2020年6月15日よりパリ、通常生活へ!!

公開日 : 2020年06月15日
最終更新 :
筆者 : HIROMI

Bonjour こんにちは!

2020年6月14日の日曜日夜、マクロン大統領により新たな政府の方針が発表されました。

「我々は,仕事をしたり,アートを満喫したり,フランスにおいて完全に生活を再開できる(retrouver pleinement la France)」として通常生活の再開を宣言しました。

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以下、外務省配信のたびレジの情報も記載しております。

発表により、生活において変化があるのは下記のとおりです。

●マイヨット島とギアナを除く仏全土を緑ゾーンと認定。

これによりパリは全面的に通常生活へ戻ることとなります。

◯一方でこれまでの予防措置の継続も奨励。

依然メトロではマスクを着用しての乗車となります。

●12日に発表されたように国外への移動も許可されました。

●15日から欧州内の移動が可能。7月1日から欧州外への移動が一部可能。

→フランスは6月15日朝(0時00分)COVID19対策のために実施された欧州域内国境における移動制限(陸・空・海)の全てを解除

→6月15日以降,欧州(EU加盟国及びアンドラ,アイスランド,リヒテンシュタイン,モナコ,ノルウェー,サンマリノ,スイス,バチカン)から渡航する人々は,2020年3月18日より前と同様に,COVID19対策に関連するいかなる制限も受けずに仏領土に入国可能。

※ただし、相互主義により,スペイン及び英国との間の国境では制限が継続。

→→6月21日までスペインからの入国者はフランス到着後14日間の隔離の実施が要請される。

→→英国からの入国者は新たな決定がなされるまで,到着後の14日間の隔離の実施が要請される。

→7月1日以降,シェンゲン協定域外の国に関しては国境の段階的な開放が行われます。諸国の感染状況と、欧州レベルで確定されるモダリティにしたがって,段階的に行われます。

●15日よりイル・ド・フランス地域圏もカフェやレストランを再開。

ただし1メートル間隔での着席を求められます。

テーブルの間隔を空けることがレストランには義務付けられています。

一方で道路へのテラス席の設置や拡張も認められています。

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▲特別テラスゾーンを拡張するお店が多数!

●美術館など文化施設の再開。

ただし入場に注意も必要です。

6月15日

パレ・ド・トーキョー Le Palais de Tokyo

藤田嗣治Foujitaに焦点を当てたエクスポジションが開かれます。

見学者はマスクの着用、1mの対人距離を保つことを求められ、入口には抗菌ジェルが設置されています。

6月23日

オルセー美術館

ふたつのエクスポジションが同時に開催。

James Tissot(1836-1902) と Léopold Chauveau (1870-1940)について9月13日まで。

11歳以上はマスクの着用が義務、入口には抗菌ジェルを設置しています。

6月25日

エッフェル塔

ただし2階まで。大人はマスク着用が義務づけられています。

人数制限も設けられているため、ウェブサイトより予約必須です。

なお、階段でのみの見学となり、昇る際は東階段、下りる際は西階段からのみとなります。

●15日以降、保育園,小学校,中学校は通常の出席規則に基づ木、全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行う予定。

●15日以降,新たな段階(nouvelle etape)が始まるとして,3つの柱(1.フランス及び欧州の独立・再構築,2.仏国内の団結,3.権力と責任の新たな均衡化)に言及。

●マクロン大統領は7月に,新たな道程に関する詳細な説明を行うため演説を行う予定です。

2020年の夏はこれまでの夏とは異なるだろうとのことですが、通常生活への前進が踏み出されたのは確実といえます。

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▲凱旋門の見学も6月15日より再開です!

