マスクすり抜け感染!伊止まらぬオミクロン株感染拡大

公開日 : 2022年07月22日
最終更新 :

皆さん、こんにちは!

今回のブログは、筆者の身体を張った現地レポートとなります。(無事です)

イタリアは、2022年5月より屋内でもマスクの着用義務などが解除され、段階的に新型コロナウイルス感染症への規制が緩和して行っています。ローマは、6月に入ると、まるでもう「コロナ」など存在していなかったかのように、スーパーや商業施設、レストランなど、屋内でも多くの人がマスクを着用しないのを普通に目にするようになりました。この頃でも、特別用心深く、まだ一度もコロナウイルスに感染した経験のない筆者の友人達は、いつも以上に慎重に行動をしていました。

ところが、6月中旬になると、次々に彼らも感染をして行ったのです。特に、「まさかあの人がかかるとは思わなかった!」と思うような、非常に用心深く几帳面なタイプのイタリア人の友人も感染をしてしまいました。 ちょうどこの頃から、イタリアの新規感染者数が増加の一途を辿り始め、現在の感染爆発に至っています。最新のデータで、2022年7月19日のイタリアの新規感染者数は、12万1103人です。1か月前の6月20日の新規感染者数は1万6905人でしたので、1ヶ月で10倍以上に増えています。

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↑ 猛暑が続くイタリア。イタリアでは、薬屋さんはファルマチーア(Farmacia)といい、緑色や赤色の十字の看板が出ています。今日のローマの日中の最高気温は40度ありました。

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↑ ローマ市内の薬局の前には、毎日PCR検査をするための長蛇の列ができています。この日も、一日中常に30人くらいの人が並んでいました。写真奥に見える白いテントの中で検査が行われます。料金は、1回15ユーロです。

イタリアではじめて濃厚接触者になる!

友人達が次々と感染をしてしまった6月下旬のある日、ついに筆者も濃厚接触者になってしまいました。

ある朝、友人から電話があり、喉の痛みがありPCR検査をしたところ、コロナの陽性になってしまったとのことでした。前日の筆者の行動を思い起こしてみると、この陽性になってしまった友人と、仕事で2時間くらい室内でマスク着用で会話をして過ごしていました。座っていた椅子と椅子の距離は1メートルくらいでしょうか。そのうち、30分くらいは、コーヒー休憩でカプチーノとジェラートを食べたため、お互いにマスクの着用はありません。食べながらも会話は多少続けています。(「ジェラートおいしいね!」などの会話)

電話があった時点で、もう自分も確実に陽性になったと思いましたので、すぐに自己隔離を行いましたが、結果的には感染はしていませんでした。しかし、あらためて自身の行動に対し、強く気を引き締める機会になりました。

コロナを見くびるべからず!人それぞれに違う症状

この6月に感染をしてしまった筆者の友人、知り合いに出たコロナの症状は、とてもつらいものでした。話を聞いていて、どのケースも、インフルエンザに似たようなものに感じられました。

一人のイタリア人の友人は、初日から39度以上の熱とともに全身の関節を叩き潰されるような痛みが5日間続き、関節の痛みでベッドに横になれないことから5日間一睡もできず、5日目には「楽になりたいから殺してくれ!」と思ったというほどでした。

もう一人の友人は、高熱と頭痛、関節の痛み、咳がありましたが、特に酷かったのは喉の痛みで、喉が痛くて何も飲み込めなかったため、何日もゼリーとプリンでひたすら栄養を摂っていたとのことでした。数日遅れで彼女の旦那さんも感染をしましたが、旦那さんの方が症状がずっと重く、高熱でのたうち回り、夜中に苦しくて寝言で大声で奇声を上げているとのことで、とても心配をしていました。

もう一人の筆者の日本人の友人は、全身の関節の痛み、38度の熱、鼻水、咳、頭痛がありました。3日目からはこれらの症状は和らいできたのですが、今度は一言も声が出なくなってしまいました。そして、頭部の毛が抜ける脱毛が始まりました。脱毛は、コロナが治った今も続いています。若い毛を中心に抜けるとのことです。

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↑ 自宅でできるコロナウイルスの抗原検査キット。抗原検査の結果で、線が2本出ると陽性です。(写真中央)ついに筆者もコロナウイルスに感染する日が来てしまいました。

