【クリークファイア】2020年発生した大規模森林火災の一年後の様子
▲湖畔で遊ぶ人たち
先日ディキシーファイアの煙が、サンフランシスコに到達した日のこと(記事こちら)を紹介した際に、カリフォルニア州の森林火災の規模の大きさの上位5ヵ所もお伝えしました。
下記がそのときの一覧です
〈Largest wild Fire in CA〉
1. August Complex 2020年8月
2. 現在のDixie Fire 2021年7月
3. Mendocino Complex 2018年7月
4. SCU Lighting Complex 2020年8月
5. Creek Fire 2020年9月
この記事のあと、5番目の"クリークファイア(Creek Fire)"の火災現場跡地に行くことになりました。目的地までは車で6時間ほどです。
大火事から一年後の様子
▲感謝の横断幕
給油のため、シェーバーレイク(Shaver Lake)という町に立ち寄ったとき、「THANK YOU CREEK FIRE HEROES」と消防士さんたちの大きな写真が掲げられていました。
クリークファイアとは、昨年、2020年9月4日午後6時40分頃、フレズノカウンティーにあるシェーバー湖(Shaver Lake)とハンティントン湖(Huntington Lake)の間の、ビッグクリーク(Big Creek)周辺で発生した森林火災です。9月4日の昼間気温が高く風も乾いていました。実は、私たちは偶然当日の午後、暑さをしのぐため、シェーバー湖畔にいたのです。サンフランシスコに着く前に、どうも火災が発生したらしいというニュースで驚き、後に「火災の特徴は火の周りが極めて早かった」と聞いたときは、ゾーッとしました。スケジュールがずれていたら、間違いなく巻き込まれていました。
▲昨年2020年9月4日午前10時頃の風景
▲今年2021年8月シェーバー湖近く
同年12月24日(クリスマスイブ)に鎮火が確認され、今年7月16日森林局から、火災原因は落雷の可能性は拭いきれないが"不確定(Undetermined)"と発表されました。
昨年は緑が豊かでしたが、目の前の生々しい光景に言葉が出ませんでした。
▲木材運搬車両
クリークファイアの焼失面積は、約38万エーカー(1エーカー≒1200坪)におよび、カリフォルニア州森林火災史上5番目の大惨事になってしまいました。現在は、斜面の焼けた木々の伐採作業が始まっています。専用トラックでどこかに運ばれていて、一般車両より作業用、運搬車両の方が多いかもしれませんでした。
▲昨年2020年9月の風景
昨年途中まで、ハイキングしたトレイル。メドーを越えると、ドリスレイク(Doris Lake)があります。そのときは誰にも会うことなく、鳥の声すら聞こえず静かすぎて、熊が出没する貼り紙もあったし、道に迷ったらと思い引き返しました。
▲今年2021年8月
音もなく人けのない焼跡を進むには、かなり勇気がいりますね、やっぱり怖くてまた引き返しました。
残っていた一本松
▲2020年9月一本の松の木
昨年のハイキング中に、道の脇に背の高いポツンとした松の木があって、目立っていたので迷ったときの目印として写真を撮っていました。それを思い出して、トレイルに行ってみました。変にドキドキしながら歩いてみました。
▲果たして
なんと! 真っ黒焦げになりながらも、ポツンと立っていました。
枝についてる松葉は、焼け焦げ落ち葉色、幹に触るとポロポロと表皮が落ちてしまいますが、周囲の木が焼けて倒れているなかで、ボロボロになりながらもしっかり立っていました。背景のメドーの緑色の植物とはあまりにも対照的です。しかも枝の裂け目から樹液が光っていました。まだ生きてる!!
ここは携帯電話はもちろん無理。あまりに辺鄙(へんぴ)な場所で、もう来ることはないだろうと思っていましたが、先日急に訪れることになり、そして松の木を思い出しました。
将来的には、この真っ黒焦げ松の木も切り倒されてどこかに運ばれていくのだろうから、本当にもう2度と会うこともない真っ黒焦げの松の木。熱かっただろうな、それでもしっかり生きて樹液出してる健気さに涙......
煤だらけの岩肌に草が生え、かわいい花が咲き、トンボが飛び交い、地面の穴っぽこから山ネズミが顔を出す自然。時間はかかるけど自然は、必ず"再生できるエネルギー"があると感じました。
火災現場跡地を歩いていて、ふと現実にかえります。現在猛威をふるっているディキシーファイア(Dixie Fire)、焼失面積がカリフォルニア森林火災史上2番目。気候変動などで近年火災の規模がどんどん大きくなっていますが、とにかく早く鎮火してほしいと心から願うばかりです。
Cal Fire ディキシーファイアの現在の状況(こちら)
Top 20 Largest CA Wildfires(こちら)
筆者
アメリカ・カリフォルニア州特派員
美丸(Mimaru)
サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。
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