ローマ・カラカラ浴場にオペラを見に行って来ました!

公開日 : 2017年08月20日
最終更新 :

前回から2週間、間があいてしまいました。

この期間のイタリアは大変な暑さに見舞われていました。先日のブログで既に恐ろしい者達の到来を予告をしていましたが、アフリカからの高気圧ルシファー(悪魔)の到着で、ローマは連日40度越えの気温となり、最初は40度はきついかなと思っていたのですが、41度までであれば耐えられることが分かりました(ニッコリ)。新しく発見したことは、筆者の場合、駄目な温度と耐えられる温度の差が41度と42度の間にあり、42度を過ぎると特別動かなくとも顔が茹でダコの様に赤くなることが分かりました。それ程の暑さです。

そして、一番暑い日に仕事でオルヴィエートと言うウンブリア州の町に行ったのですが、山の中のこの町はローマ以上に暑かったです。オルヴィエートの駅に到着した時は日陰で43度だったのですが、夏休みでタクシーの運転手の多くが休暇に入っている為、何とタクシーが一台もいません。タクシー会社に電話してタクシーが来るまで待つことになりました。トタンの様な屋根付きのタクシー乗り場で待っていましたが、日陰でも体を包む空気全体がとても熱く、汗が止まりませんでした。一番近くにいたタクシーが到着するまでの1時間の間に、大量の水を飲みました。空気が乾燥しているので、飲んでも飲んでもどんどん出て行ってしまうという感じです。空気の湿度が低いと本当に危険ですので、暑い時には水分補給を十分にされて下さい。

この日は、ローマにいた友人も暑さで仕事中に鼻血を出したと言っていたので、オルヴィエート程でないにしても、強烈な暑さだった様です。最近はローマは気温も大分下がり、日中は35度程です。

さて、7月22日号で「夏の夜のオペラはローマ・カラカラ浴場で!オペラ鑑賞の服装は?」こちら と言う記事を書きましたが、偶然にもその直後に、知り合いからオペラのチケットをいただき、カラカラ浴場にオペラを見に行くことになりました。今日はその時の様子をお届けしたいと思います!

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↑ 開演直前の様子です。ローマでは、オペラはオペラ座で通常は行われますが、夏の間はカラカラ浴場の遺跡で野外オペラが開催されています。遺跡の間でのオペラ鑑賞は、おそらく世界でもここだけ、とてもローマらしいイベントです!

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↑ カラカラ浴場でのオペラには色々な演目があります。筆者は、ジュセッペ・ヴェルディのナブッコ(Nabucco)の日のチケットをいただきました。昔ペルージャ外国人大学に通っていた頃、イタリア音楽史と言う科目の試験の為に、ナブッコのストーリーを食卓の椅子を相手に気が狂ったかの様に復唱(丸暗記)していた記憶が蘇りました!

オペラの開演は21時からでしたので、友人と入口の前で20時30分に待ち合わせをしました。入口を入るとすぐ左に受付があり、ここで予約確認書をチケットに換えてもらいます。中に足を踏み入れると、内部にはもうお客さんがいました。(写真参照)

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↑ どんどんお客さんが入って来ます。客席のスペースは広いです。

カラカラ帝の治世下の216年に完成した浴場の遺跡は、日中は普通の観光スポットの一つとして訪れることが出来ます。

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↑ 日が沈み始めます。イタリアカサマツがこれまた良い雰囲気を醸し出しています。成長すると8階建ての建物位の信じられない大きさになる素晴らしいマツです。

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↑ お客さんが埋まり、ほぼ時間通りに開演となりました。浴場の遺跡の間に舞台が据えられています。演出では、遺跡の表面に映写してスクリーンとして使用するシーンもありました。

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↑ 途中で30分程の休憩時間があります。舞台のすぐ手前にいるオーケストラの人達の脇を通って、舞台の横の休憩コーナーへ行って来ました。

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↑ 写真の右奥に見えるのが、オペラの舞台です。広いスペースにはトイレ、ソファーなどが置かれて寛げるスペース(写真)が作られていました。写真中央奥は仮設のバールです。

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↑ スプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)です。バールのすぐ近くには、小さなお土産コーナーも出来ていました。オペラのイメージ画像で作られたマグカップやマグネット、鉛筆、布製のバッグなどを購入することが出来ます。

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↑ オペラが終了し、舞台挨拶が始まりました。ナブッコの構成は、パート1とパート2(70分間)、30分間の休憩、パート3とパート4(55分間)でした。閉演となったのは24時頃でした。

帰りのタクシーについてですが、入口の切符売り場の前に、タクシー会社のカウンターがあり、個人の電話で呼ばなくても、そちらでも女性スタッフが予約をしてくれます。ただ終了と同時に多くの人がカウンターへ向かうと、やはり並ぶことになってしまいますので、避ける為に少し早めに会場を後にする人が多く見られました。

他の交通手段は、カラカラ浴場から徒歩6~8分の所にある地下鉄B線チルコ・マッシモ駅へ行く方法です。筆者達もこの駅まで歩きましたが、オペラの終了と同時に同じ方向へ向かう人も多いので、人の流れに乗って歩けば、深夜でもそれ程心配することはないでしょう。

イタリアが発祥地のオペラ。オペラは、特別芸術や音楽に興味がなくても、色々な意味で楽しめるイベントです。会場の雰囲気を味わうだけでも面白いです。お時間があれば、夏の夜はカラカラ浴場へ是非足を運んでみて下さい!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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