フランスの新型コロナウイルス制限緩和"第2フェーズ"まとめ【2020年6月2日以降】

公開日 : 2020年06月21日
最終更新 :
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新型コロナウイルス(COVID-19:SARS-CoV-2)感染防止の制限緩和について、6月2日以降の段階以降について、フィリップ首相や関連閣僚から具体的な方策が示されました。それら「第2フェーズ」の内容と、美術館など観光スポットの再開スケジュールをまとめました。

なお、それ以前の制限緩和内容については「フランスの新型コロナウイルス外出制限の緩和措置まとめ【2020年5月11日以降】」をご参照ください。

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フランス全土は赤ゾーンと緑ゾーンのふたつに分けられ、各ゾーンで異なった制限緩和が行われます。ゾーン分けは「ウイルスの流行」「病院の受け入れ能力」「PCR検査の能力」という基準で決められています。

5月28日では、フランス国内の大部分が緑ゾーンになりました(パリ含むイル・ド・フランス地域圏はオレンジです)。また6月14日のマクロン大統領の演説では、パリ含むイル・ド・フランス地域圏も緑に変わりました(演説内容については「2020年6月15日からパリでカフェやレストランが全面再開 フランスの今後の経済活動について」を参照)。

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▲フランス国内の色分け(フランス政府Twitterより)

国境封鎖と入国について

フランス国境は、国境労働者等の例外を除いて6月15日以前までは閉鎖です。ヨーロッパ内の地域との国境に関しては、6月15日以降の開放で欧州レベルで調整。フランス国内に入る者は国籍問わず、別途定める感染流行地域からの入国の場合は、原則14日間の隔離を実施。現時点では、ヨーロッパ内からの入国者は隔離の対象外です。

過去の出入国の状況については「フランスへのEU圏外および圏内からの入国まとめ【新型コロナ制限緩和:6月15日以前】」に、詳しくまとめています。

■6月15日以降追記:

6月14日にマクロン大統領は演説を行い、6月15日からヨーロッパ内で移動が可能になります。欧州外については、7月1日から新型コロナ感染症がコントロールされている国々への移動が可能となります。またこれに先立ち、ルドリアン外相とカスタネール内相は連名で、6月12日にコミュニケを発表しました。詳細は「6月15日より欧州域内の移動制限解除、7月1日からは域外を段階的に【新型コロナのフランス出入国まとめ】 」をご参照ください。

フランス国内における移動制限について

6月2日以降は、自宅から100km以内の制限が廃止されます。

パリ市内の公共交通機関について

イル・ド・フランス地域圏では、ピーク時(6:30〜9:00および16:00〜19:00)は、仕事とやむを得ない理由以外の、公共交通機関の利用は許可されておらず、利用には証明書の携行が必要です(詳しくは「フランスの新型コロナウイルス外出制限の緩和措置まとめ【2020年5月11日以降】」を参照)。この措置は6月15日まで継続されます。

6月22日より、パリ交通公団(RATP)の全駅が再開します。地下鉄、RER、バス、トラムは通常運行に戻ります。

文化、スポーツ、宗教および各所再開予定日について

6月2日以降は、博物館、歴史的建造物などの営業が全土で再開されます。また緑ゾーンでプール、ジム、レジャーパーク、劇場の営業を再開、オレンジゾーンでは6月22日以降に再開となります。フランス全土で5月30日から公園が、6月2日からビーチが開放されます。

映画館は全土で6月22日以降に再開。少なくとも6月21日まで、公共の場での10人以上の集会、集団スポーツは禁止。ディスコ、スタジアム、競馬場は閉鎖です。野外での人数は5000人以下の制限になります。

■美術館・博物館

アトリエ・ルノー:5月25日

造幣局:6月2日

パリ植物園:6月5日

モネの家と庭園:6月8日

ダリ・パリ:6月10日

マイヨール美術館:6月10日

エトワール凱旋門:6月15日

装飾芸術美術館:6月15日

ブールデル美術館:6月16日

パリ解放美術館:6月16日

バルザック記念館:6月16日

カタコンブ:6月16日

国立移民史博物館:6月16日

クリュニー美術館:6月第3週目

セーヴル陶器博物館:6月第3週目

ドラクロワ美術館:6月22日

オルセー美術館:6月23日

発見の殿堂:6月23日

人類博物館:6月24日

進化大陳列室:6月24日

エッフェル塔:6月25日

軍事博物館:6月27日

科学産業シティ:6月27日

ポンピドゥー・センター(国立近代美術館):7月1日

ルーヴル美術館:7月6日

ロダン美術館:7月7日

市立近代美術館:7月7日

ギメ美術館:7月8日

ピカソ美術館:7月末

■城・宮殿

シャンテイィ城:5月21日

ヴェルサイユ宮殿:6月6日

*上記はすべて2020年

商業施設の再開について

緑ゾーンにおいては、6月2日からカフェ、レストラン、バーが再開。オレンジゾーンではテラスのみで営業が可能。バーについては立ち飲みは禁止です。

■6月15日以降追記:

今までテラス営業のみ許可されていたパリを含むイル・ド・フランス地域圏のカフェやレストランは、同15日からは通常営業が再開されます。ただしフランス国内においては、マイヨット島とギアナは引き続き制限が続きます。「2020年6月15日からパリでカフェやレストランが全面再開 フランスの今後の経済活動について」も参照。

学校の再開について

6月2日以降は、全土ですべての小学校が再開します。ただし、1クラスあたり15人が最大。中学校は、すでに95.5%が再開しており、6月2日以降は全土ですべての中学校が再開。高校については、緑ゾーンでは総合高校、工業高校、職業高校について一部再開し、オレンジゾーンでは、証明書が必要な学生のため職業高校を優先的に再開。バカロレアの口頭試験は中止。

■6月15日以降追記:

6月15日からは、海外領土を含めたフランス全領土において、保育園、小学校、中学校は、全生徒を6月22日から受け入れるように準備を行います。

***

更新記録:2020/5/29、6/4、10、11、16、21

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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