対人距離とマスクやジェルの使用が求められます。

演説の詳細は下記のとおりです。

●我々は感染症の動向を注視し,再発に備えて準備をしなければならない。ウイルスとの闘いは終了していないが自分はコロナとの闘いにおける最初の勝利を嬉しく思う。これはひとえに各自の努力によるものである。

●3月16日に外出移動制限措置を開始した際,我々は,経済よりも人々の健康を優先した。医療従事者及び国家運営のために尽力してくれた全ての人々に感謝する。

●4月13日に5月11日から同措置を解除すると発表した際,多くの非難もあった。他方,我々は解除に向けて準備し,経済は再開された。我々は上手く乗り越えた(nous avons bien fait)。

●明15日から,我々は弱者を守りながら経済再開を加速化させなければならない。コロナ危機に直面しても,我々は我々が講じた措置によって多くの命を救うことができ,想像力を働かせしっかりと対応することができた。我々はフランス国家を,そして我々が成し遂げたことに誇りを持つべきである。

●特定の物資を特定の国に依存するといった問題もあったし,地域的社会的不平等問題も顕わになり失敗もあったが,我々はこれらを教訓として新たな段階(une nouvelle etape)を開始しなければならない。

2 新たな段階

(1)第1の柱(フランス及び欧州の独立・再構築)

●我々の生活,フランスの,そして欧州の運命を支配する(la maitrise)ことこそが今後2年間の優先事項であり,今後10年間の指針(cap)である。我々は我々の独立を改めて見つけ出さなければならない。

●世界経済が停止する中,仏政府は,失業者支援や企業への補助金,最も被害を受けたセクターへの補助等を行い,そのために5000億ユーロを動員した。これは前代未聞であり,どの国がこのようなことをしただろうか。我々は税引き上げによって歳出を賄うことはない。我々は経済モデルを他国に依存しない持続可能なより強固なものとするために生産力を増加させ,経済再構築を行わなければならない。解雇するのではなく雇用を促進し,テクノロジー,データ,工業,農業分野への投資,エコロジー及び緑の投資を行わなければならない。社会構築のためには,医療分野への投資が不可欠であり,高齢者・貧者を支援し,若者の技術支援を行わなければならない。

●この再構築計画は,欧州の枠組みの中で行われる。自分は,メルケル首相とも協力し,仏独として他の欧州諸国に「自分(je)」ではなく「私達(nous)」として行動することを要請する。これはフランスが3年前からとっているイニシアティブである。

●欧州は独立しなければならない。中国,米国,そして世界の無秩序の中で,我々はより主権ある,強い欧州を構築しなければならない。自分はそれを7月の欧州理事会から訴えるであろう。

(2)第2の柱(仏国内の団結)

●新しい段階の第2の柱が,フランス独自の団結(unite)である。フランスが独立するためには,団結が不可欠である。宗教や出身地に関係なく,人種差別や宗教的差別なく,平等の機会がフランスにおいて与えられなければならない。しかし,それは彫像を取り外し我々の歴史や過去を否定することによって成し遂げられるものではない。

●フランスの安全と自由は「秩序」によって守られており,警察はそのためにいる。我々は警察の仕事を支持し感謝しなければならない。

(3)第3の柱(権力と責任の新たな均衡化)

●新しい段階の第3の柱として,自分は権力と責任の新たな均衡化を構築することを提唱する。政府や我々の行動の在り方を根本的に変えなければならない。

●地方自治体や市民,労働団体等によって,今次危機は効果的に対応することができた。彼らにより多くの信頼を置くべきである。

3 結語

●独立と再構築計画は,欧州と国際秩序の中で考えられなければならない。我々は今後新たな道を歩んでいかなければならない。

●上院議会や国民議会,経済評議会等に優先事項を提案するよう自分は要請した。自分は,最初の行動を起こすために,この新たな道の詳細について7月に(国民に)説明する予定である。

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▲エッフェル塔は6月25日より再開です(ウェブサイトにて要予約)

3月16日より3ヵ月に及んだ外出制限、現在パリには観光客の姿はほぼ見られません。

自由に外出も、移動もできないなかで、近隣住民の方と助け合うことでなんとか乗り越えることができました。

日本への直行便もなくなり、厳しい局面もありましたが、住民同士の絆を再確認することができた、貴重な時間であったとも思います。

今後、通常通りの生活に戻ったとしても、まるっきり今までどおりではないでしょう。

この危機で培われた Solidarité 連帯感を失わず、最後まで乗り越えていきたいですね。

それではまた、à bientôt!

筆者

フランス特派員

HIROMI

2018年より在仏。フランスにて妊娠、出産を経て現在子育て中。

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