風神雷神図屏風がヨーロッパ初公開 チェルヌスキ美術館の「京都の宝―琳派300年の創造」展【ジャポニスム2018】

公開日 : 2018年10月27日
最終更新 :
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(c) Musée Cernuschi

今パリでは国宝「風神雷神図屏風」がヨーロッパ初公開されています。場所はパリ市立チェルヌスキ美術館。「京都の宝―琳派300年の創造」展にて、2018年10月26日から2019年1月27日まで展示されています。来年2月まで開催中の日仏友好160周年プロジェクト「ジャポニスム 2018:響きあう魂」の目玉企画の一つです。

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(c) Musée Cernuschi

琳派とは江戸時代の絵画の流派で、桃山時代後期に京都で始まり俵屋宗達、本阿弥光悦を祖として尾形光琳が大成。酒井抱一が発展させた様式です。他の代表的な人物には、尾形乾山、深江芦舟、渡辺始興などが挙げられます。大体な構図と色彩、金泥・銀泥を用いた装飾性なども特徴です。

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(c) Musée Cernuschi

中でも俵屋宗達による風神雷神図屏風はあまりにも有名で、「琳派」という言葉になじみのない人でも、どこかで一度は見たことがある作品ではないでしょうか。

ジャポニスム2018の公式サイトによれば、今回の展示では特に京都での創造に絞った琳派の傑作を、国宝、重要文化財を含めて展示しています。絵画、書跡、陶芸、漆工など、日本美術の粋ともいえる琳派の総合性を示すとともに、その絢爛豪華な様式美、現代の生活美術全般にも通じる斬新なデザイン感覚を紹介するテーマになっています。

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(c) Musée Cernuschi

実際の展示室内は、まずは見てのお楽しみですが、訪れる人の期待を裏切らない構成。最初から圧倒されます。そして次々と傑作が並ぶ様は圧巻です。

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(c) Musée Cernuschi

せっかくチェルヌスキ美術館を訪れるなら、企画展だけではなく上階の常設展にも足を運んでください。常設展には同美術館を設立したアンリ・チェルヌスキが、東京から持ち帰った高さ4.4メートルの阿弥陀如来像が鎮座しています。これはチェルヌスキが目黒の蟠龍寺(ばんりゅうじ)で野ざらしにされていた仏像を、当時500両を出して購入したもの。日本から遠くフランスへ渡った大仏が、ここで第二の人生を送っています。

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【データ】

住所:7, avenue Vélasquez 75008 Paris

開館時間:10〜18時

休み:月曜

最寄り駅:地下鉄2、3号線Villiers

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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