第19回 ラトヴィアで通じる言葉は?

公開日 : 2019年08月10日
最終更新 :
筆者 : RIGAKO

 日本ではまだまだラトヴィアの知名度が低いので、「ラトヴィアって、何語が通じるの?」とよく聞かれます。ラトヴィアの公用語は「ラトヴィア語」ですが、首都リーガでは英語やロシア語もよく通じます。今回はラトヴィアの言語事情について少しご紹介します。

+++++

公用語はラトヴィア語

+++++

 ラトヴィアの公用語はラトヴィア語、国内で最も広く通じる言語です。ラトヴィア語はインドヨーロッパ語族のバルト語派に属しますが、同じ語派の仲間は隣国のリトアニア語のみ。両言語でもほとんど意思の疎通はできません。

 ラトヴィア語の文字は「ģimene(=family)」、「mājas(=home)」など、ヒゲのついた文字や長音記号があるのが特徴的です。下の写真はリーガ市内のお土産屋さんで見つけたサインボードです。いろいろな字体で書かれていますが、どれもオシャレだと思いませんか?

01 Latvia sign board.jpg

+++++

リーガ市内では英語もロシア語も通じる

+++++

 ラトヴィア人は語学に堪能。ある調査によると、ラトヴィア住民のうち1つ以上の外国語で会話ができる人の割合はなんと95%!EU諸国の中で2番目に高い割合だそうです。

 若い世代では英語、年配世代ではロシア語が広く通じます。また、リーガに限ると実はラトヴィア語よりロシア語を使っている世帯の方が多いです。カフェやレストランの店員さんでも、ラトヴィア語・英語・ロシア語の3か国語を話せる方がたくさんいます。

 観光客が多く訪れるような場所の看板やメニューは英語で表記してある場合もあります。例えば、リーガ中央市場のグルメ館。スープ専門店の看板には英単語が並んでいます。

03 Latvia sign board.jpg

+++++

ドイツ語、ラテン語が使われていた時代も...

+++++

 リーガの歴史は今から約800年前の1201年、十字軍兵士を引き連れたドイツの司教アルベルトが、この地域に住んでいた異教徒・リーヴ人を征服したことに始まります。

 ラトヴィアの文化はドイツをはじめとするヨーロッパの大国の影響をもろに受けており、言語もその例外ではありません。ラトヴィア語自体は13世紀以前から存在していましたが文字はなかったので、ドイツ語やラテン語を使って文書を書いたり読んだりしていました。初めてラトヴィア語の新聞が発行されたのは1632年。さらに、キリスト教が十分普及していたのに、旧約聖書・新約聖書がラトヴィア語に翻訳されたのも17世紀後半だったそうです。

 下の写真はリーガ旧市街のホテルに描かれている、14世紀のリーガの地図を再現したものです。ところどころにドイツ語・ラテン語の単語を読み取れます。

04 Latvia sign board.jpg

ラトヴィア人の国民性

+++++

 ラトヴィア語話者は国内外を合わせても約200万人しかいませんが、「ダイナ」と呼ばれる詩(フォークソング)を通じた伝承文化と、「歌う国民」と呼ばれるほど歌好きのラトヴィア人の国民性が、ラトヴィア語を守り続ける役割を果たしてきたように感じます。

 ラトヴィアにいらした際は、是非ラトヴィア語の響きや文字にも注目してみてください。そして、もしラトヴィア語を少しでも学ぶ機会があれば、旅行中に使ってみてください。覚えたての単語を並べるだけでもラトヴィア人はきっと喜んでくれますよ。

02 Latvia sign board.jpg

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。