ついにコロナに感染!感染ルートは不明

しばらく経った7月のある日、朝ベッドの中で目が覚めると、体がとても熱く感じられました。夏だから暑いのかな?とも思いましたが、体温計を出して熱を測ると39.5度ありました。体が熱いだけで、喉の痛み、頭痛、咳など、その他の症状は全くありません。昔から風邪を引くと割とすぐに熱が出るため、日頃から熱には強く、特別つらいということもありません。この時も、走れるくらい元気でした。ちなみに冷え性で、寒がりであり、冬の寒さより夏の暑さを好んでいます。

周りが一人残らずといってもいいくらいコロナに感染してしまったため、ついにこの日が来たかとも冷静に考えていました。かかりつけの医師に電話をすると、まず、熱を下げるためにタキピリーナ(Tachipirina/パラセタモール。解熱・鎮痛薬の一つ)を飲み、薬局に行き、PCR検査をするようにいわれました。薬局に行くと、検査の列には20人くらいの人が並んでいましたが、10分で順番が回って来ました。結果は陽性です。自宅に帰り、タキピリーナを飲むと熱がちょうど1度下がり、38.5度になりました。

翌日からは、タキピリーナの代わりにブルフェン(Brufen/イブプロフェン。非ステロイド系消炎鎮痛剤の一つ)を1日1回のむようにいわれました。筆者のコロナの症状は、本当に熱だけで、感覚的には、風邪よりも軽い程度のものでした。風邪ですと、たいていは、頭痛、鼻水、鼻詰まり、咳、喉の痛み、発熱などがあり、酷ければ仕事を休んだり、寝込んだり、数日はつらい感じです。

38~39度台の熱は5日間続き、6日目には、ブルフェンなしで36度台まで下がりました。面白かったのは、このコロナなのですが、熱を測る度に38.5度なのです。最初の数日は毎回決められたかのように一寸の狂いもなくぴったり38.5度の熱があり、いったいこのコロちゃんは何なのか!と笑ってしまったくらいでした。

また、前日から5日前まで遡って自身の行動を思い出してみたのですが、この期間、誰とも会っておらず、しかもこのうち2日間は、外出もしていません。残りの3日間でスーパー、八百屋などには数回行っていますが、今のイタリアでは、規制緩和で周りの住民はマスクを着用していないため、屋内では、用心深い筆者は必ずマスクを着用しています。

今後の対策

医師によると、オミクロン株「BA.5」の感染力が非常に強いことに加え、またマスクはしていても隙間などからのすり抜けも考えられることから、マスク着用でも100%の確率で感染を防げるものではないとのことでした。マスクは、FFP2のものを着用しています。今度は、完璧にやるならば、少し恥ずかしいですが、マスクと頬っぺたの肉に、セロハンテープかガムテープを貼って隙間が一切できないようにしておかないとダメかもしれません。とはいっても、コロナに感染をするのは、一般的にウイルスを100万個以上吸い込んだ時といわれています。筆者の症状が非常に軽かったことを考えると、ぎりぎり感染する最低の数のウイルスを吸い込んだとも思われます。そのような意味では、マスクがウイルスの侵入を守るのに十分に効果があったと思われます。屋外でも、道が狭く、人と近くですれ違うような場合は、必ずマスクを着用するようにするか、こちらが道路を渡って反対側の歩道を歩くように気をつけています。

2020年3月以降、イタリアではコロナウイルスによりたくさんの人が亡くなりました。

多くの犠牲者を出したイタリアは世界で最も早くロックダウン(全土封鎖)に踏み切った国でもあり、コロナウイルスが国にもたらした悲惨さは痛いほど身に染みています。そのため、筆者は、いつコロナに感染してもよいように、そして、万が一感染をしてしまってもできるだけ軽症で済むようにと、2年間かけて健康になるための生活に切り替えて来ました。もし一人でも重症の人が減るならば、病院のベッドも、もっと他の必要な人に使ってもらえると思ったからです。

具体的には、小食を推奨で、腹八分目に食べ、お菓子などをなるべく控えめにし、たくさん歩くということです。また、2年間にロックダウンも3回ありましたが、家の外に出れない時期でも、体力を付けるために、家の中で用事を考え、積極的に動くようにしました。体重も、2年間かけ5キロくらい減らしました。その結果、"禍を転じて福と為す"で、血液検査の結果を見てもコロナ以前よりも健康になっています。免疫力を落とさないようにしています。

感染拡大が止まらぬイタリアですが、今後も健康にも気をつけてコロナに負けない体づくりになるような生活をして行きたいと思っています。皆さまも、ぜひこの機会に新しい生活スタイルへシフトチェンジをしてみて下さい!体は面白いように変わります。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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