【フランス・レンヌ】聖母マリアが見護るサン・ムレーヌ教会

公開日 : 2019年04月28日
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レンヌ市民の憩いの場、タボール公園の横で威厳溢れる姿で佇んでいるのがノートルダム・サン・ムレーヌ大修道院付属教会です。2013年に国の重要文化財(Monuments Historiques)に登録されたこともあり、フランスを代表する歴史的建築物として知られています。

6世紀に教会を建てたムレーヌ司教の名に由来

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最も原初的な教会は、505年よりレンヌの地でカトリック司教を務めていたムレーヌ司教によって建てられました。7世紀および10世紀の2度の焼失・再建を繰り返し、11世紀に建築された教会が現存する最も古い基盤となっています。11世紀以降も数多くの増改修を経て、19世紀に現在の姿に至りました。そのため、ロマネスク様式、ゴシック様式、クラシカル様式やネオ・クラシカル様式といった様々な時代の建築スタイルが共存しているのが特徴です。

19世紀には司教座が置かれるなど宗教的にも重要な場所

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レンヌのサン・ピエール大聖堂が18世紀終わりに建物を取り壊し、新しく建て直すことを決めた後の1803年から1844年の間は、臨時司教座聖堂(Pro-cathédrale)として用いられるなどカトリック教徒にとって非常に重要な役割を演じました。その間、聖ピエールの名を冠していましたが、サン・ピエール大聖堂の完成と共に再び小教区教会へと戻り、教会は聖マリア(ノートルダム)の名で呼ばれるようになりました。

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15世紀のフレスコ画などが見どころ

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サン・ムレーヌ教会内部の細かな装飾も圧巻ですが、なかでも南側交差廊の壁に描かれた15世紀のフレスコ画は必見です。一部しか残されていないところが残念ではありますが、イエス・キリストの洗礼の一場面がモチーフになっているのが窺えます。その他にも、レンヌ近郊の街フージェール出身の画家アンドレ・メリエル=ビュシー(André Mériel-Bussy)が1947年に手掛けたフレスコ画や、1879年製のパイプオルガンなど見どころ豊富です。

塔の上からレンヌの街を見護る聖母マリア像

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空高くそびえる教会の鐘楼の上からは、幼いイエス・キリストを抱える聖母マリアの像がレンヌの街を見護っています。19世紀レンヌで活躍した建築家ジュール・メレ(Jules Mellet)が手掛けたクラシカル様式の半球形の丸屋根の塔が特徴的です。天気の良い日にはタボール公園を一周して、角度によって異なる表情を見せる教会の外観を楽しむのも良いかもしれません。

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それでは、次回もとっておきの地元情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。

〈文・写真:高津竜之介〉

筆者

フランス特派員

高津 竜之介

NPO法人「日本で最も美しい村」連合在フランス研究員。レンヌ第2大学言語学部非常勤講師。現在は同大学人文社会学研究科において「世界の最も美しい村の比較研究」をテーマに博士課程在籍中。

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