日本帰国のPCR検査、MySOS事前申請、携帯品・別送品電子申告など「仏→日」最新入国手続き事情まとめ

公開日 : 2022年08月04日
最終更新 :
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日本入国(帰国)の際に必要な出国前72時間以内の検査証明書(陰性証明)の記入必須項目が、2022年6月10日から簡略化されています。簡略化後の日本入国時の流れを、最近導入された携帯品・別送品の電子申告と併せて実際に体験してみましたので、順に解説していきたいと思います。

陰性証明に記載が求められる項目と検査施設

まず陰性証明のどの部分が簡略化されたのでしょうか。特派員ブログの過去記事「帰国時の出国前PCR検査の記入項目が簡略化、パスポート情報、医療機関の印影など不要に【2022年6月10日〜】」にも詳細をまとめましたが、いままで必要だった「パスポート情報」「国籍」「性別」「結果判明日」「医療機関の住所」「医師名」「医療機関の印影」が削除されました。結果、以下の項目のみ求められます。

【記載必須項目】

- 氏名

- 生年月日

- 検査法

- 採取検体

- 検体採取日時

- 検査結果

- 医療機関名

- 交付年月日

日本の厚生労働省による検査証明書のフォーマットについては、以前は所定のフォーマットが強く推奨されていましたが、現在はそのような表現はなくなりました。ただし、上記の項目が日本語または英語で記載されている必要があります。

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陰性証明は、日本の厚生労働省が求める検査方法の検査を行っているラボまたは薬局で受け、取得します。パリおよび近郊の場合、どこで受ければ良いかは過去記事「フランスから帰国時のPCR検査どこでする?パリでの陰性証明取得の流れ」に、在フランス日本国大使館が公表しているリスト、およびそれ以外で私が試してみた施設をまとめました。

日本出発前までにしておいた方がいいこと

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▲パリ・シャルル・ド・ゴール空港で搭乗手続きに列を作る旅客

フランスから日本に行く場合は、出国前72時間以内の陰性証明が取得できれば、手続きの山場は越えたも同然ですが、日本出発前にやっておいた方がいいことが、出発前に「ファストトラック」と呼ばれるスマホのアプリ「MySOS」を使ったシステムから、事前に書類をオンライン提出する作業です。MySOSのダウンロード方法や使い方については、厚生労働省のサイトに詳しい説明があります。

主な手順は以下です。

【新型コロナ検疫の事前申請の流れ】

1. MySOSアプリをスマホにダウンロードする

2. アプリ内にて質問票と誓約書を入力する

3. ワクチン接種証明書をアップロードするなどして接種有無の確認

4. 出国前72時間以内の陰性証明をアップロード

5. 全ての項目が認証されて画面が「青」になったら事前登録完了

申請内容に不備がある場合は画面が「赤」になっています。その際は再登録します。審査が進行中であったり、「3」のワクチン接種有無の確認までで手続きが止まっている場合は画面が「黄」になっています。

事前申請と「青」の段階までの登録は必ずやらなければいけないものではありませんが、強く推奨されており、実際に日本入国後はとてもスムーズに入国検疫を通れますので、私も同様に強くおすすめします。

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▲2022年7月末の日本行きANA便の搭乗手続き待ちの際に、書類が揃っているかチェックされたときに渡された「確認済」と書かれたカード

2022年7月末に日本に戻った際は、以前は時間がかかっていた入国検疫が、この事前申請利用だと、羽田空港で飛行機を降りてから20分ほどで日本入国できました。

携帯品・別送品の電子申告

以前は紙への記入が必要だった「携帯品・別送品申告書」ですが、現在ではMySOSでの事前申請と同様に、携帯品・別送品をスマホ(アプリまたはウェブ)にて事前電子申告できます。もちろん従来の紙に記載する形でも問題ありません。

電子申請しておくと、到着時に空港内の荷物受取場(ターンテーブルに到着した荷物が回っているところ)にあるデジタル端末にQRコードをかざすことで、デジタル用の税関検査場電子申告ゲートを利用・通過できます。またMySOSと連帯させて入力したパスポート番号などを携帯品・別送品の電子申告に使うことができ、その場合だと一部項目を入力する手間が省けます。

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▲荷物受取場にある端末

携帯品・別送品申告携帯品・別送品申告の電子申告の電子申告については、税関のサイトに詳しい説明があります。実際の流れとしては以下です。

【携帯品・別送品申告の電子申告の流れ】

1. アプリまたはウェブから事前申告(MySOSと連帯させて入力も可能)

2. 空港に到着したら荷物受取場にある端末にQRコードをかざす

3. デジタル用の税関検査場電子申告ゲートを通過、顔認証でゲートが開く

申告書内容の変更は、登録後も可能ですし、空港到着後の荷物受取場にある端末でも修正できます。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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