出国前72時間以内のPCR検査を受けてみた 日本からフランスへの渡航準備【新型コロナ】

公開日 : 2021年01月30日
最終更新 :
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1月18日より、EU域外からフランスに入国する際は、出発72時間以内にPCR検査を受け、航空機または船舶の搭乗前に陰性証明の提示が求められることになりました。またEU域外からフランスに入国した人は、フランスに入国後7日間は自主隔離を行い、そのあとさらにPCR検査を受ける必要があります(詳しくは過去記事「EU外からのフランス入国には72時間以内の陰性証明が必須に」を参照)。

また2021年1月31日0時より、フランスとEU域外の出入国は、特別な事情がない限り禁止されます。

私は昨年末から日本に一時帰国しており、今回フランスへ戻る際に上記のルールに従い、PCR検査を受ける機会がありました。現在、観光でのフランス入国は制限されていますが、それ以外の場合の参考として、日本(東京・羽田空港)からフランス(パリ・シャルル・ド・ゴール空港)までの入国の様子をお伝えします。

今回は日本出国前のPCR検査についてレポートです。

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出国前PCR検査はどの検体ですべきか

インターネットでPCR検査を受けられるところを探すと、民間会社または医療機関が検査を行っています。取り扱う場所によって、「唾液」または「鼻腔・咽頭拭い液(以下「鼻咽頭」と記述)」といった検体の違いや、価格などさまざまです。

ただし、出国時のチェックインカウンターでの陰性証明の確認は「唾液」「鼻咽頭」といった検体種別について言及されませんでしたが、フランス入国に際して、フランス当局が陰性証明として通過させていたのは「鼻咽頭」のみでした(2021年1月30日の入国)。

【PCR検査方式の注意点(2021年1月30日時点)】

日本の空港チェックイン時の航空会社による陰性証明確認→検体種別には言及せず

フランス到着時の空港でのフランス検疫当局による陰性証明確認→鼻咽頭のみ有効

出発72時間前以内にPCR検査を受けて、陰性結果を提示しなければいけないということは、在日フランス大使館および在フランス日本国大使館のウェブサイトにも書かれています。PCR検査の検体種別(唾液か鼻咽頭か)には触れられていません。ところが、Twitterで個人的にいただいた情報によると、フランス本国の当局へ直接問い合わせると、鼻咽頭のPCR検査を指定されるそうです(2021年1月23日時点:まりなさん、お知らせいただきありがとうございました!)。

事実、私は唾液による陰性証明であったため、フランス到着後(2021年1月30日)は空港にて、抗原検査を用いた再検査になりました。その際に検疫の職員に尋ねても、上記と同様の回答でした。一方で「唾液の陰性証明でも検査なしで通れた」という経験談も、ネット上に散見されます。

以上のことから、どのような結果になっても今後の情報として共有できると思い、出発前に「鼻咽頭のみ」の可能性があることは頭にありましたが、ひとまず唾液での陰性証明を持って、フランス入国を試みてみることにしました。

ANAがサービス提供をするPCR検査

PCR検査の陰性証明をもらうにあたり、航空会社ANAがサービス提供するPCR検査を選びました。

注意(追記):以下は出発10日前時点での行動であり、同時点では「唾液」または「鼻咽頭」と検体種別が変わることによって、空港到着時の対応に、どれくらいの差が出ることは正確に認識していませんでした。そのため以下のレポート通りにフランスへ向かっても、フランス到着時の空港で、再検査などに回される可能性もあるかもしれません。なお、このブログは2021年1月30日の日本出国前に書いた内容を、フランス入国後2021年1月31日以降に追記・修正しています。

ひとつ目の理由は、航空会社であるANAのサービスであるため、帰省前の検査などおもに国内移動の人々の需要を想定している会社と比べて、需要の中に海外渡航者がある程度いると想定してのサービス提供がなされているかもしれないということ。

在フランス日本国大使館によると、EU域外から域内への入国には「利用フライトの出発72時間前以内に受けたPCR検査の陰性証明書を搭乗時に提示する必要」があります。今回、私はANAのフライトでフランスへ戻りますので、ANAが自社のサービスで証明した証明書を、搭乗時に内容不十分として受け取らないことは、まずないだろうと判断できると思ったこと。これがふたつ目です。

そして万が一、フランス入国時に何か証明を求められた際に、証明書の形式もおそらく海外の事務方が理解しやすい形に配慮されているのでは、という私個人の推測もありました(これは注意点を、後ほどきちんと確認してから更新します)。

注意(追記):その後、ANAのPCR検査の申し込みページには「中国・アメリカ(ハワイ州)・欧州の多くの国への入国時に必要な陰性証明書としては、ご利用いただけません」と追記されるようになりました。そのため同社の検査をフランス渡航に用いるのは、現状では最適ではありません。

3つ目は、郵送であるため病院へ行かずともよく、他人との接触を少なくできます。

4つ目は金額。1万2650円(税込:陰性証明書あり)は、陰性証明書を発行できるPCR検査サービスを提供している会社の中でも、価格が良心的でした。

PCR検査の手順

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PCR検査の申し込みと手順はとても簡単です。まずANAの専用サイトからオンラインで検査キットを注文すると、最短で翌営業日に指定の住所に検査キットが、ANAと提携している検査施設から発送されます。キットを開封すると、このようなものが入っていました。

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検査には、まず検査申込サイト「CHECK CORONA」にて検査申込登録をする必要があります。検体(唾液)検査後に、そこに「陽性」「陰性」の結果が載ります。

さて、出発72時間以内になりました。届いたキットを開封して検体の唾液を入れます。漏斗をプラスチックの検体容器につけ、そこに唾液を垂らしていきます。

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0.5~1cmほどの唾液が容器の中に溜まったら、同封された梱包材で包み、すでに切手が貼られている同封の返信用封筒で送り返します。

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検体が検査施設に到着すると、即日検査され、上述の「CHECK CORONA」の個人ページに検査結果が表示されます。検査と併せて陰性証明書の発行を注文した人は、その後、メールアドレスにPDFファイルで証明書が届きます。

フランス渡航に必要な書類

私も出発前72時間以内に検査を済ませ、「陰性」の結果と、その証明書をPDFにて受け取りました。ただし、ここで少しつまずいた点がありました。陰性証明は英語併記なのですが、氏名の部分は漢字のみの表記。そのため、私はこの陰性証明を海外渡航に使う旨を申込先に説明し、アルファベット併記の氏名で再発行してもらいました。

さて、これらすべて済みまして、今回のフランス渡航に際して私が空港にいく前にカバンに入れた書類は以下の5点です。

1. パスポート

2. フランスの滞在許可証

3. PCR検査の陰性証明書

4. 国際移動適用除外証明書

5. 新型コロナウイルスの症状がない旨の宣誓書

4と5については、フランス内務省のウェブサイトよりダウンロードできます。

フランス入国後から空港を出るまでの再検査含む詳細については、次回「日本からフランス渡航した際のシャルル・ド・ゴール空港における陰性証明と入国の流れ」でお伝えします。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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