コロナ入国待機で公共交通機関使えないので羽田空港まで自転車で行ってみた

公開日 : 2021年10月22日
最終更新 :
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フランスなど一部対象国・地域からの日本入国について、今まで14日間だった待機期間が、ワクチン証明を提出することで、10日目に短縮できるようになりました(詳しくは過去記事「ワクチン証明提出で待機10日に短縮、フランスから日本への入国最新レポート【2021年10月9日】」)。

ただし、これにはもうひとつ条件があり、10日目にPCRまたは抗原定量検査を自主(自費)検査で行い、その陰性証明を得るということ。ここで問題となるのが「待機期間は公共交通機関を使用できない」という縛りです。公共交通機関とは、電車、バス、タクシーなどが当てはまります。

2021年10月9日に一時帰国した私は、入国した羽田空港周辺(京急空港線沿線)で待機期間を過ごしたのですが、この際に上記の「公共交通機関を使えず」という点で悩みました。なるべく費用を抑えて、10日目の検査結果を検査施設から得るにはどうしたらいいのか......。私の場合、もっとも近い検査施設が羽田空港内でした。

空港までのハイヤーはお金がとてもかかるし、徒歩ではちょっと遠い。京急で行けばすぐそこなのに......。そこで選んだのが自転車! レンタサイクルで羽田空港まで行ってみました。

待機10日目、自費検査へ行くための下準備

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まず、私の待機場所周辺のどこで自転車を借りられるのか調べました。対面で貸し出しを行なっている、観光地にあるようなレンタサイクル屋さんは見当たらなかったのですが、最近の東京は、パリのヴェリブのようなコミュニティサイクルが増えています。私はこれを使いました。

待機場所近くにあったのは「ドコモ・バイクシェア」と「ハローサイクリング」の2社。比べた結果、今回私は後者のハローサイクルを選びました。理由は、海外一時帰国者にとって、サービスの登録と使い方がよりシンプルだと思ったからです。料金は1日最大1000円。ちなみに、借りられる自転車はどちらも電動アシスト自転車です。

なんとか空港までの交通手段が決まったので、次は検査施設に検査の予約を入れます。外部から羽田空港へアクセスする場合、もっとも手前にあるのが第3ターミナル、そして第1、第2と続きます。第3ターミナルは近いですが、そこに入っている「東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニック」はPCR検査で3万円(税別)、一方で第1または第2ターミナルにある「木下グループPCR検査センター」は抗原定量検査で1900円(税込)でした。

今回は、なるべく経済的に済ませることが目的ですので(そのためのレンタサイクルでもありますので)、木下グループPCR検査センターを選択。検査予約を入れました。

予約状況を検査日2日前に調べてみたのですが、各時間の枠が案外と埋まっていてびっくり。もし希望の日時で予約を取りたいなら、早めの行動がよさそうです。予約は木下グループのウェブサイトからできます。今回私は、待機10日目の11時台に予約を入れました。

第2ターミナルへ自転車で向かうには、さらに一つ懸念点がありました。第1または第2ターミナルには駐輪場がないのです。唯一、駐輪場を備えているのが第3ターミナル。したがって今回は、自転車で直接第2ターミナルまで行かず、第3ターミナルに駐輪し、そこから徒歩で第2ターミナルを目指すことにしました。無理をすれば行けるのかもしれませんが、駐輪場がない以上は、それを遵守してみます。

ターミナル間の循環バスは、公共交通機関にあたるため、現状の私では乗れません。

10日目の自費検査当日の流れ

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▲羽田空港手前の海老取川とその向こうに駐機する飛行機

検査当日、ハローサイクルでは30分前からアプリで乗車予約ができます。予約をしておけば、自転車のステーションに着いた時に、入れ違いに誰かに目当ての自転車が借りられているということがなく安心です。予約する自転車は十分に充電されたものを選びます。充電が切れている電動アシスト自転車は、ただのとても重い自転車です。

