日本からフランスへの渡航と入国の流れまとめ【ウィズコロナのパリ行き】

公開日 : 2020年08月04日
最終更新 :
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フランスを含むヨーロッパは現在(2020年8月4日時点)、新型コロナウイルスの感染拡大により、日本の外務省から「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」と設定されています。

ただ、フランス政府は2020年7月1日付けの首相訓令により、欧州連合(EU)加盟国および一部の対象国(アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、英国、サンマリノ、バチカン、スイス)以外の国から、フランスへ入国する渡航者に対して行っていた入国制限を、日本含む13ヵ国に対して解除し、フランス入国の際に実施されていた14日間の自主隔離、「国際移動適用除外証明書」および「新型コロナウイルスの症状がない旨の宣誓書」は、不要になりました。

観光目的でのフランス入国は依然難しい状況ではあるものの、ひとつの参考として、2020年8月1日に私が実際に日本からフランスへ入国した際の様子を、ここに記しておこうと思います。

なお、2020年3月にパリから日本に戻った際の体験談は「新型コロナウイルス規制下でのフランスから日本への入国・移動・待機についての状況まとめ」に書いています。

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日本出国から搭乗まで

今回私は、中部国際空港から羽田空港を経由してパリ・シャルル・ド・ゴール空港までANA便で飛びました。新型コロナウイルスの影響で、ANAを含む航空各社はパリ便をしばらく運休や減便していたのですが、ANAにとっての再開第一便です。

さて、実際に乗ってみましょう。

中部国際空港から羽田空港(第2ターミナル)までは、国内線のため今回でもおおむね普段通り。ただし、到着した羽田空港第2ターミナルから今回のパリ便が飛ぶ第3ターミナルまでは、以前であればANAの国際線乗り継ぎ客用の専用ターミナル間移動バスがあったのですが、今回はありませんでした。

そのため一度空港の外に出て、一般の無料バスで第3ターミナルへ移動しました。ここも、いつもとは少し勝手が違うものの、特に問題なく移動できました。

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第3ターミナルに到着後は、保安検査場を抜け出国です。ここもいつも通り。国際線を利用する人が少ないため、普段以上にすんなり出国できます。制限区域内は、いつもと比べて多くのお店が閉まっています。一部免税店や飲食店、薬局、本屋などは開いていますが、もしここで買い物を予定しているようでしたら、あらかじめどこのお店が開店しているか下調べした方がよさそうです。

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機内について

搭乗時間になり搭乗手続きが開始されると、手助けが必要な人々が乗り込んだあと、新型コロナ対策として密を避けるため、後方座席の乗客から、搭乗券に書かれたグループ別に搭乗していきました。搭乗の際には、用意されたアルコールで手を消毒するように促されました。

私が乗ったパリ便は、乗客も少なく、空間的にも余裕がある機内でした。乗り込むと、客室乗務員の方から「健康に関する質問表」が配られ、記入するよう伝えられました。内容は名前や現住所、便名、現地での滞在先、同行者など。私の便では日本語の併記もありました。

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客室乗務員の方々は、皆マスクやゴーグルをして、感染防止に努めています。私はエコノミークラスに乗ったのですが、普段であればギャレーに設けられている飲み物やお菓子類が、新型コロナ対策のため置かれておらず、ほしい場合は客室乗務員の方に伝えて、用意してもらう形に変更されていました。

感染予防のため、座席にある機内誌などもすべて取り除かれています。機内販売も行っていません。パリが近づいた頃に客室乗務員の方が、最初に配られた「健康に関する質問表」は回収されます。また、機内アナウンスで「入国時には搭乗券の提示が必要になりますので、なくさないようにお持ちください」と注意が流れました。

シャルル・ド・ゴール空港到着から入国まで

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通常であればANAはシャルル・ド・ゴール空港の第1ターミナルを使っていますが、新型コロナでフライトが限られていることもあり、第2Eターミナルに到着します。降機の際にはANAの現地職員の方々が出迎えてくれていて、ようやくのパリ便の再開に皆さん笑顔でした。

入国審査についても、特別な事情のある入国者でなければ、特に何か問いただされることはない印象でした。いつも通りパスポートを確認し、ポンと入国スタンプを押されて終わりです。空港利用客が少ないため、入国審査も待ち時間なく、すぐに通過できました。

荷物を受け取り外に出ると、無料でPCR検査ができるブースが設けられています。日本からフランスへの入国者は、特に制約はありませんが、気になる方はここで検査を受けることができます。

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シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へ

シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へは、現時点では市内までの直通バス「ル・ビュス・ディレクト」は運行されていません(ロワシーバスは運行されています)。詳しくは過去記事「シャルル・ド・ゴール空港およびオルリー空港からのパリ市内アクセス状況【ウィズコロナ制限下】」に、状況を書いていますので、こちらも参考にしてみてください。

私は今回、配車アプリのUberを使いました。第2EターミナルのUberの乗車位置は、出発ロビーの6ゲート前。到着ロビーの6ゲート前ではないので注意が必要です。ちなみに私は完全に勘違いをしていて、到着ロビー側で待ってドライバーからの電話で気がつきました......。

Uberに乗車すると、車内の運転席と後方座席の間には、飛沫防止の透明のアクリル板が貼られており、窓は全開です。全開なので、高速道路を走ると風が強い強い......。運転手にひと言伝えて、窓を少し閉めてもいいかなとは思ったのですが、相手への感染防止のため伝えるのも申し訳ないとも思い、風に顔を打たれながら家に戻りました(笑)。

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このように、今回の私の入国に際しては特に問題も起きず、スムーズにパリ市内へ行くことができました。航空会社やそのときの状況によって変わることもあるとは思いますが、どうしても渡仏しなければいけない状況の人は、参考にしてみてください。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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