見えないものの大切さを教えてくれる、Musée de Cluny クリュニー中世博物館
Bonjour こんにちは!
5区にある中世博物館をご存知でしょうか。
このたび2015年から行われていた改装工事がようやく終わりました。1200年に建てられた由緒ある建物で、パリには珍しく、遺跡が残っています。
こちらの博物館では中世から残る遺跡や文化財を見ることができます。
▲ローマ時代の浴場。今もなお、プールや浴室などの施設が残っています。
こちらには11世紀頃の建築彫刻が集められています。
またフランス各地の教会の修繕前のステンドグラスや、彫像、ヨーロッパ各地の中世美術が見られます。
礼拝堂の装飾もそのまま残っています。
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そして、この美術館で最も注目を集めるのが、6枚綴りのタペストリーです。
貴婦人と一角獣、と題名がついています。
貴族と思しき高貴な女性と、一角獣ユニコーン、そして動物たちが織り込まれています。
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この6枚のタペストリー、実はずっと謎に包まれたままだったのです。
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というのも、うち5枚は五感を表していると研究の結果、解明されていました。
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貴婦人が動物たちに餌をやっている風景は味覚を、姿見を持つ姿は視覚を、楽器を奏でるさまはは聴覚、花輪を編む様子は嗅覚を、ユニコーンの角に触れている姿は触覚を。それぞれ五感を表しています。
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まるで絵本のようですね。
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では6枚目はなんでしょう? 貴婦人が美しい箱から首飾りを取り出しているところです。
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これは、気持ちを表していると言われています。
気持ちがそのほか5つの感覚すべてを司ると、表現されていたのです。
6枚目のタペストリーは、あなたの心が求めるもの、それがなによりも大切だよと伝えてくれています。
そして、この6枚のタペストリーが伝えるもうひとつが想像力。
貴婦人が従えているのは一角獣、ユニコーン。ほかの動物たち同様、とても自然に寄り添っています。
この世界には見てふれることのできない、理屈で理解できないものも存在しています。
理屈と直感
論理と想像
理屈と気持ち
その象徴として描かれた一角獣なのです。
中世フランスにはこんな素敵な考えが存在していたのですね。
多国籍文化のパリで生活していると、今まで考えたことのなかったことにも出くわします。
相手が何を考えているのか、決めつけてかかるのではなく想像することはとても大切です。
想像力は、空想だけでなく実生活でもとても大切だと、このユニコーンに教えてもらえた気がしました。
とくべつ大きな博物館ではありませんが、ぜひこのユニコーンに会いに行ってみてください。
■Le misée de Cluny 中世博物館
・住所: 28, rue du Sommerard 75005
・開館情報: 火曜〜日曜 9:30〜18:15
・休館日: 月曜
・料金: 大人 €12、割引€10、18歳以下と26歳以下のヨーロッパ圏の学生は無料
館内にカフェがあり、軽食やデザート、飲み物がいただけます。
※毎月第一日曜日には無料で見学することができます。
また改装工事により館内の完全バリアフリーが実現しました。車椅子、ベビーカーでも問題なく訪問できます。
それではまた、à bientôt!
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画像はすべて許可を得て掲載しております。
筆者
フランス特派員
HIROMI
2018年より在仏。フランスにて妊娠、出産を経て現在子育て中。
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