ローマの治安と旅行する前に知っておいた方が良いこと!

公開日 : 2013年07月28日
最終更新 :

今日は、筆者の今までの経験の中で見聞きした、ローマで日本人旅行者の方があいやすいトラブルトップ6を発表したいと思います。

ローマで起こりそうな被害については、地球の歩き方 ローマのガイドブックの「技術編」にある"安全なローマ滞在のために" というページにもトラブルの実例集が掲載されていますのでこちらも併せてご覧になって下さい。

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↑ イタリアは世界一の世界遺産保有国。

3000年の歴史を誇るローマは、ローマの歴史地区とヴァティカン市国が世界遺産となっています。写真はサンタンジェロ城(聖天使城 Castel Sant'Angelo)から14区 ボルゴ地区方面のパノラマです。

1位.食べ過ぎに要注意

食べ過ぎによって具合が悪くなり、レストランで意識を失ってしまった日本人観光客の方を数回救助したことがあります。1度は重症で、お食事中にテーブルで気絶して床に倒れてしまった為、救急車を呼び病院に搬送しました。

2~3時間待っても意識が戻らず、深夜の3時頃目が覚めたが言葉が通じないため、病院からの連絡で駆けつけたことがあります。

イタリア料理は見た目もおいしいので、強烈に好奇心をかきたてられ次々と食べてみたくなりますが、日本からの長旅で体は疲れています。せっかく遠くまで来たのだから、今回食べなきゃと無理してたくさん食べないように気をつけましょう。食べれなかったらまた次の旅行で食べればいいのです。傾向として、一流レストランでお食事をした方々の気分や具合が悪くなる例が多いです。

お腹いっぱいになり、もうそれ以上入りそうもなければ、一流レストランでも恥ずかしくはありませんので残しましょう。実際、イタリア人もそうしていますし、日本ほど周りの目を気にしない国なので大丈夫です。

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↑ ローマ名物のスパゲッティ・アッラ・カルボナーラ(Spaghetti alla Carbonara)。とろとろの卵とスパイシーな黒コショウの香りが食欲を誘います!

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↑ イタリアといえば、ヴォンゴレ(アサリ)を使ったパスタもおいしい。スパゲッティの代わりにタリオリーニというパスタを使った、ヴォンゴレと海老のタリオリーニの黒トリュフがけ。

秋はトリュフがおいしい季節です。トリュフペーストや、香りをつけたオリーブオイルはお土産にもお奨め!

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↑ 決して無理をせず、もしお腹にまだ余裕がありそうなら、イタリアのデザートも是非、お試しあれ!

写真はリコッタチーズのムースにカラメルがけにしたピスタチオとチョコレートソースのドルチェ。

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そして、ワインの飲みすぎには特に気をつけてください。白ワインでもロゼでも日本人が思う以上に強いので飲みすぎると気分が悪くなります。

すぐに吐ければいいのですが、できそうもないと頭痛や熱がでることもあります。

筆者も何回も経験し失敗もしたのですが、ワインなどのアルコールの類は同席のイタリア人ががぶがぶ飲んでいるからといって絶対真似してはいけません。12歳位から、夏場は赤ワインを水で薄めてジュース代わりに飲み始める子もいるので、彼らは慣れています。

2位.スリ

言えることはただ一つ、自宅から出たら財布、貴重品、携帯電話に意識を100%集中しましょう。注意すべき地区はローマ全域です。

鞄はしっかりと閉め(ファスナーで完璧に閉まるように)、バスや地下鉄の中では手でしっかりと鞄の口をおさえている様に。要するにこちらが十分に注意していることを分からせてあげればいい訳です。

スリ(集団)は彼らの生活がかかっており、スリ学校に入学してプロフェッショナルに教育を受けています。街中にカモはたくさんいますし、わざわざ自分の所持品に注意をしている人を脅して、時間をかけてまでも奪ってやろうと思う (よっぽどお金持ち風の服装をしていて大きな収入の見込みがありそうだとかという以外)スリは滅多にいません。

スリの対策法についてはこちらでもまとめました。

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↑ 市内各地では、毎日、多種多様な青空市が展開されています。写真は、見るだけでも面白い、サン・ジョヴァンニの衣料品&雑貨市。人ごみでは特に所持品に注意しましょう!

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↑ カンポ・デ・フィオーリ広場 (Piazza Campo de' Fiori)の朝市。

この小さな広場には毎日午前中、かわいい青空市場が出ます。広場の屋台で売られる名物生ザクロジュースは、目の前でぎゅぎゅっと絞ってくれる真っ赤な色をしたできたてジュースです。

簡単な買い物には小銭だけを出せるように、出来れば10~20ユーロ分のコインを小銭入れに入れておくと良いと思います。

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3位.ひったくりこちらも、ひったっくりにひったくるスキを与えなければ良い訳です。たすきがけにできない鞄ならしっかりと肩にかけ、脇と腕でぎゅっと力を入れて挟んで歩きましょう。二の腕のシェイプアップにもよいかもしれません。バッグは車道側とは反対側の手で持つように。コロンビア人の友人は、治安の悪いコロンビアでは歩く時に数秒ごとに後ろを振り返って誰も付いてきていないか確認しながら歩くそうですが、筆者も深夜のローマはそうしています。

4位.置き引き自分の所持品は自分の体から離してはいけません。レストランなどのバイキングで食事を摂る為、席を立つ時もバックも一緒に持っていくこと。

5位.つり銭・両替ごまかし

慣れないユーロ通貨かもしれませんが、払う前に頭の中で大体の計算をして、おつりがいくらくらいか予測しておくと良いです。

計算が得意でないのか、わざとでなくてもおつりを間違えるお店の人が本当に多い為、筆者もローマに限らず海外では常におつりを事前に予測して払います。おしゃべりをしながらレジをやったりしてよく間違えるので、おつりを多く渡されることもあります。

