クラフトビール発祥の地・アンカースティーム3年ぶりブルワリーツアー再開

公開日 : 2022年06月01日
最終更新 :
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メモリアルウィークエンドが過ぎ、アメリカは夏休みシーズン突入です。週末にフィッシャーマンズワーフに行ってみたら、観光客でまっすぐ歩けないほど人がいっぱいいました。アメリカ屈指の観光地がこんなに賑わいをみせている。去年一昨年からは、想像できないほどでした。もう嬉しくて嬉しくて!

さて、今回は、3年ぶりにブルワリーツアー再開したサンフランシスコの『アンカーブリューイング(Anchor Brewing)』に行ってきた時の様子です。ベイエリア在住者にとってはとても馴染みのある地元ビール。しかしここは、アメリカのクラフトビールを界を一変させ、"クラフトビール生誕地(Birthplace)"と言われている場所です。

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スタッフも嬉し楽し、充実の1時間半

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ポトレロヒルの一角、1937年にできたアール・デコ建築の建物がアンカーブルーイングです。大きな看板があるわけではないので見逃してしまう人が多いです。小さい入り口には参加者20人が順番を待ってました。

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上の階にあるタップルーム。黒光したマホガニーのバーカウンターに古い冷蔵庫に磨き込まれたディペンサーには以下、

◆スティームビール→ウエルカムドリンクとして最初の一杯

◆リバティーエール

◆カリフォルニアラガー

◆クリスプピルスナー

◆ウエストコーストIPA

◆イージーウィークエンド(Hazy peach IPA)

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グラスからプレスティックのカップに代わり(つまり全員2杯目)これ持っていざブルーハウスへ!ビール飲みながらツアーなんて最高だぁ〜。またラベルにも使われている銅製ケトルは、重厚で美しく。熱が柔らかに伝わルことで、まろやかな味わいになっていくんだと容易想像できます。そして何と言ってもゴミ一つ落ちていない清潔感が溢れていました。

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発酵は化学反応の繰り返し、実験室みたいな部屋には何やらメモたくさんありました。

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アンカースティームの歴史は、1849年カリフォルニアゴールドラッシュまで遡ります。その時にドイツ人醸造家のコットリーブ・ブルークさんが家族と共にサンフランシスコにやってきます。1871年にロシアンヒルにサロン(ビリヤード場)を購入し醸造所として作り替えて、できたビールはアンカーと命名されます。しかし、1906年4月18日地震で発生した火災で焼失してしまいました。が、翌年、現在のソーマ地区に新しく醸造所を開くことができました。そして、今度は1902年〜1933年の禁酒法施行お酒作りにとっては暗黒の時代。1933年解除と同時に醸造再開です。

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今度は1955年代、いわゆる"アメリカンビール"と言っているライトビールの流行となります(ちょうどこの頃アメリカンコーヒーなんてのも流行ってましたね)ドリンカブルでコスパもいいライトビールによって、スティームビールなくなるかも、アンカー社閉鎖になりそうな時代。そんな頃、地元ビール会社の存亡の危機を知った、洗濯機で有名なメイタグ社の息子フィリッツ(Fredrick.L.Maytag)さん。彼はビール醸造には全くの素人でしたが、経営に乗り出す事を決めたんです。

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1965年、メイタグ氏の元のアンカー社は、再起をかけます。ブルワリー内の衛生管理を徹底し、品質向上に努め決して安売りせず、ハイクオリティなビールを作り続けました。今や押しも押されぬ世界で唯一のスチームビール®️のブルワリーとなり、クオリティの高さは業界でも常に評価されています。この1965年はアメリカのクラフトビール業界では本格的にクラフトビール醸造が始まった年として、またアンカー社はその発祥地として語り継がれています。「味香りがよく、クリエイティブで、伝統があって、夢を感じるビール」メイタグ氏がどこかに残した言葉です。

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使われているホップを見せてもらったり、ボトリングの場所も見て、ブルーハウスの一角にあるホールにはパネルやラベルのタペストリー、写真など歴史的資料も満載で、まるでミュージアムにいるようでした。

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ブルーハウス見学後、再びタップルームに戻った参加者一同。好きなビールを好きなだけテイスティング開始。先ほどのビール以外にも裏メニューもあってもうサプライズ!ほろ酔いですっかり打ち解けあった参加者同士でおすすめを言い合い、土曜の午後のブルーパブって感じでした。基本だけどとても大事なポイント、"鮮度が違う"と感じました。メイタグ氏の言葉が思い出されました。

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2:30頃、ツアーガイドのサンディさんのラストコールがかかりました。

最後の一杯を頼んで、5〜10ドルのティップをジャーに入れ(私5ドル入れました)そして、飲み干した人からゾロゾロと併設されてるギフトショップに移動。ツアー最初は個別の行動だったのがもはや20人みんな一つのグループ。

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隣ブロックには、アウトドアでも楽しめるタップルームがあります。サンディさんは、もし、もっと飲みたかったら隣でどーぞって言ってました(笑)ブルワリーツアーは、作業が行われない週末に催行しています。ケトルが稼働している時は麦芽を煮ている匂いが遠くからでもします。

待ちに待った、アンカー社のブルワリーツアーは、アメリカのクラフトビールを語る時には外せない場所です。あのアンティークな銅製ケトルを眺めに、サンフランシスコにいらっしゃる機会があれば是非本物を見て、そして歴史的一杯(いっぱい)飲んでみてくださいね。

【Anchor Brewing Company】

住所:1705 Mariposa St San Francisco, CA 94107

ツアースケジュール:金曜日15:00

          土曜日・日曜日 11:00,13:00,15:00

料金:一人20ドル(法的に飲酒可能な年齢の21歳以上)

諸注意:つま先の隠れる靴、マスク推奨、ID持参、

*日本と飲酒可能な年齢が違うのでご注意ください*

予約サイト:https://www.anchorbrewing.com/brewery/tours

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堀江さんイマどこ?

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筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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