【カルナック】謎に満ちた先史時代の巨石群メンヒル:ケルマリオ列石(Kermario)

公開日 : 2019年06月19日
最終更新 :
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レンヌから車で1時間30分ほどの所にある、謎に包まれたカルナック(Carnac)という街を訪れました!この街はメンヒル(Menhir)と呼ばれる巨石記念物が有名で、ヨーロッパ中から多くの観光客が訪れます。メンヒルとはブルトン語で「長い石」を意味する単語に基づいているとされ、中には全長20メートルを超えるような巨石もあるそうです。

◇ブルターニュ地方最大の巨石群カルナック列石

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ブルターニュ地方に広く点在するメンヒルの中でも、最大規模を誇るのがカルナック列石です。総延長は4kmに及ぶとされ、西からメネク列石、ケルマリオ列石、ケルレスカン列石の3カ所から構成されています。今回は中央に位置するケルマリオ列石を見ることが出来ました。

◇カルナック列石を上から見渡せるオススメスポット

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敷地内に入ることは出来ませんが、石の周囲を取り囲むように散歩道が整備されていて、規則的に並ぶ摩訶不思議な巨石群を見ることが出来ます。道の途中に古い塔のようなものが残されていて、上に登ると途方もなく続く列石の全体を見渡すことが出来ます。

◇軍隊?巨人?メンヒルの謎

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何故このような巨石が無数に並べられたのかというのは未だ謎に包まれているようで、フランスでは「魔法にかけられて石の姿にされた軍隊だ!」だとか「かつて巨人族が住んでいた証拠だ!」など様々な憶測を呼んでいます。散歩道に置かれたパネルでは、カルナック列石の保護活動について真剣に学ぶことが出来るのですが、実は太古に「ディズニーランド」ならぬ「メンヒーランド」があったのではという図解が面白かったです。笑

◇もう一つの巨石記念物:ドルメン

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ブルターニュ地方には、メンヒル(立石)の他にドルメン(Dolmen)と呼ばれる巨石記念物も数多く点在しています。写真は私たちが訪れたケルマリオ列石のもので、巨大な岩を並べて壁として用いてその上に板状の巨石をテーブルのように乗せて作られています。見た目の通りブルターニュ語の「石の机」を意味する単語が語源になっています。こちらも諸説あるそうですが、中央に大きな空間が出来るのが特徴で当時の有力者の墓として建てられたのではないかという説が有力となっています。

ブルターニュの巨石群メンヒル、いかがでしたでしょうか?謎のままであるということが知的好奇心を刺激する興味深いスポットだと思います。皆様はこの不思議な巨石群がなぜ・どのような目的で作られたと思いますか?

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それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

〈文・写真:高津竜之介〉

■今回紹介した場所

・スポット名:ケルマリオ列石(Kermario)

・住所:Alignements de Kermario 56340 CARNAC

・アクセス:レンヌから車で1時間50分程度

・参考URL:https://www.ot-carnac.fr/

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

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