海外旅行でお釣りをごまかされないようにするための、ちょっとした方法についてはこちらでもまとめました。

6位.道路の横断に注意ローマ人は江戸っ子べらんめえ口調で運転が荒いので、横断歩道であっても信号であっても決して信用してはいけません。必ず左右確認後渡って下さい。

ということで1位から6位まで簡単な注意をすることで防げることばかりです。が、実際そうなのです。

イタリアはコソドロ風の"ちょっとしたスキがあれば、試しちゃおうかな~" 位の犯罪で、拳銃やナイフで殺してもいいから力ずくで奪ってやろうという本格的な犯罪は他のヨーロッパ諸国に比べて少ないです。

ローマはヤシの木やバナナもワサワサ生え南国風で、冬は雪が降るのも30年に1回位の気候も穏やかな土地です。昨年、27年ぶりにローマに雪が降りました。

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↑ 穏やかな気候のローマ。夏は湿度が低くカラッとした暑さで、冬は雨が多く温暖な地中海性気候です。

食べ物も飲み物もおいしく、町には美術館や芸術作品、遺跡があふれ、教会内にある有名な彫刻や絵画などの見学はもちろん無料開放です。ご存知のように、イタリアは世界一の数を誇るユネスコ世界遺産で有名です。

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↑ ジェラート(アイスクリーム)の発祥地でもあるイタリア。

何百種類もあるといわれる味の中から、お気に入りを見つけるのも楽しみ!

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↑ イタリアにはコーヒーにもたくさんの飲み方があり、本当においしいです。(写真はカプチーノ)

水も淹れ方も違うので、日本で飲むコーヒーとは全く別物と考えてもらって良いくらいです。

うまく説明できないので実際に飲んで感じてもらうしかないのですが(!)、コーヒーは口の中で強く印象に残るパンチのきいた味でコクがあります。

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↑ ローマのパワースポットの一つともいわれるパンテオン (Pantheon)。

世界最大の石造り建築の遺構です。2000年前の建築物がほぼ完全な形で残っているのは、世界でもローマだけかもしれません。こういったものが入場無料なのも嬉しいですね!

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↑ 世界遺産のヴィッラ・アドリアーナ (ハドリアヌス帝の別荘)は、壮大な建築物と美しい自然の融合例といわれています。

詳細は過去記事:イタリアの世界遺産「ヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌス帝の別荘)」その1はこちら、その2はこちら

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↑ こちらも同じく噴水のある庭園が圧巻の世界遺産のヴィッラ・デエステ (Villa d'Este エステ家の別荘)です。

詳細は過去記事:数百の噴水の競演!マイナスイオンたっぷりのエステ家の別荘。その1 こちら

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↑ 橙色のネオンのもと、夜の散歩も楽しい。

写真はサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂(Basilica di San Giovanni in Laterano)。

敷地内にスカラ・サンタ(Scala Santa 聖なる階段)があります。この聖なる階段は、キリストが裁判の日に上ったことで有名で、エルサレムのピラト(イエスの処刑のゴーサインをだしたローマのユダヤ総督)の宮殿から、ローマ帝国皇帝コンスタンティヌス帝のお母さんへレナによって326年にローマに持ってこられたといわれている階段で、お祈りをしながら膝で上っていきます。世界中から信者が毎日訪れます。

またローマには、ローマ法王を頂点とする、カトリックの総本山ヴァティカン市国があり、巡礼者にとっては聖地であり、深く信仰が根付いた土地です。ヴァティカン市国は別の国ですが、ローマ市内にあるため誰でも訪れることができます。

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↑ ヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro in Vaticano)です。

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↑ 世界一大きな大聖堂、ヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂のクーポラから眺めたローマです。

ローマは、本場のオペラやサッカーなど楽しんだり、有名なイタリアンブランドを安価で購入したり、グルメから文化(教養)まで網羅している遊ぶには最高の町だと思います。

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↑ 政治や経済、宗教の中心地であった、フォロ・ロマーノ(Foro Romano)の遺跡。奥に少し隠れて見えるのはコロッセオ。

この町は3000年以上の長い歴史を持ち、泥臭い人間臭い人達のいる所です。感情を激しく表に出し、食べることや人生を謳歌する、日本人と全く正反対の人種といっても良いかもしれません。

ローマ人の気性のオープンさはイタリア人の中でも有名で、フレンドリーで開けっぴろげ、一般的にとても親日的です。町の人が私達に気さくに話しかけてくることに驚いてしまうかもしれません。他の都市出身のイタリア人もローマっ子の気質のオープンさにびっくりしてしまう程です。

最後にもう一つ、特筆すべきことは、ローマは首都なので何かトラブルにあった時など手続き関係に必要な官公庁の事務所から、物質的なものまで何でも揃っているので処理が早く済み安心です。大病院もたくさんあります。

安全な日本ではないからとか、治安やトラブルが怖いからといって、ローマを思う存分楽しまないなんて、人生の中における一つの損だとすら思います。世界は広いのです。

ここは日本ではないんだぞとしっかり意識して、注意を払えば何も怖いことはありません。

永遠の都 ローマ、どうして皆から"永遠の都"と呼ばれ、何千年の間も旅行者を再訪させ、魅了し続けるのかを感じてみて下さい。きっとその訳が分かるはずです!

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7月のお題 "旅行する前に知っておいた方が良いこと" 。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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