が続いている状態です。来週も引き続き、現地の様子をお知らせします。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

Katie M

18歳での留学をきっかけに渡米。現地で役立つライフスタイルやトレンドなどを紹介します。

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