ゴールデンゲートブリッジの噂 検証に行ったら......別の噂に遭遇、ドキッ!

公開日 : 2020年07月12日
最終更新 :
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歴史的建造物ゴールデンゲートブリッジ

アメリカを代表し、20世紀の最高傑作の橋と言われている「ゴールデンゲートブリッジ」。橋のデザインはアール・デコ。その作品としては世界一の大きさを誇り、一度は訪れてみたい世界のアイコンです。

その世界一の橋に先月から、不思議な出来事が起こっています。風が強い日になるとゴールデンゲートブリッジが歌い出すというのです。「ミステリアスなハミング(GGB is Mysteriously Humming)」とか「強風のなか歌うゴールデンゲートブリッジ(GGB 'sings' during high winds)」のタイトルで全米のネットワークニュースやYouTubeなどでその音を聴くことができます。Twitterでは「大きな管楽器(Largest Wind Instrument)」と言ってる人もいて、世界一大きな芸術作品と新たに世界一大きな楽器にもなってしまったようです。

秘密は5年ほどかけて自転車用の歩道の手すりを新しくしたことにあります。風の抵抗を抑えるためのデザインなんですが、強い風がその手すりの隙間を通るとき、何とも不思議なブォ〜ンブォ〜ンと音が発生するようになってしまったのです。橋の下にいてもプレシディオからも聞こえるし、ランズエンド地区にも聴こえます。半径5kmほどの範囲で聴こえるそうです。設計担当者によれば精巧なモデルも作って実験済みなので、今回のハプニングはまったくの想定外だそうですが、ほかの担当者のコメントでは、そのモデルはたいへん精巧だったが材質がアルミニューム製で本来の材質ではなかったと言います。今の段階でデザインを変更する予定はないそうなので、"歌う橋ゴールデンゲートブリッジ"となったわけです。

拝聴しようとゴールデンゲートトランジット(Golden Gate transit Bus)に乗って行ってきました。

ゴールデンゲートトランジットの乗り方

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乗り場"Mission&Fremont"セールスフォースタワー前

ゴールデンゲートトランジットは、サンフランシスコとマリンカウンティーを行き来する路線バスで、市内中心部から公共交通機関でゴールデンゲートブリッジに行くには一本で行けるのでとても便利です。#30・70・101は本数が多いので覚えておくといいですよ。料金はゾーン制でひとり$4.25です。ミュ二($3.00)に比べると少し高いですが、止まる箇所が少ないので早く到着します。

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シートはゴールデンゲートブリッジのデザイン

運転席からのみ乗降になるので、ドライバーさんとの間はビニールのカーテンで仕切られています。クリッパーカードの利用できます。座席はひと席空けて座ります。目的地は「ゴールデンゲート料金所(Golden Gate Bridge Toll Plaza)」

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バスの車窓から

ミッション通りから7Th/Market→シビックセンター→バンネスAve→ロンバートSt→101号線......という順路で、天気がいいと大きく橋も見え、気持ちいいです。あっ!トンネル過ぎたらすぐ、シャッターチャンスですよ。

2時間のトランスファーチケットも発行してもらえるのでサウサリートなどマリンカウンティーに行く場合はチェックしてみてくださいね。

【Golden Gate Transit】
・URL: https://www.goldengate.org
・バス: https://www.goldengate.org/bus/schedules-maps/

ゴールデンゲートブリッジでのできごと

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渋滞

夏休みで天気もいいです。週末は郊外に出かける人が多いのでしょうか?橋の手前で渋滞発生していました。スマホのマップでチェックしてみたら橋の真ん中くらいから渋滞の赤い線、ドライバーさんは無線でやり取りし始めています。

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ウエルカムプラザ前

渋滞に巻き込まれたものの、20分くらいで到着しました。
広場には少し観光客の姿がありましたが、ウエルカムセンター・ギフトショップは閉鎖。トイレは開いていました。

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パトカー2台

観光客はいなかったのですが、パトカーが2台停まっていました。何かがあったのかと思いましたが、音を聴くために橋の歩道に向かいました。

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降車したバス停がここでした

ゴールデンゲートブリッジ料金所のバス停には、バスが待機していました。マリンカウンティーからのインバウンド車線はまったく渋滞なし。天気予報でも週末は暑くなるからと言っていたし、郊外に向かうアウトバンドの渋滞は仕方ないかと思いながら、音を聴くために歩道を歩いて、橋の中心に行くことにしました。肝心の自転車道側の手すりは、自転車の人しか通れないし反対側からも聴こえるわけだし、この日の風は穏やかでしたが、ゴールデンゲートブリッジは風が強い場所なのでとにかく歩いてみました。

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凄まじい数の警察車両が待機

バスを降りてからずーっと、いつもと雰囲気が違う感じはあったのですが、音を聴きく目的があるので、いつもと違う空気はスルー、お巡りさんとも普通にすれ違い、パトカーの赤青ライトの点滅もスルー。しかし、尋常ではない数のパトカーに海上にはコーストガードが待機しているのが見えました。橋を歩いてる人は皆折り返してくるし、さすがにこの状況はスルーできないので、戻ってきた人に何があったのか聞いてみました。「多分ホームレスだと思うだけど、欄干を越えてパティオ(?)に人がいるんだって、歩道は封鎖で先には行けないのよ」

*最初の写真、橋の支柱(南側タワー)の手前にゴンドラのような場所*

橋の補修作業用の左右に動くゴンドラなのですが、そこに人がいるんだそうです。実は、負の噂として飛び降りる人があとを立たないのがこの橋です。資料によれば橋ができてから1700人が飛び降りて亡くなり、300人はいまだ行方不明とのこと。また2011年から5年間の調査で飛び降りた人は184人(37人/年)、10日にひとりの割合です。しかし、ブリッジパトロールや州警察の説得に応じて、617人(123人/年)は思いとどまっています。実際飛び降りる人より思いとどまる人が圧倒的に多いのです。

音を聴くどころではなくなってしまいました。

作業用のゴンドラにいる人が無事に歩道に戻ってきてほしいと願いながら日を改めることにしました。

帰路

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車線を変える作業車”ジッパートラック”出動

帰りのバス待ちでゴールデンゲートブリッジの名物車両"ジッパートラック(Zipper Truck)"を見ました。ゴールデンゲートブリッジは3車線×2の6車線で、朝夕の渋滞解消に朝はインバウンドを4車線、夕方はアウトバウンド4車線に中央分離帯のブロックを移動させます。このとき警察車両で1車線使っていて渋滞になっているので車線変更の緊急出動です。

*機会があればこの作業の様子見てみてください。コンクリート製の重いブロックをスルスルとずらしていく様子は目が釘付けになっちゃいます*

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ゴールデンゲートブリッジに向かう19Thアベニューまで渋滞

帰りのバスは渋滞とは関係なく順調に走ってますが、ゴールデンゲートブリッジに向かう車線はいまだ渋滞が続いてました。スマホの交通情報では、事故や工事の情報は表示されますが、この場合の表示は特にないのですね。何故なのか気がつないドライバーさんたちは、すごくイライラするだろうなやっぱり迷惑なことです。

風が穏やかだったことやそれどころではなく、結局音楽は聴けずじまいですが、風の強い日をチェックして聴きに行こうと思います。橋の音で飛び降り志願者の気持ちが落ち着き、思いとどまらせるような作用があるといいのですがね。

コロナの状況はいまだ先行き不透明ですが、皆さんが安心してゴールデンゲートブリッジを眺めにいらしていただける日が1日も早く来ますように......(祈)

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

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