ローマのスリ対策方法。ターゲットにされないように未然に防ぎましょう!

公開日 : 2014年03月06日
最終更新 :

悪名高いローマのスリは、本当にどこにでもいます。

ローマに住んでいると、どうしても強盗やひったくりなどの洗礼を受けますので、最近では、スリかどうかほぼ瞬時に見分けることができるようになりました。

スリだけでなく、ローマの治安と旅行する前に知っておいたほうが良いことについては、こちらでもまとめてあります。今回のスリ対策方法の記事と併せてご覧下さい。

近1ヶ月にスリ集団を良く見たポイントは、パンテオンの中、フォロ・ロマーノ周辺のバス停前、テルミニ駅のショッピング街の地下にある化粧品屋の中です。

スリ以外はどうなの?というと、自宅にインターポールから国際指名手配されている殺人犯(2人殺してアルバニアの刑務所から逃亡中)の計3名が、夜中に泥棒に入りました。

筆者は居ませんでしたが、イタリア人の大家さん(女性)は寝ていて、気づいたら部屋の中に見知らぬ外国語を話す男達がいたそうですが、今日は困ったなぁ~と思い、狸寝入りを決めたそうです。そしてステレオと洋服を盗られてしまいました。

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↑ ローマのパンテオン (Pantheon)。2000年前に造られた、世界最大の石造り建築の遺構です。

詳細は過去記事:ローマのパンテオンはパワースポットだった! こちら

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↑ パンテオンの外で。有名観光スポットのこの界隈は常に人がたくさんいます。手荷物にご注意下さい。

話はスリに戻りますが、パンテオンの中は同一人物と思われる、小奇麗な格好をした東欧系の女性3人組が頻繁に出没しており、筆者は何度も遭遇しています。

先日は、筆者の目の前で外人の観光客から財布をスルところだったので、持っていたカメラの三脚で頭を殴りつけました。驚いたのは向こうの方で、まさか日本人が見ていて殴られるとは思っていなかったようです。日本人はどちらかというとカモ役でスリにスラれる方が多いからでしょうか?

すぐに警備員と警察を呼びつけましたが、クモの子の様に散ってしまった後なので、捕まってはいません。

この3人は常習犯ですので、パンテオン内や周辺施設の人ごみでは、携帯電話、カメラなどの貴重品には充分注意をして下さい。

特に雨の日は観光施設内に雨宿りをする人が増え、人で混雑するので、スリもそのような仕事場を求めてたくさん集まってきます。

パンテオンに入った時、最初から彼女等は怪しいと思っていたので、同行者には全く告げずに3人組みをマークしていました。すると、彼女らは何度も何度もスロうとトライしていました。(普通の方には見分けが少し難しいかもしれませんね。)

パンテオン内では、2人が天井の採光窓をスマートフォンで撮影をしているフリをして脇を固め、残りの一人がハンカチで隠した手をカバンの中に入れてスッてきます。

ハンカチはマジックテープで彼女のカバンにあらかじめハンカチの一辺のみをすぐに接着できるようになっていて、ターゲットが見つかると、ハンカチをカーテンのように貼り付けます。ターゲットのカバンから財布を取り出すまで、ものの3分位でした。

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↑ いつでも大人気の観光スポット、スペイン階段。所持品には常に気を配って。

スリ対策法として、ローマでは交通機関の中などの人ごみでは、指が1本でも入ると開けられてしまうので、カバンのジッパーは1センチも残さず最後まできちんと閉めることと、閉めた部分を体の前側にして、さらにその部分を手でぎゅっと押さえるようにして歩きます。

またアドバイスなのですが、日本人は視野がとても狭いので広く持ちましょう。

一人でも二人でいても、完全に自分達の世界に入ってしまって周りを見ていないケースがほとんどです。

道を歩く時は、視野を広め(横方向に)にとり、前方は30~50メートルは見るような感覚が良いと思います。前方遠くを見ていると、怪しい人物が前から来た場合に前もって回避できますが、手前5メートル位しか見ていないと厳しいと思います。

日本人は遠慮がちなので、すれ違う人の顔を見ず、すぐ前の地面を見ながらちょこちょこと歩くという感じですね。これではいけません。

イタリアでは道や外を歩く時に、向こうから来る人と普通に目が合いますが、目が合うということは向こうもこちらを見てるということです。

他人に対して好奇心いっぱいのお国柄もありますが、イタリア人は周りにどういう人がいるのか良く注意しているように思います。例えば、家の前の通りは長い通りなのですが、いつもすれ違う人ほぼ全員とアイコンタクト状態で、犬までも筆者をガン見する程です!

また、夜の歩き方の注意点です。

筆者は女性ですが、夜に多少物騒なゾーンを歩かなければならなくなった時などは、前方100~200メートルくらいに視点を固定して歩いています。

左右の方向も同様です。また、後ろも頻繁に振り返って歩きます。日中より確実に視野を意識して広げます。

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↑ 日本も同じですが、日が落ちて暗くなり始めたら、車の動きに充分に注意しましょう。道路の横断の際には必ず、左右確認して渡ります。

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↑ 雰囲気のある石畳の町ローマでは、夜の散歩も楽しい。写真はフォーリ・インペリアーリ通り(Via dei Fori Imperiali)。中央にコロッセオが見える。夜間は昼間以上に視野を広げて歩こう。

そして、スリ対策は自分がスリになったつもりで考えて見ることが大切です。どういう人なら襲いやすいか!

それはこちら(スリ)を見ていない人です。

スリだって忙しいので、必要以上に警戒している人にちょっかいを出して時間を無駄にしている暇はありません。用心していない人、警戒心が薄い人はとてもスリ易いし、効率的です。

まずは、スリのターゲットにされないこと、その為には必要以上に目立たない格好も大切ですが、それ以上にもっと大切なのは、視野を広く持って歩き(わざとスリと目を合わせて!)、用心していることを分からせることです。

たくさん書いてしまいましたが、後になって皆さんが悲しい思いをしないように、目一杯お伝えしました。

スリ対策はイタリアだけでなく、海外全般で参考になると思います。

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↑ ヴェネツィア広場のヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂の夕暮れ。

スリは対策を知っていれば避けられます。ローマをもっともっと楽しみましょう!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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