イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「今日から公園の散歩なども禁止に!」

公開日 : 2020年03月21日
最終更新 :

新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリアから、2020年3月9日より現地の状況を見たままお届けしています!

イタリアで新型コロナウイルスの感染者数が多いのは、おもにイタリア北部のロンバルディア州(全体)、エミリア=ロマーニャ州(こちらの5県:モデナ県、パルマ県、ピアチェンツァ県、リミニ県、レッジョ・エミリア県)、マルケ州(1県:ペーザロ=ウルビーノ県)、ピエモンテ州(5県:アレッサンドリア県、アスティ県、ノヴァーラ県、ヴェルヴァーノ・クシオ・オッソーラ県、ヴェルチェッリ県)、ヴェネト州(3県:べネチア県、パドヴァ県、トレヴィーゾ県)です。

ですが、北部から徐々にイタリア全土に拡大していることもあり、2020年3月9日の夜にイタリア政府は、今まで上記の地域のみに適用されていた移動制限を、3月10日の朝からイタリア全土に適用すると発表しました。ただし職務上や、あるいは健康を理由とした移動などの必要性がある場合を除きます。

そしてその2日後、コンテ首相は、「新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、3月12日から3月25日まで、イタリア全土で生活必需品の販売店、薬局、ドラッグストアを除くすべての商業および小売り販売活動の休止措置を取る」という声明を発表し、今日にいたります。

生活必需品の販売店のなかには、例えば食料品を売るお店、スーパーマーケット、金物屋さん(水道が壊れた時などに必要)などが含まれますので、生活するのに食料の確保に困るということはありませんが、バール、カフェ、喫茶店、パブ、レストラン、ピザ屋さんなどのお店は、宅配サービスができる可能性を残してこの期間は休業することになっています。公共交通機関は運行本数の間引きを実施、そして公益に資するサービス、銀行、郵便、金融、保険サービスなどの生活に不可欠な公共サービスは保証されていますので安心して下さい。

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↑ 同じくローマ市内で、自宅謹慎をしている友人から、こんな写真が送られて来ました。今までずっと朝仕事に行くと夜まで帰ってこなかった飼い主が最近毎日家にいる為、ネコが「何でかな?」という顔をして、常にぴたりとついて来るそうです。いつもと様子が違うので心配でたまらないのでしょうか!

3月10日からイタリア全土で移動制限措置(国民は必要性がなければ外出しては行けない/よくある質問集として、在イタリア日本国大使館が日本語でイタリア外務省のWebサイトを日本語訳した「2020年3月9日付首相令による措置:よく問われる質問(FAQ)抄訳」というページがあります)が取られてから今日で12日目、お店などが閉まってしまってからは10日経ちますが、日に日に町でのあらゆるタイプの制限が厳しくなっているのを感じます。

例えば、筆者の家の近くの郵便局は、10日の全土での移動制限がかけられると、郵便局内に入れるお客さんの人数は最大で8人までとなりました。普段なら中に常35人くらいのお客さんが順番を待っている大きさの郵便局です。その2日後に、販売活動の休止措置令が発出されると、それに伴って最大4人となりました。一人出ると一人入れるように、郵便局の入口の自動ドアが厳しく管理されています。そして今週の頭には二人に、ついに先日には一人となってしまいました。1回に一人しか入れないのですからとても時間がかかります。一昨日は朝10時に郵便局に到着すると長蛇の列が出来ており、2時間近く並んで入ることが出来ました。ひとつ前の記事でも紹介しましたが、スーパーなども入場の為列が出来ていて、時間帯によっては長時間待つので大変です。

そして、本日2020年3月21日からは、新たな保健省令が発出されました。ローマ市においては、さらなる規制強化が開始されました。外出の際には、これらの禁止行為に当たらないようにご注意下さい。禁止行為と営業条件の規定の有効期間は、3月25日までです。

-公園、ヴィッラ、遊技場、公共庭園へのアクセスの禁止。

-屋外での娯楽、レクリエーション活動禁止。ただし、自宅近辺で対人距離1mを確保しながら個人で運動することは可能。

-駅やガソリンスタンドの売店閉鎖。高速道路沿いのサービスエリアの持ち帰り専用売店および病院や空港の売店は、対人距離1mを確保する条件で営業可能。

-休日、普段生活している住居から休暇用住居などへの移動禁止。

【ローマのみ】

ローマ市警察は、3月21日からの7~13時、14~20時の時間帯にローマ環状線ジャンクションに検問所を設置し、市内へ流入する車両のコントロールを実施することを決定しました。

