【ツインピークス 】景勝地は在来植物保護区と絶滅危惧種の生息地

公開日 : 2021年03月02日
最終更新 :
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▲州花カリフォルニアポピー

日一日と春めき、ベイエリアも徐々にインドアダイニング解禁などのうれしいニュースを聞くようになりました。ジョンソン&ジョンソンのワクチンも承認され、ワクチンを待っている人たちにも希望が膨らむ。そんな2021年3月のスタートです。

貸切ミュニバス?でクリスマスツリーポイント

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▲ミュニバス#37

ツインピークスは、コロナになってから何度か様子を見に行きました。今回は公共交通で行ってきました。

出発は、ユニオンスクエア・マーケット通り+5番通り(Market ST+5TH ST)からミュニメトロK/L(バスの代替え輸送)に乗り、カストロの交差点(Castro ST+Market ST)で降ります。シェブロンのガソリンスタンドとジャンボフラッグ(虹の旗)が目標です。

そして、12~15分間隔で運行されているミュニバス#37に乗り換えます。その際「ツインピークスに行きたい」と言えばドライバーさんは教えてくれます。この日は天気がよくハイキングシューズも履いていたこともあり、ウオーキングですか?と聞かれました。

大した距離ではありませんが、水は持っていってくださいね。

この#37バス、カストロの交差点から17THの坂道を一気に登り(Corona Heights)、ツインピークスの住宅地を通ります。自家用車所有率も高く、必要不可欠なルート(Essential Route)ではなかったので、つい最近まで運休中だった路線。コロナに関するさまざまなデータを基にして再開、春の花咲く頃のうれしいタイミングにでした。そんなこともあり、乗ってから降りるまで私ひとり。

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▲降車地

バスを降りるところは"Twin Peaks"。もう目の前にミニミニトレイル(徒歩10分足らず)があります。ドライバーさんも「細い道を登って行けば頂上だよ」と教えてくれました。

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▲きつい階段

細く一本の道。迷いようがないのですが、傾斜がきついため、階段の一段が膝下くらいの段差があります。ドッコイショって感じで運動不足には堪えます。

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▲キャンドルスティック方向

傾斜はけっこうきついです。気温12度くらいでも、うっすら汗をかきますよ。

景勝地は保護区と幻の蝶々の生息地

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▲在来植物保護プロジェクト、ミッション・ブルー・バタフライの生息地

都心から近いので見逃されがちですが、ツインピークスは、「ミッション・ブルー・バタフライ(Mission Blue Butterfly)」の保護区になっています。通称ミッション・ブルーと言われていますが、サンフランシスコのベイエリアに自生する羽幅が2~3cmほどの小さいな蝶々。モチーフとなってるアクセサリーは、ギフトショップなどで目にします。雄の羽の色は、アイスブルーからディープブルーの柔らかなグラデーション、太陽の光が当たると虹色に光るそうです。*写真だとカメラの関係で、ターコイズブルーのグラデーションに見えるそうです。1976年にアメリカの絶滅危惧種に指定されています。生息地は、たいへん狭くてツインピークスとゴールデンゲートブリッジの北側フォート・ベーカー(Fort Baker)くらい。

また、ミッション・ブルーの幼虫は、非常に偏食(?)で、ルピナスの葉っぱしか食べません。どのルピナスでもいいわけでもなく、たった3種類。そのうちの1種類は、カリフォルニア州固有の「多色ルピナス(Lupinus Variicolor)」で、標高500mくらいまでの地域に繁殖し、サクラメントの奥の方では比較的あるそうでがミッション・ブルーと同じく絶滅危惧種。ルピナスは、苦い味がするそうで、牧場(牧草地)では嫌われもの。また再開発によってその生息地自体もどんどんなくなっていて、宿主のなくなったミッション・ブルーは当然、激減の道をたどる......

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▲クリスマスツリーポイント

みんなが、ツインピークス っていうところ。実は、クリスマスツリー・ポイント(Christmas Tree Pont)という場所です。サンフランシスコ屈指の景勝地で市内観光では必ず訪れる場所で、懐かしく思う方もいらっしゃるかもしれません。そしてこれから斜面いっぱいに黄色い花が咲き始めます。春休みの頃がちょうど見頃ですね。

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▲イメージ画像

写真は、フォートポイントで撮影したものです。

「サワーグラス(Sour Grass)」「オクサリス・ピーカペラ(Oxalis Pea-Capras)」「バミューダ・バターカップ(Bermuda Butter-cup)」といろんな名前がついてます。カタバミ科の花で、"すいば"と呼んでるみたいですね。花びらが5枚、葉っぱはクローバーみたいな形です。風に揺れたときは、黄色い波のように見えて思わず飛び込みたくなるくらい。

カリフォルニアポピー(California Poppy/花菱草)とともに、春の訪れを告げる花です。

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▲カラス

駐車場は、人よりカラスが多く、歩いて近づいて来たりします。カラスって近くで見ると大きいんですね。風も強くてそう長くはいられませんが、サンフランシスコが一望できるので、登る甲斐があり、トイレも有ります。出発から約40分くらいです。

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▲崖から石ころ

帰り道は、歩きやすい車道の真ん中を歩きました。車も通らない、ほかに誰もいない道路を独り占めでした。時折、斜面から小さい石ころ、ゲンコツくらいの石ころがゴロゴロと落ちてくるんです。地震の前兆で斜面の石が落ちてくると聞いたことがあり、サンフランシスコも地震の断層の脇にあるので殺気を感じました。

何と! カラスが崖からクチバシで石ころをこっちに向かって転がしている!!

クチバシで(ゴルフの)打ちっぱなし><みたいなことしてる。

しかも、2羽、3羽と舞い降りてくるぅ......カラスに狙われてる殺気。

カラスは賢い鳥ですが、人間は保護区に踏み入るなと態度で示してるようでした。

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▲名もなき植物(Unknown plant)

地面にへばりつくように咲いてる花を発見!

なんだろこのお花、かわいい。これも在来種か?

見たこともない植物見つけると、全部在来植物に見えてきた^ ^;

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▲名もなき植物(Unknown plant)拡大

小さい蕗の薹みたい。

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▲いまだに道路封鎖

いまだ、自動車は入れません。

久しぶりに登ったツインピークス・クリスマスツリー・ポイントでしたが、いつもの場所に花が咲き、木の枝も生き生きを春を表しているようでした、自然はちゃんと巡ってきていました。また、蝶々やルピナスのいい影響になっているのかと思いました。野生動植物の保護の大切さと都会に住む人たちとの共存もあわせて考えられたウオーキングでした。

でも、正直ツインピークスが観光客でにぎわう日が、来て欲しいとも思うんですよ。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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