新型コロナウイルスと戦うローマの今の様子です!

公開日 : 2020年07月13日
最終更新 :

ローマからこんにちは!

皆さまご存じのように、イタリアは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年3月10日よりイタリア全土で移動制限が適用されることとなりました。その日から、家からも出ることもままならない状態が約3ヵ月続き、筆者もまるまると3.5kg太ってしまいましたが、何とか生き延びております。

イタリアは、コンテ首相が、1月末に6ヵ月間の非常事態宣言を発令しましたので、いまだ7月31日までは緊急事態下に置かれていますが、7月に入り夏の陽気がもたらす気分の解放感とともに、ようやく罪の意識をあまり感じずに外を歩けるようになりました。とはいっても、ローマはたびたびクラスターが発生している状態で、油断できる状況ではありません。

つい数日前は、筆者の親しい友人がコロナウイルスに感染の疑いがあるということで、PCR検査を受けてきました。近所の病院に腰の痛みで行った際に、診てくれたお医者さんがコロナウイルスに感染したことが判明し、該当するであろう週に診察した患者さん全員に電話連絡をして来た為、友人もその日に大急ぎで検査に行ったとのことでした。結果は陰性でしたが、筆者も念の為、友人の感染の有無がわかるまで自宅から出ないように指示がありました。実際、自分の身の近くに迫って来るとこうなってしまったことに対する諦めもありますが、不安はあるものです。

といった理由から、全ての方が安心して滞在できると分かるまでは、観光目的でのイタリア訪問はおすすめしないのですが、本日は、少し前にローマの町をやっと歩くことができるようになりましたので、その時に撮影した写真を紹介します!

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↑ 外出禁止で長い間歩いていなかった為、脚が他の人の脚のような感覚になっていましたが、ただ歩くのも嬉しく、暑さも気にせずに世界遺産のコロッセオに行って来ました。観光目的の方はまだ入れない状態ですので、地元民しかいません。地元民しかいませんと書いていますが、地元民すらいません。ご覧のとおり、コロッセオ前で人間に会うことはありませんでした。こんなに寂しそうなコロッセオを見たのは初めてです。

今日現在のイタリアのコロナウイルス感染者は24万3000人、1日当たりの新規感染者数はイタリア全土で200人前後出ています。

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↑ 続いて、スペイン広場です。スペイン階段も、いつもは世界中からの観光客が集まり、様々な言語が聞こえてくる場所ですが、この通り、蛍光色のベストを着たお巡りさんとローマっ子が数人いるだけです。首の後ろが焼けましたが、それでもいいと思っています。厳しいロックダウンで3ヵ月近く外に出られず、初めて長く外出をして、これほど日の光を浴びることができて嬉しいと思ったことはありませんでした。いつか歳を重ね、この肉体が朽ち果てて行く時に、人間として、動物として、もっと太陽に当たっておけば良かったなあときっと思うはずだと心から感じたのです。コロナウイルス拡散前は、日焼けなどにも多少気を遣っていましたが、今はあまり気にしません。本当に大切なことがクリアに見えるようになって来ました。

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↑ 暑くなると、こちらのバロックの巨匠ベルニーニのバルカッチャの噴水の周りにはいつも大勢の人が座っていますが、誰もいません。いかにローマは観光客であふれていたかが分かります。

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↑ こちらはパンテオンです。パンテオンの周りのレストランは開けているところが多いですが、観光客がおらず、したがって入るお客さんは誰もいない為、何軒かは普段はお店の中にいるウエイターさん達が店の外に出てお喋りをしています。この広場も、歩く人は地元の人ばかりで、とても悲しくなりました。

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↑ ナヴォーナ広場にも行って来ました。こちらは他の観光スポットに比べれば、やや人影は見ることができましたが、それでも普段の広場の賑わい(イタリアでの新型コロナウイルス感染症拡大以前)を知る者としては、悲しみの海の底に沈められた気持ちがしました。

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↑ 広場中央にある、こちらも巨匠ベルニーニが携わった四大河の噴水です。写真左側に見えるのはレストランです。お店の前にはテラス席が出ていますが、お客さんは誰もおらず、代わりに店の人が座っていました。いつもは四六時中人でいっぱいです。

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↑ ポポロ広場です。美しい双子教会が見えます。広場の中央に据えられたライオンちゃんの噴水が寂しげに水を噴いていました。広場全体でも歩いている人は15人くらいでしたので、観光客はおそらくゼロでした。

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↑ 最後に、パンテオンの近くの五賢帝の一人、ハドリアヌス帝の神殿前に行ってみました。神殿の正面にあるカフェの壁をつたうブーゲンビリアの花が綺麗で目を引かれました。ただお客さんを待つテーブルが物悲しい様相で、テーブルにさえ何か声をかけてあげたいくらいでしたが、早くいつもの明るく賑やかなローマに戻ることを心の中で願いつつ、後にしました。それでは次回に続きます!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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