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↑ 今日は夜19時頃にスーパーに行ってきました。ローマの場合、いろいろなゾーンに住んでいる知り合いにも聞いてみたのですが、大体どこもスーパーやお店などが一番混んでいる時間帯は午前中で、午後3時を過ぎるとお客さんも減っていき、夕方は少ないそうです。そこで夕方のこの時間帯に行ってみましたが、5分くらい並んでからすぐ入ることが出来ました。ですので、買い物をする必要のある方は、あまり混まない午後の遅い時間以降に行かれることをおすすめします。人も多くないので、感染予防の観点からも良いと思います。こちらのスーパーでは、手前に見える卵コーナーと、その隣のツナ缶の陳列棚でずっと品薄が続いています。この日も卵は購入することが出来ませんでした。

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↑ 2020年の今年は4月12日(日)がイースター(復活祭)です。

十字架に架けられて死んだキリストが三日目に復活したことを記憶するこの復活祭は、カトリック教会(キリスト教)の暦の中で1年で一番重要な日で、復活を喜ぶ信者たちの気持ちの盛り上がりも最高潮に達します。イースターに続く1週間は、聖なる1週間といって、イタリア各地で月曜日から毎日ミサやイベントなどが催されます。

スーパーにもイースター用のコロンバ(ハトの形のケーキ)が並び始めました! イースターの時期には、新型コロナウイルスの感染拡大は終息しているとはとても思えませんので、今年は自粛ムードでしょうか。

上述の「コロンバ」やイースターの日の朝ご飯についての参考記事:

2014年4月22日 イタリア人の朝ごはん スウィーツてんこ盛り 美食の国の朝ごはん その3 イースター当日の朝ごはんは?こちら

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↑ お買い物が終わり、レジに来ました。

お隣の列に並んでいたカートですが、黒いものは商品かと思いましたが、犬でした(びっくりしたので写真がブレました)。左から来ているのが飼い主さんで、ひとりの時は大人しくじっとしているように言われていたようです。画像を見ていただくと、レジは全部で5つあるのですが、10日くらい前より5つのレジとも、店員さんが立つ場所とお客さんの間に、透明のプラスチック製の大きな隔壁が作られています。プラスチックの板は大きなもので、このプラスチックの壁越しに会話をします。飛沫感染防止のための措置です。また、今まではレジを担当する店員さんは手袋を着用していませんでしたが、今日では多くのスーパーで、店員さんはゴム手袋をはめた手でお釣りやレシートを渡してくれます。

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↑ また玄関に素敵なものが置いてありました。

ここ1週間で、イタリア全土で移動制限措置が取られ、住民は用事がない限り外出禁止の自宅待機となっています。外出する必要にある時は、理由を書いた自己宣誓フォームを携帯する必要があります。(下部のリンクから入手可能です)

スーパーは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、厳しい入場制限が行われ、どこもお店に入るのに並びます。その為、行くのが面倒になる人も多く、筆者の周りも、家で長時間の煮込み料理や手作りハンバーグ、詰め物系のパスタなどを作っていたりしています。お隣の家のかわいいローマっ子のお姉さんが、一昨日は家で時間を掛けて手作りしたパンを置いて行ってくれましたが、今日はリンゴのタルトになっていました! 

"みずほちゃんタルトを作りました。フランチェスカ"

それでは、イタリアの現地在住者が見た新型コロナウイルス情報はまた続きます。状況は刻々と毎日変わっていますので、最新の情報入手と必要な感染予防をお願い致します!

3月8日および9日首相令に基づき、移動の自由に関して内務省が規定した自己宣誓フォームは、下記URLから入手可能です。イタリア国内では、警察当局による規制が強化されていますので、内務省規定の自己宣誓フォームに移動の理由を含む必要事項を記入して、外出時には携行ください。

イタリア内務省:自己宣誓フォーム(イタリア語)

また、在イタリア日本国大使館の公式Webサイトに和訳がありますので、ご参考下さい。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉

海外に渡航する場合は、渡航先、経由先の国がビザ発給や入国の制限をしていないか必ずご確認ください。状況、環境は日々変化しますので予告なしに入国制限などが実施されることも予想されます。最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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