イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「今日からイタリア全土にて移動制限」

公開日 : 2020年03月10日

最終更新 : 2020年03月10日

筆者 : 阿部美寿穂

新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリアから、昨日2020年3月9日から現地の状況を見たままお届けしています！

イタリアで新型コロナウイルスの感染者数が多いのは、おもにイタリア北部のロンバルディア州（全体）、エミリア＝ロマーニャ州（こちらの5県：モデナ県、パルマ県、ピアチェンツァ県、リミニ県、レッジョ・エミリア県）、マルケ州（1県：ペーザロ＝ウルビーノ県）、ピエモンテ州（5県：アレッサンドリア県、アスティ県、ノヴァーラ県、ヴェルヴァーノ・クシオ・オッソーラ県、ヴェルチェッリ県）、ヴェネト州（3県：べネチア県、パドヴァ県、トレヴィーゾ県）です。ですが、北部から徐々にイタリア全土に拡大しており、毎日爆発的に感染者数が増えています。

3月8日の未明に、イタリア政府は新たな首相令を発出しました。

内容は、イタリア北部を中心とする地域のレッドゾーンをさらに広い地域に指定し、新型コロナウイルスの感染拡大阻止の対策を講じるというものでした。この時にリスト入りした地域は上記に挙げた都市です。「これらの地域への出入及び当該地域間の出入に係る個人の移動を回避すること。ただし、職務上の必要性、あるいは健康を理由とした移動のような必要な状況に裏付けされる動機がある移動を除く。自身の住居への帰還は認められる。対策の有効期間は、3月8日～4月3日」という内容でした。

ところが、昨晩3月9日にコンテ首相が新たな声明を発表し、8日の首相令でロンバルディア州全地域と4州の14県に適用されていた移動制限を、10日の朝からイタリア全土に適用すると発表しました。ただし、職務上の必要性、あるいは健康を理由とした移動など必要な状況に裏付けされる動機がある移動を除きます。これで事実上、イタリア全土が4月3日まで封鎖された状態になり、家から外出の際には、理由をあらかじめ書いた自己申告書の携帯が必須となります。

このイタリア全土封鎖のニュースは9日の深夜に飛び込んできましたので、筆者も明日以降はどんな生活になるのだろうか！と悶々と眠れぬ夜を過ごしました。おそらくイタリア全土の封鎖のニュースで、お店などで買い占めなどが起きるのでは？と想像し、朝一番に近所のスーパーに様子を見に行ってみることにしました。予想は当たっていました。

↑　朝一番にスーパーに行きましたが、陳列棚のパスタの部分はもうがらがらの品薄状態です。いつの間にお客さんは買い物をして行ったのでしょうか？！　イタリアらしく、パスタやパスタソースコーナーから買い占めが起きています。筆者もペンネのパスタを1袋、購入しました。

↑　こちらは奥側が、パスタのソースにしたり、ピザに塗ったりして使うトマトソースなどのコーナー、手前が缶詰の豆とコーン類です。いつもは商品が陳列棚にぎっしり詰まっていて、隙間ができているのをほとんど見たことがありません！

↑　続いて、裏側の陳列棚の、食パンやクラッカー、グリッシーニ、パン粉などのコーナーも見てみましたが、こちらもすでに買われてしまっています。店内にいるお客さんの数もいつもの50％増しですが、ほとんど皆さんがひとりふたつずつカゴを持って歩いています。そのほかに品薄が見られた商品は、オリーブオイルや、牛乳、冷凍のピザ、トイレットペーパー、キッチンペーパーでした。

↑　野菜と果物のコーナーの方が、まだそれほど買い占められてはいないようでした。バナナやキウイはまだたくさん残っていましたが、人気があるのは写真のリンゴと洋ナシが並ぶところでした。

↑　続いて、ローマ中央駅・テルミニ駅に行ってみました。いつもは東京の新宿駅のようなにぎわいを見せる駅も今日は人がとても少ないです。

↑　列車が発着するホームがずらりと並ぶ部分も、ぽつぽつと人がいる感じです。通常では考えられないことです。警察官も駅構内にいつもより多くいます。「イタリア全土で移動制限」は今朝から施行されたばかりで、まだその決定を知らないで歩いている人も多く、取り締まりなども緩い感じですが、基本的に用事がなければ家からの外出は禁止です。筆者もこれからすぐに家に戻りたいと思います。