【ソノマコースト州立公園】東北の震災から10年、原発跡地のあの池に行ってきました

公開日 : 2021年03月12日
最終更新 :
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▲看板

2021年3月11日、家からゴールデンゲートブリッジを渡り北に2時間弱太平洋の大海原を望む「ソノマコースト州立公園(Sonomo Coast State park)」に行ってきました。

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▲絶壁からの波

足がすくんでしまいそうなすごい波が打ちつけてますが、風もなく穏やかな午前中の様子です。平日だったのですが、その割には訪れる人が多かったですよ。

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▲ホエールウオッチング

その理由は今日は"ホエールウオッチング"日和のようです。今シーズンも鯨の群れがたくさん来ていて、蟹の解禁が遅れてしまいましたが、鯨見物にはうれしい限りです。見えるかなぁ~と一日中座って眺めるのもいいかもしれませんね。トイレもありますので安心*双眼鏡は用意してくださいね*

【Sonoma Coast State Park】

・住所: 3095 CA-1, Bodega Bay, CA 94923

・電話番号: 707-875-3483

住んでる人達の英断の池"反原発の聖地"

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▲池と駐車場と海

ホエールウオッチングも楽しそうでしたが、見たかったのは、この"池"なんです。

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▲池

この池は、旅イサラでの拙記事"ボデガベイのその池は住民の勇気と決断によってできました(こちら)" で紹介した場所です。

2011年3月11日(日本時間)東北地方を中心にマグニチュード9の大地震が発生し、福島県の原子力発電所から放射能が漏れだした最悪の事態発生......

10年が経った昨日、ボデガベイにある"原子炉の穴の跡地"に行ってきました。

この池のできた経緯、もう一度振り返りますと、ワインの産地でとても有名で、酪農もたいへん盛ん、教育機関もすばらしいソノマカウンティー(Sonoma County)。海に面した人口350人ほどの漁師町ボデガベイに降って湧いたのが、1958年5月23日電力会社PG&Eから打ち出された"原子力発電所建設計画"。サンアンドレアス断層(San Andreas Fault)の西約3.2kmに基礎が作られるというとんでもない話。当然、住民の反対運動が起こりました。北カリフォルニア・ボデガヘッド保護協会(The North California Association to Preserve Bodega Head/NCAPBH)が結成され、シエラクラブも協力を申し出ます。1962年から本格的な反対運動が始まります。

サンアンドレアス断層とは、太平洋プレートと北米プレートの境目の断層で、1895年にその存在は知られていて、よく動く断層です。北側のセグメントは、サンフランシスコ半島からメンドシーノ(Mendocino)まで続いています。ボデガベイ辺りは、もうひとつのプレートがあって、3つのプレートが関係しています。聞いただけでゾッとするような位置に原発を作ろうとしていた訳です。反対運動の高まりの意に反して、原子炉基礎工事、穴を掘る作業は行われていました。

1964年3月28日、アラスカでマグニチュード9.5アメリカ史上最大の地震が発生します(アラスカ地震)

(アメリカ地質調査研究所による大地震リストは、こちら

この大地震が決定的となり、1964年10月30日に原発工事は中止となりました。

このボデガベイの原発反対運動は、住民達が自分たちを守るために、力を合わせ中止にこぎつけたことで"The birth of the anti-nuclear movement"「反核運動の誕生」とも言われています。まさに反原発運動の聖地のような存在です。

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▲池の辺り

中止となってほったらかしの状態の穴に水が溜まり、池になり、いまや鳥の楽園。原子炉跡地のこの池は、"The Hole in the Head(頭の穴)"と呼んでいますが、「キャンベルコーブ(Campbell Cove)」と表示されています。

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▲入港する船

そして、目の前の港に小さい漁船が港に帰ってきましたよ。海沿いの道には釣りを楽しむ人も多く、近くには水揚げされたばかりのダンジネスクラブを売ってるお店や、食べさせてくれるレストランもあります。キャンプ場もあり、昨シーズンはコロナでアウトドアを楽しめなかった人も多かったと思いますが、ワクチン接種が広がり今年はなんとか楽しめるかもしれません。

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▲小さい砂浜

被災された方はいまだ家に帰れないで時を過ごしてるのは心が痛みます。遠く離れていますが、サンフランシスコはちょうど仙台くらいの緯度なので、位置関係の説明に必ず地震の話は添えています。2020年は、コロナで気持ちに余裕がなかったのですが、私自身も風化しないように新しい写真も添えてお伝えしました。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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