「夏」が始まりました
少し前のことですが、4月21日は今年の「夏の始まりの日」でした。英語ではFirst Day of Summerと言われ、この日は祝日です。
固定の祝日ではなく、毎年変わるイースターとともにこの祝日も変わります。
まだセーターを脱げないくらい寒い気温ですが、なぜ「夏」を祝うのでしょうか? アイスランドでは昔は季節はふたつしか無かったと言います。雪が降って寒い冬、そして雪がとけ暖かさを感じる夏です。
四季がある日本では考えにくいですが、確かにアイスランドの季節は、もう少しゆっくりと進んで行きます。年間の気温差も20℃ほどしかなく、なんとなーく、毎日が同じような天気の日が長く続きます。衣替えもしませんし、夏と冬しかない、というのも決してわからなくはありません。
レイキャビクでは、この日パレードが行われたりちょっとした式典があったりしますが、アイスランド各地でも夏を祝う行事が行われます。
今回はレイキャビクから車で40分ほどの町、クヴェラゲルジ(Hveragerdi)へ行ってきました。この町は地熱活動が盛んで、町のあちこちから蒸気が噴出しているユニークな町です。
その熱を利用してグリーンハウスが多くあるほか、アイスランドの農業大学もあります。
この農業大学では毎年「夏の始まりの日」に施設を開放し、温室や敷地を自由に見学できるようになっています。
規模は小さいですが、アイスランドのちょっと変わった特産物!?がたくさん見られる面白い場所です。
アイスランドxバナナ
「アイスランドはヨーロッパ一のバナナ輸出国」というのは、ガイドさんたちから聞くこともあるかもしれません。厳密に事実かは分かりませんが、アイスランドの農業大学にはバナナの木が沢山あります!
温室で育てられた木は立派に身をつけています。その他にもアボカドやイチジクなど、南国のフルーツも収穫できます。リンゴさえも寒くて栽培が難しいというアイスランドですが、地熱を上手に利用した温室で様々な野菜や果物が育てられています。
アイスランドxコーヒー
この温室にはコーヒーの木もあり、毎年少量ながらコーヒー豆を収穫することができ、この日には「アイスランド産コーヒー」が販売されます。40gで1000円を超える価格でしたが、やっぱり試さないと!
しっかりとした味わいで、美味しかったです。アイスランド人はコーヒーが大好きですが、もちろん豆は全て輸入しています。いつの日か「アイスランド産コーヒー」ももう少し手軽に飲める日が来るといいですね!
アイスランドxいろいろな野菜や果物
もともとアイスランドの土壌は痩せており(溶岩ですから)また、寒いという気候もあり、農業は非常に限られたものでした。昔はサラダなどは手に入らなかったといいます。サラダ=草=羊の食べるもの、だと思っている年配の方もいるようです。
しかし温室の出現によって、アイスランドの野菜事情は大きく変わりました。今ではキュウリ、トマト、パプリカ、イチゴ、諸々のサラダ用の葉物が一年を通して栽培されています。
日本とは季節感の違うアイスランド。季節の感じ方が違えば、季節の楽しみ方や過ごし方も違います。下の写真の鳥、ロゥア(Lóa)という鳥は夏を呼ぶ鳥と言われています。渡り鳥も多く見られるアイスランドでは、野鳥を観察しながら季節を感じるのもいいのではないでしょうか。
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