世界でもっとも盛大に行われる、アルコール度数の高いビールのお祭りが2020年の今年は中止に!

公開日 : 2020年04月04日
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アルコール度数の高いビールをドイツ語ではStarkbier(シュタークビア、直訳 : 強いビール)と呼びます。

アルコール度数が6.5%以上のビールのことを指すのですが、このビールのお祭り、Palmartoranstich(パルマートアー・アンシュティッヒ)で飲まれるビールのアルコール度数は7.4%。

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(↑写真は、瓶に入って酒屋さんで売っているパルマートアーという期間限定発売のビールです)

【1】お祭りそのものについて

このお祭りがあるのは、レーゲンスブルクから北西に5kmほど行った昔のベネディクト会の修道会があったAdlersberg(アドラースベルク)です。ここには、ビアガーデンとビールの醸造所Prösslbräu(プリュッセルブロイ)があるのですが、イースターの日曜日の1週間前、パルムソンタークと呼ばれる日にこのお祭りが開催されます。今年2020年は4月5日に当たりますが、新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止になりました(来年2021年は3月21日です)。

パルマートアー・アンシュティッヒのお祭りの記録としては、2017年20度の春のうららかな天気の日。推定1万3000人もの人が訪れ、150ヘクトリッター、つまり1万5000Lのビールが消費された、ということです。

ビールのお祭りといえば、やはりミュンヘンのオクトーバーフェストですが、2019年の1日あたりのビール消費量を計算してみたところ、およそ45万6000L(16日間の開催で7.3百万L)。こんな田舎町でそのミュンヘンの30分の1の量が消費されたことになります。

ちなみに、2017年のお祭りでは、30人が救急車で運ばれたほか、9人が病院へ行ったそうです。その凄まじさを、なんとなくご想像いただけるでしょうか。

【2】醸造所、およびビールについて

1838年醸造開始のビールの醸造所は、プリュッセルブロイ。使用するホップは、世界的に有名なハラタウ(ドイツ語の発音に忠実にはホレタウの方が近いとは思いますが)のもの。ハラタウは、レーゲンスブルクとミュンヘンの間に位置します。

モルツも地元のものを使っているそうです。そして、コンピューターなどの現代技術に頼らず、昔ながらのマイスターの感で製造することにこだわりを持っているようです。年間5000ヘクトリッターのパルマートアーを製造。

パルマートアーは、簡単にいえば、黒ビールのアルコール度数が高いもので、ドッペルボックという種類になります。黒ビールでは、レーゲンスブルクの西にある、ヴェルテンブルク修道院のものが有名ですが、それ同様に、モルツのまろやかさが際立つもの。飲みやすいですが、アルコール度数が非常に高いので要注意。黒ビール好きにはたまらない味です。

パルマートアーは期間限定発売のビールです。それ以外の時期に、ここアドラースベルクにいらっしゃる方、おいしいのは、パルマートアーだけではありません。気候がよくなり、新型コロナウイルスの影響が落ち着いたら、私もあらためてここのビアガーデンに出かけたいと思います。

【3】パルマートアーが飲みたい人のために

2020年の今年はお祭りがなくなったことから、樽詰でなくすべて瓶に詰めたとのこと。新型コロナウイルスの影響で、飲食店も一切営業ができない今日、ビール業界でも販売路線を見直す動きがあります。

今年は、このパルマートアーも酒屋さんなどで瓶ビールとして買い求めることになりそうです(そうでなくとも、毎年この時期には瓶ビールとして出回りますが)。わが家の近くの酒屋さんにもここ2週間くらい前から販売されています。

【基本情報】

・住所: Dominikanerinnenstraße 2-3, 93186 Adlersberg

・醸造所Webサイト: http://brauerei-adlersberg.com/

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