もうひとつのシリコンバレー(バイオ企業クラスター)

公開日 : 2021年12月13日
最終更新 :
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サンフランシスコ湾岸地域(「ベイエリア」と呼ばれています)は、IT関連の企業が集積し、「シリコンバレー」と呼ばれていることは皆さんご存じだと思いますが、実はベイエリアはアメリカで一番のバイオ企業クラスター(集積地域)なのです。生命科学(バイオロジー)とシリコンバレーの得意分野・情報科学(インフォメーション・テクノロジー)を組み合わせ、バイオインフォマティックという新しい分野を作り出して一大産業に育て上げています。その中心は1976年創業のバイオ企業Genentech本社のあるサウスサンフランシスコ市です。

今回はサンフランシスコベイエリアの隠れた名所、バイオ産業を紹介します。

経済産業省の2020年のレポート「バイオコミュニティの形成」によると、全世界のバイオ産業集積地のベスト4は米国にあり、次の順位となっています。

サンフランシスコベイエリア UCSF、Genentech他

ボストン ハーバード大学、MITなど

サンディエゴ ソーク研究所、UCSDなど

ワシントンDC NIHなど国立の研究所

ベイエリアには、ノーベル賞を受賞された山中教授が今も共同研究をなさっているカリフォルニア大学サンフランシスコ校や、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校といった有名大学があり、数多くのベンチャーキャピタルが事業を支えています。

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△Genentechの本社地区

ベイエリアのバイオ産業の中心は、なんといっても1976年創業のジェネンテック社(Genentech)です。サンフランシスコの南のサウスサンフランシスコ市に本社を構え、当初は創薬の研究開発のみを行いその成果を製薬会社に販売するというビジネスモデルでしたが、1990年代から製薬最王手のロッシュの傘下に入り、2009年に完全子会社化されました。これを契機に多くのスピンアウトがおこり、多くのベンチャー企業が誕生し、さらのこの地域がバイオ産業の一大集積地域(Cluster)として発展しています。今も新しいビルが次々に建設されています。

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△新しいオフィスの建設が進むGateway大通り

サウスサンフランシスコ市がまとめた2017年のバイオ企業一覧には180社が載っており、さらに増加しているようです。こちらがサウスサンフランシスコのバイオ企業地図です。

おもな企業を紹介します。

23andMe, Inc. 個人のゲノム解析サービス

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AMGEN 世界最大のバイオ企業、本社LA近郊 

AastraZeneca コロナワクチンで有名

GBT

MEREC 1891年創業の老舗

Pfizer コロナワクチン

Roche スイスの製薬大手

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△Point San Bruno

■バイオ企業集積地区(サウスサンフランシスコ)の歩き方

こちらへは、サンフランシスコから公共交通機関で訪問が可能です。

サンフランシスコのKings StationからCalTrainに乗って、South San Franciscoで下車すれば、徒歩で訪問可能です。CalTrainは、Kings駅から20分ほどで到着しますが、列車によっては停車しない場合があるので時刻表で確認しましょう。Kings Stationまでは、Munniの路面電車で行くことができます。歩いて回ると半日は必要です。

Lyft/Uberをご利用の場合は、サンフランシスコのダウンタウンから20分、$30ぐらいです。

ご依頼をいただければ、お泊りのホテルから半日でご案内可能です。お気軽にご連絡ください。

海辺にはベイトレールと言う散策路が整備されていますので、散策、ジョギングを楽しむこともできます。

バイオ産業に興味のある方は、ぜひご訪問ください。

筆者

特派員

テッド@サンフランシスコ

2000年よりサンフランシスコ近郊で生活。定年後はサンフランシスコを起点に日本からの訪問者のご案内をしています。

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