イタリアの新型コロナウイルスの最新情報「不便な日々の暮らしと高まる団結の気運！」
新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリアから、2020年3月9日より現地の状況を見たままお届けしています！
イタリアで新型コロナウイルスの感染者数が多いのは、おもにイタリア北部のロンバルディア州（全体）、エミリア＝ロマーニャ州（こちらの5県：モデナ県、パルマ県、ピアチェンツァ県、リミニ県、レッジョ・エミリア県）、マルケ州（1県：ペーザロ＝ウルビーノ県）、ピエモンテ州（5県：アレッサンドリア県、アスティ県、ノヴァーラ県、ヴェルヴァーノ・クシオ・オッソーラ県、ヴェルチェッリ県）、ヴェネト州（3県：べネチア県、パドヴァ県、トレヴィーゾ県）です。
ですが、北部から徐々にイタリア全土に拡大していることもあり、2020年3月9日の夜にイタリア政府は、今まで上記の地域のみに適用されていた移動制限を、10日の朝からイタリア全土に適用すると発表しました。ただし職務上や、あるいは健康を理由とした移動などの必要性がある場合を除きます。
そしてその2日後、コンテ首相は、「新型コロナウイルス感染拡大を防止する為、3月12日から3月25日まで、イタリア全土で生活必需品の販売店、薬局、ドラッグストアを除くすべての商業および小売り販売活動の休止措置を取る。」という声明を発表し、今日にいたります。
生活必需品の販売店の中には、例えば食料品を売るお店、スーパーマーケット、金物屋さん（水道が壊れた時などに必要）などが含まれますので、生活するのに食料の確保に困るということはありませんが、バール、カフェ、喫茶店、パブ、レストラン、ピザ屋さんなどのお店は、宅配サービスができる可能性を残してこの期間は休業することになっています。公共交通機関は運行本数の間引きをして、そして公益に資するサービス、銀行、郵便、金融、保険サービスなどの生活に不可欠な公共サービスは保証されていますのでご安心下さい。
イタリア全土のお店が強制休業になり丸5日経ちますが、スーパーに行く度に日に日に入場制限や、店内での振る舞いにおける規制が強くなっているのを感じます。昨日まで、筆者の家の近くの郵便局は、マスクの着用なしでも普通に入ることが出来ましたが、今朝からはマスクをしていないお客さんは入れないことになりました。一昨日、昨日くらいまでは、街中でマスクをしている人はほぼ半数くらいでしたが、今日辺りは7～8割くらいの人がマスクをして歩いている感じです。
↑ 本日2020年3月16日の、イタリアの最新の新型コロナウイルスの感染者数です。イタリアには、北から南まで全部で20州があります。首都ローマは、イタリア半島のちょうど真ん中辺りにあるLazio（ラツィオ州）の中にあります。ラツィオ州は5つの県によって成り立ち、ラツィオ州全体での感染者は436名となっています。
こちらのグラフは、イタリア厚生省の公式ホームページで見ることが出来ます。公式ホームページの中央辺りの、縦に数字が3つ並ぶところの一番下の数字の左横にある「Mappa dell'Italia（イタリアのコロナウイルスの概要」というところです。こちら
↑ 急激に感染者が増え始めた2月24日以降の、日ごとの感染者数を示すグラフです。3月7日辺りからまた少しずつ増えています。昨日15日は、1日で感染者数が3000人近く増える今までで最悪の結果となりました。
こちらのグラフも、イタリア厚生省の公式ホームページで見ることが出来ます。公式ホームページの中央辺りの、縦に数字が3つ並ぶところの一番下の数字の左横にある「Mappa dell'Italia（イタリアのコロナウイルスの概要」というところです。こちら
↑ ローマでも、スーパーなどを除く、あらゆる種類のお店が一時閉店してしまっているので、まるでゴーストタウンのようになっています。こちらは、今日のスーパー・カルフールの様子です。お店の入口は、右奥に見える白い看板の立つところですが、そこへの入店の為の列が出来ています。国の規定では、人と人の距離を最低1mは取ることとありますが、1mどころではなく、皆さん人と人の間を4mくらい空けて列を作っています！ 間隔が広過ぎて、お店によっては列が妙に壮大なものになっている時があります。
↑ 10分くらい列に並び、お店の中に入ることが出来ました。洗濯洗剤のコーナーが品薄です。イタリア全土で自宅謹慎措置となり、もともときれい好きのイタリアの皆さんは、家の中のお掃除、お洗濯をいつも以上に沢山されているようです。
↑ お惣菜コーナーのイタリアの焼き菓子達です！
↑ こちらは八百屋さんに出ていた張り紙です。ピンク色の矢印を入れた部分ですが、なんと3月15日から4月20日まで1ヶ月以上閉店です。このお店は、年末年始も、祝祭日の日も決して休んだことのない八百屋さんでした。おそらく3日以上休むのは初めてのことだと思います。新型コロナウイルスに感染することへの不安で、2月頃からお客さんも徐々に入らなくなっていたと思いますし、現在の状況を見通しての決断ならば仕方がなかったのかもしれません。イタリア全土で移動制限がかけられた3月10日から4月5日頃までは、「休暇をとります！」と書いて一時閉店してしまっているお店も多いです。
↑ 昨晩は玄関に素敵なものが置いてありました。
ここ1週間で、イタリア全土で移動制限措置が取られ、住民は用事がない限り外出禁止の自宅待機となりました。商業施設も休業となり、生活必需店として開いているスーパーは、新型コロナウイルス感染拡大防止の為、厳しい入場制限が行われ、どこもお店に入るのに長い列が出来ています。入店の為の待ち時間が長いので、行くのが面倒になる人も多いと予想されます。実際周りもそうで、イタリアの方は何をしているのかというと、家でこの時ばかりはと、長時間の煮込み料理や手作りハンバーグ、詰め物系のパスタなどを作っていたりします。家でこねこねとパンやピザを作る人も少なくはないので、筆者の家の近くのスーパーでは、最近常に膨らし粉が品薄になるという変な現象が起きています！
昨晩、お隣の家のかわいいローマっ子のお姉さんが、手作りしたパンを沢山置いて行ってくれました。世界規模で大変な時期ですが、心がほっこりと温かい気持ちになりました。
"好きなだけとってね。フランチェスカ"
それでは、イタリアの現地在住者が見た新型コロナウイルス情報はまた続きます。状況は刻々と毎日変わっていますので、最新の情報入手と必要な感染予防をお願い致します！
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
海外に渡航する場合は、渡航先、経由先の国がビザ発給や入国の制限をしていないか必ずご確認ください。状況、環境は日々変化しますので予告なしに入国制限などが実施されることも予想されます。最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
筆者
イタリア特派員
阿部 美寿穂
ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。
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