パリのコルドンブルーで和食PRイベント開催、奈良開催のガストロノミーツーリズム世界フォーラム見据え

公開日 : 2021年12月31日
最終更新 :
8391.jpg

少し日にちが空いてしまったのですが、2021年12月6日にパリ市内にある料理専門学校「コルドンブルー」にて、和食と日本酒のプロモーションイベントが開かれたので行ってきました。同イベントは、コルドンブルーによる特定の数カ国を取り上げ紹介する「Voyage Culinaire(料理の旅)」という期間限定プログラムの一環として実施されるもの。このプログラムの最後の期間にあたる12月6日からの週が日本週間とされていました。

2022年6月には、食と観光の世界大会であるUNWTO(国連世界観光機関)ガストロノミーツーリズム世界フォーラムが、奈良県で開催される予定です。ガストロノミーツーリズムとは、「その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズム」のこと。現在日本政府は、あらゆる機会を捉えて、その食文化を世界に発信する取組を進めており、日本大使館およびJNTOパリ事務所がコルドンブルーと共催した今イベントはその一環でもありました。

8392.jpg

▲デモンストレーションする田窪シェフ(左から2人目)ら。

この日はハマチを使った料理が2品デモンストレーションされました。調理を担当するのはパリ市内にある和食レストラン「駒つばき」のシェフ・田窪竜馬さんです。調理の様子は、インスタライブを通じて世界に同時配信されました。

1品目はハマチのお刺身。田窪シェフは、「ハマチという魚は大きさによって呼び名が変わっていく『出世魚』として、日本では縁起の良い食材として知られている」といった背景を説明しながら、丸ごと1匹のハマチを手際良く解体していきました。ハマチの身に包丁が滑るように入っていき、次々と切り分けられていく様子に、会場内の参加者は釘付けに。あっという間にお造りが仕上がっていきました。

8393.jpg

2品目は焼いたハマチの大和ソース添え。鰹節の出汁をベースに醤油および味醂、酒を加えて作る、日本らしい旨味が整ったソースや、ハマチの焼き加減について、田窪さんが丁寧に説明を加えていきました。また料理の合間には、今回の2品に合わせる日本酒2銘柄、「松竹梅『白壁蔵』生酛吟醸」と「L'ATELIER DU SAKE 大吟醸」(いずれも宝酒造)を、酒ソムリエが解説しました。

8394.jpg

全て料理が完成したら、お待ちかねの試食と質疑応答の時間です。

8395.jpg
8391.jpg

田窪シェフが作り上げた2品を、目を輝かせながらスマホなどで写真に収めているコルドンブルーの学生さんの姿を見ていると、なんだかこちらまで嬉しくなってきました。こういう活動の中から、また一人また一人と日本料理に興味を持つ学生さんが出て、彼ら、彼女らが世界各地で和食の将来を支えてくれるはずです。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。