ステーションに行き自分が予約した番号の自転車を見つけたら、まずハンドル中央部分にある電源を入れます。そうすると「予約済み」の表示が表示されます。私の予約自転車です。

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続いて言語選択が表示されますので、日本語もしくは英語から好きな言語を選びます。

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次は暗証番号の入力画面。ここにアプリで表示されている暗証番号を入れます(ICカードについては今回は使いませんでした)。そうすると自転車のロックが解かれます。

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続いて、ハンドル部分にある電源を入れます。ここでは電動アシストの切り替えや、ライト、電池残量などが表示されます。サドルの調整も忘れずに、自分の足の長さに合わせて、運転しやすい高さに調節しましょう。

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準備ができたら出発です。一路、羽田空港を目指します。

京急空港線沿線から羽田空港までの道のり

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▲環八の空港までの一部区間は自転車専用道もある

京急空港線沿線から羽田空港へ向かう場合、道順はとてもシンプルです。環状8号線(都道311号線/環八)をひたすら東京湾(羽田空港)の方向に進めば、自然と空港に入ります。そろそろ空港かなと思う頃に、羽田イノベーションシティの建物が右手に見えてきます。左手には駐機場です。

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そんな風景のなか、環八を空港方面へ道なりに進むと、右手に「羽田空港船着場」という表示があり「Gate 3」と書かれた表示が右手にあります。表示が見えたら、そこのT字路を進行方向に左折。

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先が第3ターミナルです。

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第3ターミナルの駐輪場は最初に目に飛び込みます。簡単に見つかるはずです。

第3ターミナル(国際線)から第1ターミナル(国内線)までの徒歩ルート

駐輪したら次は徒歩です。第3ターミナルのビルの前の車寄せを通り、真っ直ぐに進むと、再び道が環八と合流します。

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合流したら左折。モノレールと並走する海沿いの道を南東へ向かいます。

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Googleマップなどで見ると、第3ターミナル北側の道路を通るルートの方が第1または第2ターミナルに近いですが、ここは人が通れませんので行かないようにしましょう。

環八を道なりに進んでいくと、次第にカーブになっていき、その先にトンネルが口を開けています。トンネルは約700mあり、徒歩だとそこそこ長いです。トンネル内は行き交う車の排気ガスと下水の匂いが漂い、心地よいとは決して言えない空間......早めに抜けたいです。

私が歩いた際はトンネル内にほんとんど人通りがありませんでしたので、歩いていても心細く感じました。

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トンネルを抜けるとオフィスビルがあります。再び人が活動する気配を感じられます。そのトンネルを抜けた先のT字路を左折します。

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そのまま行くと正面が駐機場になっていて再びT字路に突き当たりますが、少し手前に駐機場の下を通るトンネルの、歩道付き車道へ降りる階段がありますので、そこを降ります。

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トンネル内を真っ直ぐ進み外に出て、道なりに進むと第1ターミナルに到着です。第3ターミナルから第1ターミナルまで、写真を撮りつつ向かって50分でした。

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第1ターミナルに到着すれば、あとは簡単。同ターミナル地下2階の京急線改札口の近くに、第2ターミナルへ繋がる動く歩道付きの連絡通路があります。

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そこを進んでいけば目的地の第2ターミナルです。木下グループPCR検査センター第2ターミナル店は、同ターミナルの地下1階です。

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予約済みのため検査もスムーズ。結果は「陰性」でした。これを健康確認センターに送り、14日間の待機が無事10日間に短縮されました。

待機短縮の流れについては、過去記事「ワクチン証明提出で待機10日に短縮、フランスから日本への入国最新レポート【2021年10月9日】」に詳しく書きましたので、そちらをご覧ください。

最後に自転車の返却ですが、これも借りる時と同様に、返却30分前からステーションの返却枠の予約ができます。あらかじめ押さえておけば、着いた時にステーションが埋まっていることもなく便利です。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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