半自給自足の村の暮らしはいかが?小麦粉・夏野菜・ワイン・新鮮卵【イスカル】

公開日 : 2014年07月04日
最終更新 :
" src=

プレヴェンの北西、地図上で左上に位置するイスカル村(Искър)に行きました。南に同名の町がありますが、どちらも北のドナウ川に注ぐ支流イスカル川に沿っていています。朝7時のバスに乗ると通勤客が多いのかバス内は意外と混雑していました。イスカルへは古代都市ウルピア・エスクス(Улпия Ескус)が存在したギゲン村(Гиген)の次の終点のバス停で降ります。6月に所有地のひまわり畑を見に行ったところ、ほとんど咲いていませんでした。

" src=

ひまわり畑の隣では小麦が栽培されています。私はここで収穫された小麦粉を使って、ブルガリアのクレープパラチンカ(палачинка)を食べています。クレープというとおしゃれで高級なイメージですが実際は小麦粉、卵、牛乳を混ぜてフライパンで焼くだけなので簡単な材料でできてしまいます。卵はプレヴェンでも近くのスーパーで一個単位でバラで買えます。ただ卵パックではなくポリ袋に入れてもらうので注意が必要です。クレープ生地に塗るもので生クリームはスーパーで買いますが、ジャムはお手製です。ラズベリー、苺、プラム、なしなどそれぞれの果物を煮詰めて瓶詰めにしてたくさん保存してあります。

" src=

村の家にはぶどう棚がありたくさんのぶどうの房が実っていました。秋には熟したぶどうを収穫し家の1階でワインを作ったり、果実酒ラキヤ(アルコール度数はウォッカ並の40度以上)を作ります。

しかし!日本ではアルコール飲料作りは酒類製造免許が必要で、酒税法により原則禁止されています。

" src=

夏の日差しをしっかり浴びて収穫が楽しみです。

特派員DSC03564.jpg

ぶどうの横ではトマトやきゅうりといった夏野菜を育てているのでサラダもたくさん食べられます。ブルガリアのきゅうりは皮が厚いので皮むきでむいています。そして時には皮をむいたきゅうりを縦に半分に切って塩をかけて食べます。

" src=

手織りの敷物は風合いが素敵です。昔は村では女性たちが織物を織っていました。どれも作り手によって色の組み合わせや織り方が違って魅了されます。現在では織り機は民芸資料館などで展示されていて見ることができます。

" src=

家の前は馬車が通り過ぎていきました。

" src=

向かいの家の庭を見せてもらいました。ここでは木につながれた若い馬を飼っています。夏の夕日を浴びてロマンティックですね。

" src=

かつて馬車で引いた荷車が置かれています。しかし驚くことに他にも大きな古いバスの車両も庭先にあって倉庫として使われています。

" src=

家畜小屋です。干草は十分に確保してあります。

" src=

庭は猫の鳴き声がすると思ったら、別の鳴き声がにぎやかに鶏のほうから聞こえます。ここの家の現在プレヴェンに住む息子さんは、やはりここにいた時には卵たくさん食べたと言っていました。

特派員DSC03523.jpg

この向かいの家のパスカおばあさんがうちまで卵を届けてくれました。このおばあさんはスカーフからブラウスやエプロンまで全部花柄で、なんてかわいいのだろうと思い一目ぼれしました。このあとこのおばあさんは私と会えたことに喜び私の左腕をさすり始めました。

自給自足がしたい人には夢のような暮らしが営まれていますが、村の家は昔ながらの作りでトイレ、シャワーの設備がないもしくは、使い勝手が悪い家が多く、トイレはレンガやコンクリートで固めた壁とコンクリートの床の中央に穴の開いた手作りの小屋だったり、水浴びはたらいで体を洗い流したり、普通にシャワーがある家もあると思いますが、家族たちの村の家には風呂がありません。

ところで町にも家があって村にも家があるというと贅沢に聞こえていいなと思いますが、多くの人が休暇用の家を持っていて、平日と休日の過ごす場所を分けています。例えば自分の両親それぞれ出身の村の家があって、親は亡くなったけどどちらの家も夏休暇用に使っているとのことでした。自分の家がたくさんある、これは羨ましいです。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。