ファストトラックを使ってのフランスから日本入国・帰国の詳細まとめ【2022年4月7日時点】

公開日 : 2022年04月12日
最終更新 :
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2022年3月より、フランスから日本入国する際の水際措置が緩和されています。新型コロナワクチンを3回接種している場合は、入国後の自宅等待機は免除。ワクチンを3回接種していない場合は、原則7日間の自宅等待機(ただし、入国後3日目以降に自主的に受けた検査の結果が陰性であれば、その後の自宅等待機の継続は求められず)になっています(過去記事「3回接種ならフランスから日本入国は自宅等待機が無し、未接種も施設待機が無しに【2022年3月3日〜】」)。

緩和後の流れを実際に体験してみました。

今回の入国時のポイント

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今回のフランス→日本入国前から、入国後までのポイントは以下です。

1. 出発72時間以内のPCR検査は引き続き必要

2. 入国書類の事前登録「ファストトラック」で入国検疫の時間短縮ができる

3. 日本入国後は公共交通機関が使え、ワクチン3回接種済だと自宅待機もない

4. ロシアのウクライナ侵攻により日仏を繋ぐフライトが制限されている

それでは順に見ていきましょう。

1. 出発72時間以内のPCR検査

水際対策は大幅緩和されましたが、以前から必須だったフライト出発72時間以内のPCR検査と、日本の厚生労働省が指定する有効な「出国前検査証明」フォーマットの提出は引き続き求められます。PCR検査時は検査施設で指定のフォーマットを事前に見せ、記入してもらえるか事前に聞いてから検査を受けましょう。大抵の場合は「結果が出たら書くので、翌日結果と一緒に持ってきてください」と言われるはずです。

在フランス日本国大使館のサイトには、このフォーマットに対応してくれることが確認されている検査機関の一覧が掲載されています。私の経験則だと、これ以外の機関でも、対応してくれるところは多いです。

以前は、PCR検査について予約対応をしていたところが多かったように思いますが、最近はPCR検査については予約なし、またあえて予約を取らず検査している施設が多くなった印象です。各検査機関のサイトなどに書かれていますので、併せて確認することをおすすめします。

今回の帰国については、私は予約なしで検査を受けました。フランスの健康保険証(Carte Vitale)を持っていない場合(持っていてもワクチン接種を3回していない場合)のPCR検査は有料(€44)です。

2. ファストトラックの登録方法

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検査結果を施設でフォーマットに記入してもらったら、検疫の入国前ウェブ手続「ファストトラック」に登録しましょう。ファストトラックとは、海外から日本へ入国する人に対して、空港検疫で実施している手続の一部を「MySOS」という名前の入国者健康居所確認アプリを用いて、日本入国前にウェブ上で済ませることができるシステムです。

必要なものは以下の4点です。

- MySOSがインストールされたスマートフォンなど

- パスポート番号

- ワクチン接種証明書(任意):日本政府が認めたもの

- 検査証明書

まず、日本の厚生労働省のサイトに記載されているファストトラックのQRコードを読み込むと、アカウント登録の画面になります。ここで「パスポート番号」「生年月日」「姓名(アルファベット)」を登録します。それが終わると「検疫手続事前登録」という項目がありますので、それをタップ。「登録手続」の欄で以下の以下の4項目を登録します。

- 質問票WEB

- 誓約書

- ワクチン接種証明書

- 出国前72時間以内の検査証明

「質問票WEB」では宿泊・待機場所の住所(自宅など)やフライトの座席番号などを登録します。座席番号がまだ確定していない場合は空欄にしておきます。

「ワクチン接種証明書」については、私の場合はフランスの新型コロナアプリ「TousAntiCovid」にて表示される、「姓名」「生年月日」「3回目の接種日」が記載された接種証明のQRコードをスクリーンショットで撮って、それをアップロードしました。

「出国前72時間以内の検査証明」は、検査施設で記入してもらった検査証明をスマホのカメラで撮影し、それをアップロードしました。

これらを全て提出すると「現在のステータス」が「審査中」に変わります。審査結果は時間帯にもよるかもしれませんが、数時間で連絡が来ます。無事通ると画面が緑色になります。搭乗便到着予定日時の16時間前までに申請していれば、入国までに審査は完了です。

申請内容に不備などがあると赤色のままですので再提出をします。書類が受理されたら、その時に渡されるQRコードをスクリーンショットで撮って保存しておきましょう。ワクチン接種証明書「無」で登録すると画面は黄色になります。その際は、到着時にMySOSと必要書類を見せます。

登録方法の詳細は厚生労働省のサイトにも詳しく書かれていますので併せてご覧ください。

3. 日本入国時の流れ

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無事ファストトラックの登録が終わったら、いよいよ出発当日です。すでに書類はオンラインで登録済ですが、書類は全て持参しましょう。出発空港でのチェックイン時や搭乗時に提示を求められることがあります。

飛行機が日本に到着したら、指示に従って空港内の通路を進みます。「ファストトラックで登録がお済みの方はQRコードを提示してください」などと言われますのでその指示に従います。そして唾液による検査を行い、陰性の結果が出れば何事もなく入国審査に進めます。

4月8日エールフランスのパリ・成田直行便を使い成田空港に入国した私の場合、飛行機の到着から入国して、全て手続きが終わり到着ロビーに出るまで2時間でした。ちなみに、この日はフライトが遅れていて、ニューカレドニアへの乗り継ぎ客の降機を優先させたため、日本入国の乗客は機内で少し待ちました。この待機時間がなければ、大体1時間半強くらいでしょうか。帰国毎に毎回手続きは改善されている印象ですが、以前と比べて随分とスムーズになりました。

記事冒頭で述べたように、2022年3月からフランスから日本入国する際の水際措置は緩和されています。新型コロナワクチンを3回接種している場合は、入国後の自宅等待機は免除。ワクチンを3回接種していない場合は、原則7日間の自宅等待機(ただし、入国後3日目以降に自主的に受けた検査の結果が陰性であれば、その後の自宅等待機の継続は求められず)です。空港から自宅などまでの公共交通機関も使えます。

4. 日仏間を繋ぐフライトについて

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以前と比べてフランスからの日本入国については随分楽になりましたが、ロシアのウクライナ侵攻によりロシア空域を通過できないため日仏間のフライト制限があります。日仏を直行便で繋いでいた航空3社の現状(2022年4月12日時点)は以下です。

エールフランス:成田または関空発着でパリを繋ぐ南回り直行便

JAL:羽田発着のロンドンまたはヘルシンキ乗り継ぎによるアラスカ上空経由便

ANA:羽田発着のブリュッセルまたはウィーン給油フランクフルト乗り継ぎによる南回り経由便

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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