ビール純粋令の506周年祭

公開日 : 2022年04月24日
最終更新 :

レーゲンスブルクで、毎年4月23日にお祝いされるビール純粋令の記念日。

「ビール純粋令」というのは聞き慣れない言葉かもしれないですが、バイエルン州で1516年に発令された、ビールの質を向上し、小麦やライ麦の使用制限を目的とした法律で、「ビールは大麦、ホップ、水、酵母のみを原料とすべし」というものです。

そして、このビール純粋令は、いま現在でも頑なに守られているものです。まさに、現在でも有効な食品に関連する法律としては「世界最古」とされています。

IMG_9390.jpeg

レーゲンスブルクでは、毎年4月23日前後(?)の土曜日に盛大にお祝いされるのですが、コロナ禍で過去2回は開催することができず、今年2022年に待ちに待った開催となりました。

例年通り、レーゲンスブルク市および近郊の7つの醸造所(Bischofhof、Spital、Eichhofner、Goss、Schierling、Prösslbräu、Kneitinger)が参加しています。10時から22時までハイド広場で行われました。

10時半から式典のような感じで、ビール醸造所の代表の方が挨拶をされました。

「コロナ前は、今後の世の中の動きがパソコンに頼り、オンラインでのコミュニケーションが増えると思っていたところ、コロナを経験したいま、やはり人と人の対面でのコミュニケーションがいかに大切かを実感した。そして、その対面でのコミュニケーションに欠かせないのはビールである」という発言がありました。ほほう、なかなかいいことを言うな、このおじさんと思いながら私も聞いていました。地元のメディアの人が、メモ書きをしたり、写真を撮ったり、忙しそうです。

それにしても、バイエルンの民族衣装はなかなか様になりますね。皮のズボンもそうですが、ヤンカーといわれるジャケットも、ジーンズと合わせてもちゃんとした正装になるのがすごい。

IMG_9403.jpeg

皮のズボン(レーダーホーゼ)というのは、普通に買うと、1本安くても2万円くらいとですが、高い皮だと鹿の皮でできた半ズボンタイプの皮ズボンなど、10万円とか15万円とかしてもおかしくない品物です。そういうものは、代々家族に引き継がれるのですが、たくさんビールを飲んでお腹周りが成長しても微調整が利くようなつくりになっているのが、バイエルン人の賢いところです。

さあ、挨拶がひと通り終わると、今度はふたつの樽が開けられる(水道の蛇口のようなものが取り付けられる)のですが、どきどきして見守りました。ビールが飛ぶから、洋服が気になりますよね。こういうときはあまり高い洋服を着ない方がいいのでしょうが、それなりに人前で話したり、カメラが向けられていたりするから、あまり変な格好もできません。(あ、もちろん私には関係ないですが)

IMG_9416.jpeg

そして、代表者のジョッキにビールが注がれます。

ステージにいる、バイエルン、ボヘミアの音楽を奏でる音楽グループは、このとき立ち上がって、オクトーバーフェストでもおなじみの「乾杯」の曲を演奏しました。

IMG_9426.jpeg

乾杯の曲といっても、「♪固い絆に〜、想いを寄せて〜♪」ではなくて、ドイツ語でのタイトルは、ein prosit der gemütlichkeitです。この歌に合わせて人々が乾杯をしてはガブガブビールを飲むことになり、ビールの売り上げがあがるという仕組みの、なんともバイエルン的な考えの音楽です。オクトーバーフェストのみならず、あらゆる市民祭などでもよく聞きます。

そして、この音楽隊はバイエルン音楽をたくさん演奏してくれましたが、バイエルンの曲って、なかなかいい曲が多いんですよね。私自身もバイエルン音楽を演奏するので、こういうイベントでは、知っている曲もよく耳にします。トランペット(普通はフリューゲルホルン)やクラリネットがメロディーを吹きます。トロンボーンなどの低音楽器はちょっと単調でつまらない感じも否めません。チューバは、ウンパ、ウンパ、ウンパ、ウンパ、というイメージですが、後半の「トリオ」と呼ばれる部位の出だしで、ときどきとってもかっこいい短い目立つ部分があったりします。音楽隊もビールジョッキを足元に置いて、飲みながら演奏するのが普通です。

そして、メディア向けの記念写真撮影。

IMG_9435.jpeg

その後は、ご自由に皆さんお飲みください!とのこと。

IMG_9443.jpeg

食事を購入できるような屋台もたくさん出ていますし、ビールも500mlが€4で購入できます。ここでいったんビールを飲み干していれば、この樽から自由におかわりができるという仕組みのようです。

実は私はこのイベント今回初めて出かけたのですが、今年は一日中曇りで、最高気温が17度程度とちょっとイマイチ。

私は「取材」のためにひとりで出かけたので、ビールを飲まずに帰りましたが、来年はプライベートでゆっくり楽しみたいなと思いました。

IMG_9391.jpeg

↑ビショーフホーフ(醸造所)の敷地内に積まれているビールなど

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。