フランス新型コロナウイルス対策【2020年12月現在の様子】

公開日 : 2020年12月11日
最終更新 :
筆者 : HIROMI

Bonjour こんにちは!

2020年12月3日夜、カステックス首相ほか関係閣僚が記者会見を行い、新型コロナウイルス用ワクチンの接種などについて発表しました。

◆12月10日発表の情報を追記しております。

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下記、その内容および現在のパリの様子をお伝えいたします。

1. 感染状況

●フランス

感染状況は徐々に改善。1日あたりの平均感染者数はまもなく1万人を下回ると予測。12月2日時点で、3488人が蘇生病床に入院中。

新規感染者数は1万2000人。

→ この24時間(9日より10日にかけて)は新規感染者数が1万4000人となっています。

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・PCR検査実施人数累計 2020万1 270人。これは日本の累計の約6倍です。

・陽性者数累計 202万4668 人(10.0 %)

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◆ まだ第2波の終わりに到達しておらず、12月15日に1日の新規感染者数5000人という目標に達しないとみられます。

◯比較情報日本

2020年11月現在1日あたり2400人程度の増加。

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・PCR検査実施人数累計 330万300 人(フランスのおよそ6分の1)

・陽性者数累計 15万2332 人(4.6%)

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2. 今後の措置

●状況の改善が継続すれば、12月15日以降、外出禁止措置を終了の予定でしたが、夜20時~朝6時に夜間外出禁止令が適用されることとなります。

●夜間外出禁止時間中の移動は、職場と自宅間の移動、健康上の理由、子供の世話や介護などの家族に関する理由、公益上の理由、ペットの散歩などの限られた理由のみ

●新たな形式の証明書を紙または電子媒体で携行する必要があります

●20時以降の運動も禁止。

●人混みが発生し、マスク常時着用などの予防措置が確保できないなどリスクの高い施設は引き続き閉鎖。

→劇場・映画館の再開は2021年1月7日以降の見通しです。

●引き続き、感染予防措置の徹底が重要。

→パリ市内の公共の水道(公園内など)には石鹸も備えつけられるなど、手洗い習慣の強化を呼びかけています。

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◆年末年始の休暇について◆

12月24日の夜のみ、夜間外出禁止令の例外となります。

注)12月31日の夜は引き続き外出禁止です。

地方間の移動は解禁されます。

夜間外出禁止の趣旨は明確であり、日中に移動することを推奨するが、春の外出規制時と同様に、チケットがあれば、乗り換えを理由とした20時以降の飛行機や電車による移動は認められます。

また、治安部隊に対して証明書により示すことが可能であり、かつ目的地まであと十数キロといった場合であれば、その目的地までの移動も認められます。

なお、家族の集まりであっても1テーブルあたり6名(子供を除く)の着席を推奨。

症状がなく陰性であったとしても感染していないとは言い切れず、陰性証明をもって大勢で集まることは適切ではないと言えます。

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●経済支援について

企業や被雇用者に対する支援を強化しており、早期に支援が受けられるようにしています。

すでに37万2000の企業に対し、総額約20億ユーロが送金されています。

ホテルなどで働いている人にも給与補償がなされており、毎月振り込みがなされているそうです。

3. ワクチン

●ワクチンは義務ではないが、積極的な接種を奨励。

●12月29日までに、欧州医薬品庁がファイザー社製とモデルナ社製の新型コロナウイルス用ワクチンの市販許可について決定する見込み。

そのあと、高等保健機構(HAS)による意見を踏まえ、フランスでのワクチン接種が可能となる。

●ワクチンの価格と提供時期はすべてのEU加盟国で同一で、各国の人口に比例して配分(フランスは全体の15%)。

フランスは、念のための余剰分を含め、ワクチン2億回分(ひとりあたり2回接種するため、1億人分用)を確保する。

●ワクチンの接種は、高等保健機構(HAS)の勧告に沿って、以下の3段階で行われる。

(1)ステップ1(1月~2月頃):要介護高齢者施設(EHPAD)などの入居者や、その職員(65歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約100万人)(ファイザー社製ワクチン)

(2)ステップ2(3月~春頃):そのほかの高齢者やそのほかの専門職(50歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約1400万人)(+モデルナ社・アストラゼネカ社等製ワクチン)

(3)ステップ3(春頃~):そのほかの者(+サノフィ社製ワクチン)

●ワクチン接種は安全性、透明性、近接性(かかりつけ医の役割など)を重視して行う。

●ワクチン接種の目的は、死亡率と重症患者の減少、医療システムの保護、保健衛生上の安全の確保。

●ワクチンの接種は、義務ではなく、無料で高い安全性が保証される。

●フランスのワクチン確保の戦略は、欧州レベルでの連携による高い交渉力の確保。ワクチンの一部は仏国内で製造される。

●科学者、医療関係者、議員、市民などからなるワクチン戦略方針評議会を設置し、免疫学者のアラン・フィシェ(Alain Fischer)氏が議長を務める。同氏がワクチンキャンペーンを取り仕切る。

●ワクチンの接種は数ヵ月にわたって行われる。ワクチンは新型コロナウイルスの終焉を意味するものではなく、引き続き警戒を維持する必要あり。「検査、アラート、保護」の戦略は引き続き重要。

●ワクチンが重症化を防ぐことはできるが、いまのところ他者への感染を防ぐことはできないため、引き続き予防措置(gestes barrieres)の着実な実施が重要。ワクチン供給後もマスクの着用が推奨されるのはそのためです。

ワクチン接種を望まない人々による、ワクチン接種義務化反対運動も起こっています。署名運動なども始められています。

4. その他

●大規模検査キャンペーンを3つの都市で実施する。アプリケーション「TousAntiCovid」の機能の拡充、新型コロナ陽性患者・接触者の隔離のフォロー強化を行う。

●スキー場の閉鎖は、大勢の人の移動、(屋外での活動ではなく)閉ざされた空間での密集を避けることを目的とした予防措置。ドイツ、イタリア、アンドラ、スペイン、オーストリア、スイスなどの隣国でも類似の措置が実施されつつあります。

そんななか、11月29日には大規模なデモも行われ、レピュビュリックやバスティーユ広場周辺で自動車が燃やされるなど暴力的な運動も見られました。

土曜日はデモ活動が多い曜日ですので外出の際はお気をつけください。

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▲日が短くなり、17時からエッフェル塔のライトアップが始まっています。

以上、外務省たびレジより配信された情報、フランス政府の情報をもとにしております。

皆様どうぞご自愛くださいませ。

筆者

フランス特派員

HIROMI

2018年より在仏。フランスにて妊娠、出産を経て現在子育て中。

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