カトリックの祝日、聖体の祝日(Fronleichnam)
今日6月3日は、カトリックの祝日です。
ドイツ全土でというわけではなく、州によってまたは都市によって、カトリックが大半であるところの祝日のようです。
今日は、カトリック信者ではない私の目に映る「カトリックに絡んだお話」を少し書いてみようと思います(情報には間違いも含まれるかもしれませんが、ご了承ください。またお気づきの点がありましたら、コメント欄にぜひご指摘ください)。
ドイツ語では、この日「フロンライヒナム」、日本語では聖体の祝日と言われるものですが、聖霊降臨(せいれいこうりん)、つまりプフィングステンのあとの木曜日。
2週間あるプフィングステン休暇の途中にあるのですが、カトリックの教会行事では、行進をしながら用意されたいくつもの祭壇を移動し、盛大にお祝いされます。その際は、地元の消防団が大きな旗のようなものをいくつも持って引率します。
参列者は、色とりどりの春らしい服やバイエルンの民族衣装で着飾り、暑すぎるくらいの気候のなか、2~3時間くらい外に立ちっぱなしというのが通常です。
いくつかある教会行事の中でも最も大切なもののひとつであることは間違いないです。
昨年はコロナのため、大きく祝うことはありませんでしたが、今年は行進はないものの野外で盛大にミサが行われました。
写真中央に祭壇が用意され、その手前には花びらなどで作った美しい絵が。この花びらはここは地元の教会すぐそばにある公園ですが、野外で行われる教会行事の多くが執り行われる場所でもあります。
普通のミサが1時間程度であるのに対し今日は1時間半ちょっとかかりましたが、行進しないぶん早く終わりました。本来この行事の締めくくりは、教会主催で焼きソーセージが昼食に振る舞われますが、コロナのためこれは割愛されました。
聖体の祝日には、焼きソーセージを食べるのが慣わしです。これはドイツ全土またはドイツのカトリックの町すべてというわけではなく、地域的なもののようです。レーゲンスブルクと同じ、バイエルン州オーバープファルツ県のヴァイデン(Weiden)出身の人と話していてわかったのですが、そこでは焼きソーセージをこの日に食べる週間はないのだそうです。
ちなみに今日は祝日なので焼きソーセージは買えませんから、昨日焼きソーセージを買いにお肉屋さんに行きました。焼きソーセージといっても焼くのは自分であり、生の状態、または軽くゆでてある状態で売られています。これらはドイツ人が大好きなBBQで焼くのが一番おいしいのですが、買ってもそのままとりあえず冷凍しておけば、ちょっとしたときに便利ですし、ゆでたりスープに入れたりして食べる方法もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
ここしばらくやっと暖かくなり晴天が続くうえ、13時半を過ぎていたから(時間的に遅かったから)か、お目当ての種類の焼きソーセージは売り切れ。みんな考えることは同じなのですね。
カントル(教会音楽家、Kantor)と呼ばれる人が、今日はたくさん歌を歌いました。
牧師さんも歌を歌いましたが、教会の儀式は役割分担がしっかりしていて、整然としていて気持ちよく式が進行します。牧師さん、またはこのカントルが歌を歌う、というよりは聖書の一節を歌い上げるという感じでそれに続き、群衆も歌います。同席している私たち金管音楽グループの中には、レーゲンスブルクの有名な少年合唱団(大聖堂のスズメたち)の卒業生もいますし、教会のコーラスで歌っている人もいます。そんな人たちも一緒に大きな声で歌うので、音楽的でとても美しいです。
教会音楽は、アカペラでみんなが歌うこともあれば、パイプオルガンの演奏があったり、金管楽器が最低4本程度で演奏することもあります。初めてミサでトランペットを吹かせてもらったときは、私にとっては非常に衝撃的でした。演奏に合わせて歌を歌うために、息継ぎのための変な空間があるのです。つまり、例えば4分の4拍子の曲なのに、いつも1234、1234と拍を数えずに、決められた場所で半拍程度の静止状態があったりするのです。それに慣れていない私には非常に気持ちが悪いものでした。
また音楽演奏の機会を通じて、教会を陰で支える人たちと少なからずも交流があったりします。
外国人でありかつ異教徒である私ですが、こうやって大きな教会行事を一緒に体験させてもらうことにより、ドイツ人の風習などが見えてくることもあり、私は貴重な体験を知らず知らずのうちにさせてもらっています。そんな私の体験から、少し書かせていただきました。
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